債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 

ウォールストリートで20年、生き残ってきたノウハウを開示、日々のマーケット・社会情勢を分析します。

まさに夏の陣

2008-10-14 22:00:02 | マーケット

週末から本日にかけてアメリカは乾坤一擲の大勝負に出た。関ヶ原をすっとばして一気に大阪城であります。序盤を飛ばして一気に終盤に持ち込み勝負をかけたといえる。

成功するか否か、これは結果を見るしかないですが、個人的には相当危ない橋を渡っているように見えます。

まず、中央銀行による資金供給。

これはBOE,ECBはもちろん、スイス中銀などの主要中央銀行を巻き添えにしました。おそらく日銀も正式に追随の意思を表明するでしょう。

新聞などの報道は救済の一環として「無制限の資金供給」という言い方で報道をして、無制限だからこの上ない救済なのだ、と説明しているが、これは何人もの方が指摘しているように誤解に満ち満ちています。(どらさん、いつもお世話になってます)

もとより中央銀行は無担保で貸すわけではないし、有担保ということであれば金融機関の自国通貨での資金調達は今でも事実上無制限。

大きな決断は・・・・市場原理による調達レートの決定を放棄、中央銀行が決めた固定レートで資金を供給できることになった、ということです。需給を無視して勝手に決める。これがどれだけ大事件か、というと・・・・

世界で唯一供給レートを意のままに決めることができた中央銀行は中国銀行だけ、という事実。つまりこれは社会主義経済の政策そのものだ、ということです。

おそらく今回のこの行為により、中国の金融政策が閉鎖的であり、素早く市場開放するべきだ、という議論は今後10年間はできないでしょう。中央銀行から市中への資金供給レートの決定は資本主義金融政策のかなめ中のかなめであり、それをギブアップするなら、その制度は社会主義と呼ばれても文句はいえません。

なりふり構わず・・・と言えば聞こえはいいですが、ラグビーのボールを前に投げた訳ですから、ラグビーというゲーム(資本主義)は違うゲームに変質したとみるべきでしょう。 少なくともアメリカ型金融資本主義はこれで終焉したことになります。

そして間髪入れず、25兆円に及ぶ資本注入を決断。これは例の救済法案の一部の資金を使っていますね。しかしこれは本当にギャンブル。

というのも結局、証券化商品でいくら損失が出ているかを一切明確にする事無く資金を入れてしまったので、マーケットからすれば損失の合計金額は引き続き不明。オンバランスだけでも150兆円に及ぶかと言われる証券化商品関連損失の公的資金による買い取り枠は75兆円しかなく、そのうちの25兆円は使ってしまうのだから全然足りないじゃん、ということになるでしょう。

筋論でいえば、その与えられた許容範囲内で買い取っているうちに損失金額を明確にし、たとえば本当にゼロと評価しなければならない場合は、前回のS+Lの時と同様にそこまで棄損させた経営者を逮捕するなどして、責任を明確にした上で税金を投入する、ということになるでしょう。これでは、ポールソンは自分を含めた同業者に係累が及ぶ前に(損失が明確になれば及ぶでしょう)うやむやにした、と言われても仕方ありません。

日本の成功体験に学んでもらう、なんて中川(酒)さんは言ってますけど、これは日本でも実は大失敗していて、損失額を明確にする前に資本投入をしたために責任があいまいになってしまったのはもちろん、最後は無尽蔵に注入する羽目に陥りました。(当時の経営者は逮捕はおろか、みんな満額の退職金をもらって、その辺の大学教授かなんかになってのうのうとしていますよね。)

日本がこれでも逃げきれたのは日本という国が金融機関の資産合計よりもはるかに多くの資産を保有しており、国が本気で救済に乗り出せば吸収可能だと市場が安心したからであって、現在のように自国のGDPの10倍も資産がある銀行が世界中でごろごろと倒産寸前で「浜に上がっている」状況とは比較にならないのです。

当然、この資金ではたりない、とマーケットに疑惑をもたれれば再び先週のような危機的な状況が起きることでしょうし、その可能性は高い。

市場資本主義という看板を捨て、社会主義と言われるリスクまで犯したわけですから、これはまさに背水の陣と言っていいですし、中途半端に資本注入をしてしまった一方で規模からしてこの次の攻撃はあり得ない、というつもりでやらねばなりません。

三菱によるモルスタの救済。
最初はほめたけど、これではあきまへん・・・これでだれが首に鈴をつけるのでしょうか。行使すれば20%の株価を握れるといいますが、買値になる25ドルになる前に誰かに第三者割当をされたらどうするのでしょうか。どんどん希薄化してシェアは落ちていきます。

25ドルで普通株を購入した場合の株主代表訴訟のリスクを考えた、と報道されていますが、高々年間10%の配当で経営のキャスティングボートさえ握れずにこれだけのリスクを取る方がよほど株主訴訟の対象になりうる、と私は思いますよ。取締役会における発言権もないのですから突然国有化されたらどうなるんでしょうかね・・・

本日、ここまでは本当に走り書きなので、後ほど時間を見つけて大幅に修正加筆させて頂くかもしれませんので、ご容赦くださいませ。

ジャンル:
経済
キーワード
キャスティングボート 株主代表訴訟 社会主義経済 固定レート
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15 コメント

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安心です (寄生木)
2008-10-14 22:08:19
って金融危機回避ってことじゃありません。
【ぐっちー】さんが正論を述べてくださったからです。
モルスタ株買いたかった (ひーひ)
2008-10-14 22:10:25
日本の会社らしい 律儀な所がありましたね

25ドルで10%利率の優先株

三菱はお人好しですね
10ドルで12%利率の優先株でも嫌だな


それにしても アメ公達は キャンセルすると思っていたんですか?

