債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 

ウォールストリートで20年、生き残ってきたノウハウを開示、日々のマーケット・社会情勢を分析します。

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これだけははっきりしておこう

2008-10-23 23:16:29 | サブプライム

くどいけど、とても大事なことなので再度整理しておきます。読者用というより自分用ということで読みづらいですがこらえてください。

突然、政治家も官僚も新聞もテレビも 日本の銀行が中小企業に貸し渋っているのは今回の一連のアメリカ発サブプライム損失が原因であり、そのためにアメリカと同じような公的資金による資本増強が必要だ、と言い始めている。誰が洗脳したのか??

はっきりしておかなければならないのは日本の金融機関による貸し渋りそのものは少なくともここ10年顕著に見られる傾向であって、今回のサブプライムがきっかけで突然貸し渋っているわけではない。

バブル以降、日本の金融機関はその意味で一貫しており、国債に集中的に投資する一方、金融機関本来の融資らしい融資は一切行ってこなかったといっていい。
ひたすらJGBを買いまくるJGBモンスターである。

これを補完したのがまさに外資系金融機関である。
さらに言えば、貯蓄から投資への掛け声にのった、やくざマネーに蹂躙された東証マザースであり、その他いかがわしい直接金融、及びベンチャー出資である。さらにグレーゾーンと言われる金融機関も同様これらの補完をなした。

特に、日本の金融機関による貸しはがし、と言われる行為が顕著になるのはこの3年で、これらは欧米における証券化商品の損失問題とは全く別個の原因で顕著になった。きっかけはグレーゾーンに対する規制の強化に見える。日本航空でさえ、反社会的勢力と区分させられた。これは金融庁の行き過ぎた規制、と言われてもしかたないだろう。

一方ここ1年、あるいは数か月の金融機関による新しい融資方針についてはむしろ同情すべき点が多い。 

これら、日本の金融機関が貸せないと判断した領域・・・ここに付け込んだのはシティー、RBSなどの外資系。かれらは反社会的勢力に対してはもともと寛容で、サラ金融資の残高も圧倒的に多かった・・・その意味では不動産、しかもSPCを経由したノンリコースローンであれば地上げにやくざが絡んでいても直接的に融資するわけではないのである意味無尽蔵に資金を供給した。

これがサブプライム問題ではじけたのだ。つまり貸しはがし、というのは、不動産を中心とした外資系金融による融資がはがされただけにも拘わらず、これが日本の金融機関による貸しはがし、及び融資の停止と理解、報道され、公的資金の議論につながってしまっている。

もともとこのエリアに日本の金融機関はろくに融資していない。 当然、外資系の融資が止められた日本の企業はあわてて日本の金融機関に駆け込むが、何をいまさら、というのは当然で、これをもって貸し渋り、というのは本末転倒。

これには驚くべきことに地方自治体も含まれるのだ。
外資系金融の甘言に乗せられ、CDSのアービトラージ目的の地方債発行をふんだんにしておきながら、今になって外資系が撤退して困り果て、公共サービスが実行できずに困っている、などと、テレビで被害者面をしている地方自治体の連中は一回全員給料を返上した方がいい。

普通なら貸せない状態の財務状況にあった地方自治体を延命させていたのはほかならぬ外資系金融機関なのだ。

しかし、焼け太りながら、ここで公的資金がただでとれるなら日本の金融機関にとってはこれ以上の話はなく、ここでとれるだけとって、今まで倒産させる余力がなかったために「追い貸し」をして延命していた企業をここで倒産させることができる。 建設業に突然倒産が増えたのはこのためである。彼らは元来10年前に倒産していなければならなかったのだ。

血反吐をはいたアメリカの金融機関の現状を見れば、日本国内のサブプライムが本格的にはじけ始める前に身ぎれいになろう、とするのは当然で、皮肉なことだが、公的資金を注入すればするほど貸し渋り、貸しはがしは酷くなる・・・という ことだ。

要するに今潰れているのは安易な外資系金融機関の融資に頼ったところがほとんどなので自業自得。

中小企業に資金流れていないのは10年前から一向に変わっておらず、サブプライム問題は一切関係ない。この10年間、融資の必要のない企業にどれだけ低利で拝み倒して融資をして来たか、晴れた日に傘をカス、と言われる金融機関の本領発揮である。

本当に中小企業金融を増やすつもりがあるのなら方法は二つ。ひとつは社会主義を覚悟で融資能力のない民間銀行から余剰資金を国が召し上げて、国の判断で融資をすること。それがいやなら自らの判断力をフルに発揮して融資を積み上げるしかあるまい。

