煎茶陶芸覚書

煎茶陶芸ときものについて勉強中です。

京都国立近代美術館「人間国宝 北村武資 『織』を極める」展

2011年09月25日 | きもの
春に出掛けた第45回日本伝統工芸染織展で、刷りたての北村武資展のちらしを貰った時にはどきりとしました。

半透明の厚手のトレーシングペーパーに、羅や経錦の織り成された糸がはっきり見えるように印刷されていたからです。
幾何学的でありながら、糸で織られているため優しい印象を受けるこの文様、表と裏で上手に違う写真を配して、しかも文字が埋没しないような色選びとレイアウト。

古代の織である「羅(ら)」と「経錦(たてにしき)」を現代に復活させた北村武資(たけし)の作品は、毎年の伝統工芸展等で目にすることができます。
しかし、作品をまとめて見ることが出来る機会はなかなか無いもの。是非行ってみたいと思っています。

京都国立近代美術館
http://www.momak.go.jp/

特別展は2011.9.16~10.30

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連休を利用して行って参りました。午前中でとんぼ返りでしたが、行って良かったです。
出来るだけ光を取り入れ、文様が引き立つように展示されている数多の羅。敢えて照明を落とした部屋で文様が浮き上がるように光を当てられた経錦。
空調の風でゆらゆら揺れて綾なす金の糸が光を反射するさまは、やはり実物を見てこそでした。

きものの形の作品もありましたが、それよりも、布として裂として、光と空気をはらむように展示されている様子に心打たれました。

かなり間近で照明が当たっていて驚きましたが、図録を読んだところ北村武資は作品にあえて化学染料を使用しているとのことで、褪色の心配はあまりしないでよさそうです。

刺繍や印金との合作もあり、これがまた絶品でした。


来年年明けに、東京国立近代美術館工芸館への巡回展もあるとのことで、関東の方に是非お勧めしたい展示です。