社会統計学論文ARCHIVES(人生という森の探索)

社会統計学に関する論文を要約し、紹介します。
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ルキノ・ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」(イタリア/フランス、130分、1971年)

2016-11-08 00:48:58 | 映画

         
 この映画は10年ほど前に一度、観たがあまりよくわからなかった。今回、再度、観るとこの映画は、映像がすばらしいことがわかった。絵画のようである。抒情的な映画とでもいうべきであろうか。主人公になりきって、ゆっくり楽しめばよいような気がした。


 ストーリーはある意味で、単純である(原作は、トーマス・マン)。1911年のヴェニス(ヴェネチア)。主人公のグスタフ・アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は作曲家で、指揮者でもある。休暇をとり、ひとりこの水の都へきた彼はポーランド人の家族にふと目をやると、そこには母親(シルヴァーナ・マンガーノ)と三人の娘と家庭教師、そして、母親の隣りに座った一人の少年タジオ(ビョルン・アンデルセン)がいた。
 アッシェンバッハはこの美少年を見て、凍り付いた。美貌であり、なよやかな肢体。アシェンバッハの胸はうちふるえた。以来、アッシェンバッハの魂はタジオの虜になる。
 しかし、ヴェニスには悪い疫病が瀰漫しはじめていた。疫病はコレラであった。シェンバッハはそれでも、ヴェニスにとどまった。ただ、タジオの姿を追い求めて、さまようのだった。
 精神的な極度の疲労、肉体もコレラに冒され、浜辺の椅子にうずもれたアッシェンバッハの目にタジオの美しい肢体が映った。タジオの姿にアッシェンバッハの想いは、最後の輝きをはなつ。が、病に侵された彼は、遂に力尽き、死の道をたどることになる。

 途中、アッシェンバッハと友人との美をめぐる激論、妻とのたわむれ、娘の死などの過去のエピソードが挿入されている。激論の中身はよくわからないが、それがわからないとこの映画が理解できないわけではない。(その部分をメモをとりながら、ゆっくり見直す作業をそのうちしてみます。)

 「にがい米」のシルヴァーナ・マンガーノが出演しているが、あの映画のなかの官能的な肢体はそこにはなく、貴婦人然とした姿で映っている。映画を支えているのは、マーラーの交響曲(3番、5番)、主演のダーク・ボガートは彼にしかできない、抑えた演技で異彩を放っている。
 
 

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