森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「ラ・ラ・ランド」を見てきました。

2017-04-05 12:00:06 | 映画

 

映画がいろいろな事を教えてくれます。

「ラ・ラ・ランド」の意味の「la」はロサンデルス・ハリウッドを意味し、主にハリウッドをさす場合が多いらしいです。また次の「la」は陶酔しハイになる状態で、「land」は夢の国。

この「ラ・ラ・ランド」と言うのはこの映画の為の造語かと思ったら、そうではなくてかなり歴史もある俗語なんですね。 そのままハリウッドをさす場合もあるし、夢の国の住人になっている人をさす場合もあるようです。

一番最初にこの映画のタイトルを聞いた時は、ミュージカルだし「ららららんど」かと思ってた・・・・って話はどうでも良いですね ^^

 

最近胸がいっぱいになると言う感覚を覚えて、それが溢れると涙が出ると言う、泣き虫女でもちょっと余裕が出てきました。この映画も胸がいっぱいになるシーンがいっぱいでした。

そして涙が・・・・。

エンドロールが長いと助かります。サッサと涙を拭いて何事もなかったように・・・・と、また音楽を聴いて涙がジワーッと、またササッと拭いて何事も・・・・だけどまた・・・・って長いエンドロールでは、元の木阿弥…って話もどうでも良いですね ^^

だけど映画館から余韻を引きずりながら出てくると、後ろからやって来た青年たちがデカい声で

「最初は良いと思ったけれどさ、最後で台無しだよ。あそこは要らないな。」

ー 何言っちゃってくれるの。あそこが良いんじゃないのよ !!

と、思ったりもしたのですが、家に帰って、またあれやこれやと検索すると、最後の数分の場面は賛否で真っ二つ。

それはそれで良いのではないかと思います。人の感覚はそれぞれなんですから。

 

本当の事を言うとね、ちょっと吃驚はしたのです。

でも還ってそのシーンが深い余韻に繋がったんですね。だから私は「賛」の方の立場で書きますね。

 

「夢」「dream 」は、不思議な言語だと思うのです。目覚めてしまえば消えてしまう夢と、起きて思い描く儚いような願望を同じ言葉で表現するのですから。

夢を叶える。夢を掴む。それはどんなにか困難な道。ほとんどの人が、それは「夢」だったと諦めて、そして心の平安を得るのです。

夢の国のおとぎ話では終わらないから物語に深みが出たんだなと、私は感じました。

オープニングは、噂通りの素晴らしさでした。

私はどうしても、一番後ろの方の顔も識別できないのに一生懸命に跳ねている人に目が行ってしまいます。

「ラ・ラ・ランド」はそんな人たちが、この先頭に出てくる話だなとも思えるからです。

 

 ←この人たち、オーデションに受かって嬉しかっただろうな。

 

物語に寄り添えなくても、音楽や衣装やダンスを堪能できるのがミュージカルの良い所ですよね。

衣装は色鮮やか素敵でした。 以下はネタバレしています。

ミアとセブの恋は一生に一度のような恋だったかもしれないけれど 、数か月の恋。

一緒に暮らした歳月はどんなに短くても、密度の濃いものだったかもしれません。

何度もオーデションを落ちるミアに、シナリオを書けとセブは勧めます。そしてミアは一人芝居にチャレンジすることになるのです。

昔のバンド仲間のキースの誘いを最初は見向きもしなかったセブが、けっきょくは彼らとつるむ事になったのは、ミアの実家に電話する内容を聞いていてだったのでした。

「いつか自分のお店を持つ人なのよ。」

 

それを聞いていて、たぶんそれまでのセブは夢だけで具体的な一歩なども踏み出してなかったのかも知れません。

だからキースのバンドの方向性が自分とは違っていても、それを受け入れたのだと思います。

この時のキースの説得には、納得のいくものがありました。

どんなに素晴らしい伝統でも、古きに拘って新しい人たちに伝え指示されなければ、それは滅びの道を一直線に進むだけなんですよね。

 

キースのバンドのライブシーン。もう本当に胸がいっぱいになりました。

キースの歌は上手いし(この人は、ジョン・レジェンドと言うシンガー)、音楽も素敵だと思いました。舞台の演出も、実は全く嫌いではありません。観客もノリノリで、セブもノリノリ。

