旅とエッセイ 胡蝶の夢

亜細亜の旅日記、オリジナルエッセイ。投稿では万年佳作か特別賞。
まずはアンコール遺跡群

サザエさん

2017年03月15日 17時20分41秒 | エッセイ
サザエさん

 台湾に着メロを売る商売をしていた。15年ほど前の話だ。ちょっと省略し過ぎたかな。台湾の携帯コンテンツの代理店と商売をする窓口にいた時の話。着メロ(今じゃあ懐かしい古語)の人気曲上位には、ドラマの主題歌と並んでアニメソングが定番だ。『新世紀エヴァンゲリオン』『ルパン三世』とかね。台湾では日本の大ていのアニメは放映されている。まあ台湾だけではない。タイでTVをつければ『一休さん』に『ドラゴンボール』、『セーラームーン』。南米では『らんま1/2』、ドバイじゃあ『どらえもん』のしずかちゃんの入浴シーンが、いきなりカットされて画面が飛んだ。
 で台湾、「日本で一番視聴率が高いアニメは何?」「それは、---『サザエさん』かな」「えっ?Sazae-san?何それ、私は日本のアニメには詳しいの。そんなの聞いたことがない。日本で一番人気があるのなら、何で台湾で放送しないのよ」「うーん、ドラマチックじゃないからかな。悪役もいないし」「どんなアニメなの?」「ファミリー物。毎日の出来事を淡々とアニメにしている」「-----ちびまる子ちゃん? クレヨンしんちゃん?そんな感じかな」「いや違う。もっとフラットなデイリーライフを----」「日常生活、いいじゃない。私ら、ちびまる子ちゃんでシミズ・シティーを知ったし、私の友達は『じゃりん子チエ』が好きで大阪に行ってきたよ」「あ々でも『サザエさん』は東京で、ダウンタウンではなくベッドタウンに住んでいて」
 「分かんない、分からないよ。何故海外で放送しないのか。日本で一番人気があるんでしょ。じゃあ書いてみて、Sazae-san」「えっ?」ペンとメモ紙を渡された。えーと、下ぶくれの輪郭、頭の上におダンゴ三つ。顔は、わっわっ変になっちゃった。
 『サザエさん』が嫌いな日本人はいないだろ。退屈だの詰まらないだのは分かるが、大っきらいはないでしょ。『サザエさん』は古い。夕刊フクニチに連載が始まったのは1946年。朝日では1949年から30年も続けている。長谷川町子さんは、お袋よりもちょい年上だ。長谷川家は父親が早世、長女の夫は戦死、末っ子の夫も若くして病死したため女性ばかりが残された。町子さんは生涯独身で、家には波平もマスオさんもカツオもいない。
 初期の作品は、子供向けとは言いきれない。強風で駅のポスターが飛ばされそうになる。駅員の一人がポスターを押さえ、もう一人が飛んで行ったポスターを追いかける。それをカツオが見ている。駅員のオジさんが叫ぶ。「人権が蹂躙されているぞ」ポスターには「人権週間」の文字。へっ?何が面白いのかの前に、じんけんじゅうりんって何?
 親に聞いて困らせた。ハハ、そりゃ困る。俺も子供に聞かれたら困る。「人権蹂躙って何?」人権蹂躙、もう死語だな。長谷川さん、毎日毎日のネタ探しでストレスが溜まっていたのね。その反動で生まれたのが、『いじわるばあさん』こちらは今残っていないが、青島幸男のTVドラマは笑えた。『サザエさん』のTVアニメがあれほど長く続いたのは、4コマとはいえ、30年分のストックがあったからだろう。偉大なるマンネリ。やはり外国人に受けるとは思えない。
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