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岩崎俊夫「地方自治体の行政評価と統計活動」『立教経済学研究』第61巻第2号【その1】

2016-10-12 10:25:58 | 社会統計学・社会科学方法論アーカイブズ

岩崎俊夫「地方自治体の行政評価と統計活動」『立教経済学研究』第61巻第2号,(『社会統計学の可能性』法律文化社,2010年,所収)【その1】

 筆者は執筆動機を3点にわたって説明している。第一は,筆者が研究分担者として参加した科研プロジェクト『地域経済活性化と統計の役割に関する研究』(2006-09年度)の成果の公開という義務による。成果の一部の筆者の関心にもとづく要約である。第二は,自治体の政策立案,行政評価における統計の活用の必要性が問われながら,この課題への現実的対応を点検する作業の緊急性という認識による。第三は,各都道府県,市で行われている経済活性化のための立案,評価に統計が具体的にどのように利用されているのかを明らかにした研究が少ないので,その空隙を埋める必要があるという判断による。

 *本論稿は筆者がメンバーのひとりとして参加したプロジェクトの聞き取り調査で得た情報にもとづいて執筆されたものである。調査先は具体的には,北海道,岩手県,宮城県,山形県,福島県,埼玉県,長野県,新潟県,香川県,青森県,群馬県,栃木県,茨城県,千葉県,岐阜県,福井県,静岡県,石川県,富山県,沖縄県の各道県庁である。市自治体では,札幌市,小樽市,青森市,盛岡市,北上市,八戸市,山形市,仙台市,前橋市,宇都宮市,水戸市,千葉市,さいたま市,福井市,金沢市,静岡市,長野市,新潟市,静岡市,三鷹市,高松市,那覇市である。詳細な報告書は『地方統計の利活用と活性化(2006~09年度調査の記録)』(研究代表/菊地進),2010年7月。

  第1節「自治体行政評価のフレームワーク」では行政評価の定義,総合計画の諸特徴(行政改革・評価の実際とその理論的基礎にある新公共経営の内容,計画策定プロセス),行政評価導入の契機と法的整備などについて要約がなされている。第2節「総合計画と政策評価システム」では三重県の総合計画と行政評価(事務事業評価),静岡県のそれ(棚卸評価)について,聞き取り調査の結果と資料をもとにした要約が与えられている。第3節「総合評価・行政改革と統計活動」では,自治体の行政改革のなかで統計業務がどのように展開され,統計がどのように利用されているかがまとめられ,今後の課題が展望されている。
 とくに三重県総合計画「県民しあわせプラン(2004-13年度)[第二次戦略計画]」,静岡県総合計画「魅力ある“しずおか”2010年戦略プラン-富国有徳,しずおかの挑戦」の紹介が詳しい。また三菱総合研究所が定期的に実施している自治体の行政評価に関するアンケートの結果が活用され,自治体行政における改革の当時の実態がよくわかる。(続く)

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