だけどそれを見ていたミアの気持ちは凄く複雑だったと思います。見ている私たちと同じように。

 

その日たまたま、私は友人と、好きな事と仕事に選べる人は稀であると言う話をしていたばかりです。

傍から見れば、成功したように見えるセブの仕事。でも本当は、彼は自分の中の何かを捨てたのです。その何かは、彼の「夢の欠片」だったかもしれません。

だからそこはミアには口にして欲しくなかったです。だって辛すぎるから。

セブのバンドが上手くいき、二人の生活はすれ違いばっかりになってしまいました。

 

サプライズで戻ってきたセブは、とうとうもっと一緒にいたいからツアーについて来てなどと言ってしまいます。

もうすぐひとり芝居の本番だと言うのに。

これは二人の恋が上手くいくか否かって話じゃないんですよね。

ミアはそれまできっと我慢して言わなかった事を言ってしまいます。

あの音楽をあなたは好きなのか・・・って。

あなたの夢はどうしたのかって。

仲たがいして出て行ってしまうミア。

その時は、すごい剣幕で言い返したセブでしたが、(確かにその道を選ぶのも一つの選択だと思うのです。)

写真撮影の時、その演奏の時の表情などを写真家に作られて、流石にセブは感じたものがあったのかも知れません。

けっきょくひとり芝居には間に合わなかったわけですが、ミアのひとり芝居は散々な結果になりました。

観客はまばらだし、通路から聞こえてきた批評は「大根」と言う酷評ばかりだったからです。

傷ついて実家に帰ってしまうミア。だけどセブの元に配役のなんちゃらから、一人芝居が気に入ったからオーデションに来いと連絡が入ります。

セブは以前ミアの話から推理して、彼女の実家にたどり着き彼女を説得するのです。

このシーン、私、ちょっと心がざわつきました。たぶんうちの旦那じゃ無理だったわ。いやいや、世の旦那族、無理な人が多いわあって思いました。だって、聞いてないもん、奥さんの話・・・って、お宅の旦那さんは違いますね^^;

 

「ダメだった。失敗した。」そう思っても、実は次の大事な布石だったと言う事はその大小はあっても、実は実際にある事なんですよ。ある程度の人生の経験値が高い方には、その経験のある方はたくさんいらっしゃると思います。

 

オーデションについて行ったセブと二人で天文台の見える想い出の丘の上に行きます。

この時点ではオーデションの結果は分かりません。でも手ごたえがあったのです。

セブは言います。受かったら、それに専念しなくてはいけない。

僕はこの街にいると。つまりツアーには行かないで、この街で再び夢を追いかけると言ったのですよね。そしてミアには掴んだ夢を放してはいけないと言ったのだと思います。

「愛してる。」

ふたりは言い合いますが、このシーンはある意味、別れのシーンだったのだと思います。

 

だけどその後に「5年後の冬」が描かれました。

ふたりはそれぞれの夢を叶えました。だけどミアは他の人と結婚し子供までいました。ある日偶然に立ち寄ったジャズの店。そこには昔自分が作ったお店のロゴが看板としてかかっていました。それまでミアはセブのその後を知らなかったのです。

お店にミアがやって来たことを知ったセブは二人の想い出の曲を弾きます。

その時走馬灯のように、二人の別の生きたかもしれない人生が描かれるのです。それは、あの時この時と二つの道の上手くいった方ばかりの道。セブの音楽は認められて、横道もそれずに自分の道を歩く道。ミアのひとり芝居は満席で評価も高く、オーデションも上手くいき、ふたりでパリに行き、そして二人は結婚して可愛い子供も二人の子供・・・・・・。

夢は目覚めれば覚めてしまいます。音楽が止めば、誰にも入り込むことが出来ない二人の世界も幕を閉じてしまいました。

もう一つの「ラ・ラ・ランド」の世界が、この「5年後の冬」にあったんじゃないのかと、私は感じました。

だから胸に迫るものがあったのです。

 

お店から立ち去るドアの所でミアは振り向いて、セブと見つめ合います。言葉はなくても二人は頷き合って・・・・。

数か月の恋人だったミアとセブ。

ふたりはきっと「ラ・ラ・ランド」でお互いを高め合い、お互いの夢を叶えるための戦友だったのに違いないと、私は思ったのでした。

 



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