お公家様なのにそんな下品な事をしませんでしょう

あーあ モルスタ株買いたかった
まさに・・まさか・・ (ぺルドン)
2008-10-14 23:15:15
万歳突撃は
日本特有の・・と信じていましたが、
ヤンキー魂による万歳突撃・・壮観だなぁ・・!

また日本でもマルクス経済が流行るか、
あれは一学説にすぎない、と貶されていたけれど・・

まさかロシアが資本主義の本流になったりして・・

個人的に言えば、
『冬の陣』
の方が好みであります。何しろ奥方のご先祖が一人討ち死にされ・・
Chapter 11のファイルもできないアメリカ企業 (りんたろう)
2008-10-14 23:20:17
金融機関への資本注入を横目に、米国の信用収縮もいよいよ進み、今や米国企業はChapter 11のファイリングもできなくなってきました。従来、Chapter 11のファイル前にDIPファイナンスのコミットを出していたファイナンサーは250近くありましたが、今や6社に減ってしまい、しかも総額で20億ドルしか調達できなくなっています。これではChapter 11のファイル=Chapter 7へ一直線ということで、Chapter 11を使えなくなっています。Wall StreetだけでなくMain Streetでも蛇の生殺しが頻発しています。この問題はTreasuryやFedも面倒をみられないのでは?
Unknown (通りすがり)
2008-10-14 23:28:41
やっぱりギリギリの線なのですね。

少しわかりました。
ありがとうございます。
モルスタへの出資について (jh)
2008-10-15 00:30:14
三菱UFJは潜在株式調整後ベースで20%を維持する権利を得ていますよ
http://www.mufg.jp/data/current/pressrelease-20081013-001.pdf
物凄く (へきぽこ)
2008-10-15 01:28:58
なるほど?な話ですが… 要はかなり大掛りで消化活動を再開したものの結局は鎮火できないって事ですか… 気になるのが20%も株式所有していても経営に関われないと言うのが…
とりあえず国有化されるときついですね… 更に増資と言う考えななしですかね?
密約? (K)
2008-10-15 01:57:04
>三菱によるモルスタの救済。

日米政府との密約説がありますね。

園田義明めも。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/
Unknown (ゆきなぼ)
2008-10-15 03:12:37
通貨も反転しだしましたね。しかし日本は参加できていない。
中国の中央銀行 (shanghai)
2008-10-15 04:34:01
中国の中央銀行は中国銀行ではなく中国人民銀行ですね
Unknown (Unknown)
2008-10-15 15:12:05
米国は1929大恐慌の時もそうでしたが国を守るためなら無茶苦茶やりますね、自由経済から極端な180度方向転換。
英国も間髪いれずのあっさり公的資金注入、いつでも社会主義に移行する用意はできているといわんばかりの行動(与党が労働党だからかもしれませんが)。
アメリカもイギリスも思想やイデオロギーに固執することはなくとどのつまりは国家第一ってことですね、二枚舌のアングロサクソン民族らしいです。
希薄化 (来年から外資金融)
2008-10-15 18:27:15
第三者割当などによる希薄化のリスクを受けないように認めさせたんではなかったでしょうか?
Unknown (Unknown)
2008-10-16 07:48:58
修正するなら早く!
一晩で相場の状況はガラリと変化してますよ!
日本のバブル崩壊と違う点 (ムサシ)
2008-10-16 08:06:55
日本のバブル崩壊とよく比べられますが、あのときは日本だけが悪く、他の国は好調でした。
このため、金融機関さえ支えれば、民間の輸出企業ががんばって回復することができました。
それでも10年かかりましたが・・・・

今回は、世界中がだめ。
どこの国も国内はぼろぼろ。輸出もだめ。

現在は金融期間さえ支えられない状況ですが、実は金融機関を支えてもそれだけではダメなのではないかと思っています。
回復の牽引力が不在なんですよね。
どこまで・・・ (日本株)
2008-10-16 11:57:27
どこまで落ちるのでしょう?

ぐっちーさんなりの予測を教えて下さい。

8411みずほはピークから1/3になりましたよ。

日経225は18000から1/2ですね。半額。
これってバーゲンセール?

それとも腐りかけ商品の投げ売り?


株高で煽られるまま買った銘柄で1/8にまで下がった銘柄もありますから、みずほはまだマシなのかもしれないけどね・・・。

    あとそろそろ

      コメント
 
    公開しては??

画像認証仕掛けているので変なスパムは来ないはずでは・・・。

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