煎茶陶芸覚書

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第63回日本伝統工芸展京都展

2016年10月13日 | きもの
初日に都合がつかず、二日目に参上しました。
思ったよりも沢山の人、チケットを買おうとしたら見知らぬ方に袖を引かれて
招待券を分けて頂きました。お名前も伺いませんでしたが、ありがとうございました。

今年の京都展、染織の最初は小川規三郎氏の博多献上袋帯で、貴族のお姫様が立ち現れたような濃い桃色から白への襲色目がぱっと目を引く華やかさ、うきうきするような出だしでした。他にも臈纈型絵染着物「桜のはないろ主や誰」(山下普子氏)、築城則子氏の小倉縞木綿帯「紅丹奔流」など、若々しい桜色~紅色の作品があって、久々にわくわくいたしました。
若い方向けの作品を作る意欲、希望を感じます。

友禅の作品にも新しく好きなものがあって、「花信」(村山正夫氏)や「彩遥」(毎田健治氏)は明るい色づかいと空に向けて開いていくような植物の模様が美しかったです。中井謙二氏の「竜胆」は白場の使い方がとてもきれいで見応えがありました。
大好きな小倉淳史氏の単衣「青き風阯」が絶品で、あまり見ない生地に絞りが施してあって、いったい何の生地だろうとためつすがめつ眺めたのですが勉強不足で分からず。いつか知る機会がありますよう。
同じくことりみゆき氏の「エナジー」の生地も張りがあって透け感もあるものだったのですが、知識不足でわからず。

人間国宝の方々の作品が、これをこの年齢で作られるのか!と思うほどエネルギーに溢れて素晴らしく、長寿を願わすには居られませんでした。福田喜重氏の裾模様・「若松」の着やすそうなこと。平良敏子氏の煮綛芭蕉布帯の黄地の済んだ発色。心が洗われました。

そうそう、かれこれ10年近く百貨店での工芸展に寄せていただいてますが、今回初めて作品が売れていくのを目の当たりにしました。外商の方がこれまたベテランで、たまたま他の作品の値段をみてらした方に話しかけておられたのですが、ずっとお話を聞いていたかったぐらいです。普段こういう専門家はどこに隠れておいでなんでしょう。



第63回日本伝統工芸展京都展

京都高島屋7階
2016.10.12(水)~17(月)

一般500円ですが、高島屋のカードがあると割引が効く様子です。大学生以下は無料なので、お若い方に是非ご覧頂きたいと思います。

(写真は着たものの覚えです。単衣を用意したのに、急な冷え込みで暦通りの袷で良かった一日でした。一時間居たうち和装の来場者6人でした。)


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