天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

同性愛は世界を救う?

2017-03-06 06:12:34 | 


ぼく自身は同性愛カップルには里子を取って成人にしてほしいと思っている。そうでないと国が脆弱になる。里親になることが同性愛のカップル(結婚)を認める条件である。
こういう保守的な考えこそが平和を妨げ世の中を窮屈にする、というのが『愛の国』の著者中山可穂の主張ではないだろうか。

『愛の国』は、女性同性愛者を骨子とした物語である。
自民党と、それよりもっと国家主義を徹底したい愛国党が登場することで著者の政治意識はすこぶるわかりやすく物語に反映される。
元劇作家にして俳優の麗人が墓を抱いて行き倒れになっているのをこれまた美人の尼さんが見つける。このボーイッシュな麗人ミチルが最愛の恋人久美子(俳優の相方)の幻影を背負って道行をする。四国の巡礼、スペインの巡礼と。愛国党の同性愛者監禁と戦いながら。

ミチル―久美子―男という三角関係。久美子は男の子を孕みつつこれを嫌悪して舞台にかける。
中山可穂が優れているのは、三角関係という通俗なものを神聖化しようとするところにある。ミチル―久美子はラブラブであり、久美子―男も愛情関係ならば、ミチルと男は反発し戦うのが一般的な三角関係であるが、ミチルと男も抜き差し難く結びついている。
これを愛というと薄っぺらい。もっと濃厚な、捨てきれない感情の領域をえぐり出している。筆致に迫力があって引き込まれた。

三角関係はこの作家の薬籠中の素材である。
「弱法師」は脳に難病を持つ少年と美しい母と遭遇した医師がこの二人に惚れこんでしまう話。おもしろいのは母だけでなく少年にも同じように惚れてしまうところ。
「浮舟」もやはり三角関係。
仲のいい姉と弟。姉がラブラブのガールフレンドを家に連れてくると弟も恋してしまう。弟は姉の隙を見てガールフレンド抱いてしまい結婚にいたる。そして私が生まれる。
それを知った私は父に反発しておばさんに心を寄せる。
「卒塔婆小町」は男性作家と女性編集者の究極の恋物語で三角関係ではないが情念は凄まじい。

女性同性愛と三角関係というのがこの作家の売りであろう。
身の周りにめったになさそうな恋愛事情を書いているのであるが、そういうことがあってもいいなと思わせる理想主義的な願いのようなものがある。
特に短篇の切れ味はみごとである。
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