二つ目はくだらないバーゼルII を早くやめること。事業法人は事業法人のリスクであって、それはAAAでもAでも100%としないと、紙屑のAAA 証券化商品とダイアモンドのB 中小企業向け融資がトレードオフにならず、とにかくAAAに投資をするという判断は永久に変わらない。これのお陰でAIGもシティーも潰れかけたのだから日本だけ独自の道を行く勇気をもつべきだ。

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29 コメント

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対米での配役 (車好きの暇人)
2008-10-23 23:58:54
お忙しい中ご苦労さまです。

時価会計を簿価に戻すのと、バーゼルⅡの廃止はセットで実施されるべきだと考えております。
日本単独でもとのご意見ですが、こういう時こそフランスに頑張っていただくのがよろしいかと。
サルコジ氏の発言を見るに、ヤル気だけは十二分ですので、お望み通りに正面はお任せして・・・・というのは腹黒過ぎでしょうか?(笑
これだけは・・・ (ぺルドン)
2008-10-24 00:44:04

パチ パチ パチ

であります。

ブログAAA
個人的には (へきぽこ)
2008-10-24 01:44:53
結構読みやすかったです。
グレーゾーンでもなんでも 個人に貸す事の出来たサラ金はまだマシって感じなのでしょうか? 結局お金貸すのが仕事じゃなくてキリトリもきっちり出来てこそなんですよね… 一番楽そうなとこにお金まわしてるなら 別に銀行さんじゃ無くてもいいと思いますし、そもそも農中や信中、銀行の存在意義ってなんなんでしょうか? 考えさせられます。
グッジョブ、グッチー (ホイホイ)
2008-10-24 02:13:17
金融界の問題点をバッサリと一刀両断。
まさに目からハム。
歯切れのよさにうっとり。
あれから10年 (durian)
2008-10-24 04:06:16
「10年前に倒産していなければならなかった」ゾンビ企業が今倒産しているという点については最近つくづくそう思います。
日本の金融機関 (たかきち)
2008-10-24 04:19:04
はじめまして、たかきちと申します。
ド素人の質問ですが、よければ教えてください。

日本の金融機関の融資姿勢は、やはりバブルの後遺症で、おかげで世界的には現在の信用が相対的に高い→円高なのでしょうか。

あと、無理のある借金に頼った企業経営(日本の自治体、政府もですが)って何とかならないものかと思います。
非上場の中小企業においてだと思うのですが、「少しの赤字くらいがよい経営」って聞いたことがあります。そういう企業はやはり、危機に対する体力が無いということでしょうか。

突然の質問攻めですがお許しください。

Unknown (ゆきなぼ)
2008-10-24 07:12:50
今日は更新していると思わなかったです。
そのとおりだと思います (青魚)
2008-10-24 07:51:34
日本の金融機関、特に地域金融機関の「貸し渋りの件」その通りだと思います。

いわゆるサブプライム関連の残高総額に占める国内金融機関、特に地域金融機関は微々たるものであったことは、9月に金融庁が発表したとおり。

今回中小企業の「貸し渋り」が表面化しているかのように見えるのは、昨年からの改正建築基準法による建築確認申請遅延、不動産への事実上の融資規制、原材料高、人材不足、後継者難・経営者の高齢化、それらにより中小企業の業績が悪くなっていることが原因。

そこに、金融機関側ではリスク管理体制強化の一貫でスコアリングによる格付けが中小企業向けにも浸透して、赤字ならそれ「だけ」を理由に貸し出しを断れる大義名分が整ってきたこと。

サブプライムが影響ゼロとは言えないけど、それが犯人とはとても言えないな~
日本航空は良くなった。 (K)
2008-10-24 09:17:02
日本航空に否定的だったのに、どういった心境の変化ですか?
今回はGood!! (ふりー)
2008-10-24 11:03:12
お!今回の記事はなかなか素晴らしいです。
共感できます!!
こういう記事期待してます。

あと以下の記事貼っておきます。
貴殿はこの金融危機はバーナンキが引き起こしたとか書いてましたが、グリーンスパン自らが認めてますよ・・・。

 【ワシントン23日時事】グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長は23日、下院政府改革委員会で開かれた公聴会で、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発した金融危機に関連し、融資監督で議長時代に「過ちを犯した」と語り、政策運営のミスを認めた。
 2006年1月まで18年にわたりFRBを率い、「マエストロ(巨匠)」と政策手腕を高く評価された前議長だが、サブプライム問題が世界的な金融危機に拡大する中で、議長時代の低金利政策や、規制を嫌って野放図な融資を放置したことが問題発生の原因になったとして、批判の矛先が向いている。

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