天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

老人幼児協同立てこもり事件

2016-09-15 19:55:38 | 

荻原浩『ひまわり事件』(2009/文藝春秋)は、「老人幼児協同立てこもり」を最大の見せ場にした小説。
本書の帯は
「実行犯は、ジジババと幼稚園児?
隣接する有料老人ホーム「ひまわり荘」と「ひまわり幼稚園」。老人とガキどもの不思議な交流、やがて起こるカゲキな事件とは?」と謳う。
カゲキな事件が老人たちと幼児たちが共謀した立てこもり事件である。

ひまわり荘とひまわり幼稚園の間にはさえぎるフェンスがあるのだが荘と園との合体交流を謳う経営者が境界を取り除けて交流を目指す。
世間へ向けて人気取りの営業を仕掛けたのである。
が、老人ホームと幼稚園の双方で隠しておきたい金がらみの事例が明るみに出ることになり立てこもりに発展してしまう。

これ以上書くとネタバレになってしまう。
立てこもり物では1985年に宗田理が書いた『ぼくらの七日間戦争』がある。

 映画化された「ぼくらの七日間戦争」

ノリとしてはこれと同じだが荻原作品はまるで接点のなさそうな老人と幼児の協同というのが意表を突く。
『ぼくらの七日間戦争』では中学生の反抗であり反抗の意識が明白。
それに対して『ひまわり事件』では主人公は6歳の幼児4人とジジババ。幼児のほうは反抗の意識は脆弱でなりゆきでそうなってしまう。ジジババのほうも一人を除いて社会にもの申すなどという過激な人はいない。
荻原さんの作品はいつも過激でなくどこかゆるい。
それが持ち味であるが、肝心の立てこもりへ展開させるまでは、やや冗漫。

もしかしたら荻原さんは短編のほうが毒が効いて鮮やかなのかもしれない。長編は直木賞にノミネートされたもの以外はゆるみがありそう。
しかし視点は奇抜でありファンタジーに富んでいる。
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