口からおろおろ

穂村弘さんの『シンジケート』のなかに、きっちりと髪の毛を編み込みにした女性が
「カルピス飲むと口からおろおろした変なものが、口からでない？」
と言うくだりがあります。
きっちりとした編み込みと、「口からおろおろ」のギャップに感動し、主人公は恋に落ちてしまいます。

おろおろした変なものとは、「カルピス」に含まれるカゼインというたんぱく質と、唾液に含まれる成分が反応してできた白いかたまりです。
フィクションでも勘違いでもない、れっきとした化学反応です。
しかし、こういうことはふつう口に出して言わない。