なんてのが発売されるかもしれないね。
すごい話です。
キリン、サントリー統合のニュースが飛び込んできました。東京都議選挙どころではありません。私は現在M&Aが一応本職なのですが、2007年に幸田さんのラジオ番組に呼んで頂いたときに「注目業界は食品、中でもメルシャンを買収したキリンは何かやる」、としゃべったことがあります。
ブログでも食品業界再編は何回か取り上げました。 しかし、キリンとサントリーとは全く予測していませんでした。ノーマーク。
キリンのM&Aチームが偏に優秀、ということがまずあるのだと思います。
着眼点が非常にいいですね。
通り一遍のことは日経に譲りますが、何せすごい決断だと思うのは上場会社同士ではなく、片方のサントリーが非上場会社ということです。
これは株主対応だけではなく、ディール後のさまざまなことを考えるとものすごくリスクが高い。
上場会社のディスクロ基準と全く違う状態で経営されてきた訳で、当然示されている数字なども一つ一つ検証が必要になります。
株主の目にさらされない分、「相当膿がたまっている」のが通常です。サントリーが赤字のビール事業をここまで持ってこれたのも「根性」の一言ですむわけがなく、ある意味不明瞭な会計と決算を駆使してここまで来た、という言い方もできるのです(脱税、とかそういう意味ではありませんぞ)。
その意味ではこの統合はアメリカでは不可能だったでしょう。訴訟リスクに耐えられません。
今後の展開はわかりませんが、社長同士の本当の信頼関係、お互いのスペシャルチームの阿吽の呼吸など、アメリカ流M&Aでははかりしえない、数字には出てこないお互いのバリュエーションが存在したからこそ、可能になったのではないか、と推測しています。これが日本型M&Aということになるのではないでしょうか。
数字だけにとらわれない、将来を見据えた決断が必要な会社は多々あるのです。
数年後、あるいは数十年後にそのあたりの裏話を是非聞いてみたいディールですね。
しかし、課題もあります。
国際的に見てもトップ5を狙える地位になるようですが、このままではいかんせん利益率が低いのです。僕には原因がはっきりしているように見えますね。
世界中のビールなどの飲料メーカーであんなに広告宣伝費を使っているのは日本の会社だけです。
バドワイザーもハイネケンも、ハリウッドスターを使って広告をする、なんてことはありえない。日本だと電通のためにやってるんじゃないか、という位大物女優を平気で使いますね。
そのギャラたるやとんでもないコストであって、欧米の飲料メーカーでは考えられないコストなのです。 最近ではコカコーラもそうですし、ペプシが早くからそういった芸能人を使わなくなりましたが、売り上げが落ちた、という話は聞いたことがありません。
我々の実感としてもプレミアムモルツが竹内さんのせいで売れたわけもなく、キリンも深田恭子を使ってくれたことには感謝しますが、それでどれだけチューハイが売れたのか。
既にキリン、サントリーとも社会的に認識されているブランド名ですから、その種の広告宣伝費は無駄遣い以外の何者でもありません。世界標準では実に無駄な広告宣伝費と考えられるでしょうね。
これはJALについて書いたときと同じでして、もはや、そんな広告宣伝費をかける余裕も無いし、かけても効果がない、ということがはっきりしているインダストリーだ、ということです。(航空会社で芸能人を宣伝に使っているのは日本だけで、使っている余裕があるならその分を安全とサービスの充実にまわすべきだろう、とおっしゃったのはバージンのブランソン会長です。余談ですが、その後の一言がすばらしく、「バージンの一人一人の社員すべてがハリウッドの誰よりも魅力的な広告媒体です」とおっしゃったわけですな。こんなこと言われたら制服着たままタバコなんて吸えませんて・・・・・・)
いづれにせよ、「日本ブランド信仰」がまだまだ生きているアジアマーケットを制するためにもこのくらいの規模の飲料メーカーが必要だということは確かで、両社が一歩前に出たことは間違いありません。
最終統合まで紆余曲折はあるでしょうが、ここまで至った両社の経営者とスペシャルチームに拍手を送りたい、と思いますし、これは是非成功させてもらいたい、と願う訳であります。













