旅とエッセイ 胡蝶の夢

亜細亜の旅日記、オリジナルエッセイ。投稿では万年佳作か特別賞。
まずはアンコール遺跡群

それぞれの幸せ

2017年04月21日 08時51分50秒 | エッセイ
それぞれの幸せ

 以前、生まれて初めての記憶について書いたことがある。女性作家のエッセイを読んでいたら、彼女のそれはお母さんの二の腕だったそうな。自分の最初の記憶は、陽が燦々と降り注ぐ暖かい海?の浅瀬で、多分浮き輪に支えられてキャッキャとはしゃいでいるものだ。お母さんが目の前にいる。お父さんの気配もある。何故かお姉ちゃんの記憶はない。
 本当に断片的で朧げなワンシーンだ。けれども自分が大して悪いこともせず、真っ当に成長したのは、最初の記憶が暖かいものだったからかもしれない。楽しげな赤ちゃんの自分。それを見て幸せな母と父。親は子供が喜ぶのを見ると、自分のことより嬉しいものだ。自分が子供を持って分かった。楽しい一日、美味しい食事と心地よい疲労。子供たちの感動と喜びが親にとっての幸せだ。
 だけどその幸福な日の記憶は、子と親とでは共有は出来ても質は違う。人はそれぞれの個体で生きている。それぞれに体の不調や仕事なり人間関係、金銭等の悩みを抱えているので、同じ楽しい時間でも受け取り方は全く同じではない。でもそれでいいんじゃないかな。
 流石に苦労を知らない赤ちゃんは、気持ちが良くて楽しいからキャッキャ笑う。その声を聞き、その姿を見てお母さんは、愛おしさに胸がギュッとなる。赤ちゃんは何も考えずに親孝行をしているんだね。
 それも順番だ。赤ちゃんは成長して親になり、子を持ちやがて老いる。人に影響を与えるという点では、親から子もあり、子から親もある。同じ日、同じ時間を共に過ごして、それぞれの記憶を持って、やがては全員灰になる。
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