社会統計学論文ARCHIVES(人生という森の探索)

社会統計学に関する論文を要約し、紹介します。
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エイドリアン・ライン監督「フラッシュダンス(Flashdance)」(アメリカ、1983年)

2017-07-16 21:38:51 | 映画

      

 才能だけでは一流になれない。努力があればやって出来ないことはない。苦労は一杯ある。人間関係は、結構ややこしい。それでも人生の目標は持って、最後にはことをやり遂げたい。見終えて、そういう活力がもらえる映画である。

 ダンスを取り込んだアメリカの青春映画である。舞台はペンシルヴァニア州の工業都市ピッツバーグ。十八歳のアレックス(ジェニファー・ビールス)は昼には製鉄所の溶接工として、夜には酒場でダンスを踊って舞踏学校に入るためのお金をためている女性であった。田舎から出て来た彼女は倉庫を棲み家とし、グランドという名の犬と暮していた。彼女の夢はプロのダンサーになること。習ったことはないが音楽がなると自然に体が躍動する天性の素質が彼女にはあった。ハンナ(リリア・スカラ)という元クラシックのダンサーだった老女が側にいた。アレックスがまだ小さかった頃、彼女をクラシックに連れていってくれた人であった。

 アレックスは、製鋼所の上司ニック(マイケル・ヌーリー)と恋に落ちた。バレエ養成所への申し込みに行くが、経歴がなく自信を失い一度は願書提出を諦めたが、ハンナに励まされ、ニックの後押しもあってオーディションを受け、審査員の前で無我夢中に踊った。この間、それぞれに夢を持つ周りの人々との交際がリアルに描かれ面白い。フィギュア・スケートのオーディションで失敗した友人ジーニーが自暴自棄になっていかがわしい店で踊るのを辞めさせたこと。アレックスがハンナとバレエを見に行った夜、ニックが女性を車で送る姿を目撃し、怒った彼女がニックの邸の窓ガラスに石を投げつけたが、後日ニックと一緒にいた女性は離婚した妻だったと知りアレックスの怒りも収まり仲直りしたこと。さらに恋人ニックがオーディション前の書類審査で友人の芸術関係の人に手をまわしたと大喧嘩したこと。挿話がたくさん盛り込まれ、ドラマとしての見せ所は十分にある。アメリカの場末の酒場とそこに出入りする人達の様子は丁寧に、現実的に描かれている。

 何と言ってもラストシーンでの主役アレックスのオーディションの踊りが光る。しなやかに伸びた手足、躍動感にみちた肢体、はじけるようなリズム感、力強いステップとスピン、どれをとっても見ているものを昂奮させる。アレックスは最初、自信がなさそうで、ダンスにも失敗し再挑戦し、結果的に立ち直るのだが、このあたりの場面の盛り上げ方の演出は上手である。不熱心な姿勢がありありであった審査員たちは、彼女のダンスを審査しているなかでしだいに彼女のダンスに引き込まれていく。テンポは小気味よく、巧みである。主題歌のFlash Dance …What a Feeling は、第56回(1983年度)アカデミー賞音楽賞受賞。

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