森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞に想う

2017-10-07 16:15:15 | 梢は歌う(日記)

今から書く数行は、クスリと笑っていただきたい私の小学生時代の思い出です。

ある時、ノーベル賞なるものが文学によっても得る事が出来ると知って、自分の秘密の将来の夢に「ノーベル賞を取る事」が入っていたことがありました。それは相当の夜見る夢と同じくらいの妄想だとすぐに気が付いて、消えて行った夢でもありました。(笑っていいです。10歳程度の子供の夢ですからね。)

 

ノーベル文学賞を取ったイシグロ氏は1954年生まれ。

私よりもほんの数年しか年上ではないのです。私が中学一年だった時には彼は・・・・。

私が高校生の時には彼は・・・・。

とにかくほんの年上の上級生だったのです。

 

この人は何を言っているのだろうと思われるかもしれません。

何事も才能がものを言うのだよとかいうのも、この気持ちには関係がありません。

常に見上げていた世界は、とうとう我らの時代のモノになったのだと言うような気持ちでしょうか。

(もちろん、他の年の文学賞受賞者の中にも1950年代生まれの方は1・2名はいらっしゃいますが。)

 

または、場所は違うと言えども同じ時代を生きて来た人の文学に感銘すると言った感情かも知れません。

私はイシグロ氏の事はドラマ「私を離さないで」の感想を書いた時に知りました。

この時に、私はこの方は日本で生まれたイギリス育ちのイギリス人なのだと思いました。

日本にもたくさんいらっしゃいますよね。肌の色は違うけれど、日本語しか話せない日本育ちの日本人。その人たちの事を一度たりとも、本当はアメリカ人とか思った事はありませんから。

だから「私を離さないで」の作者である彼がノーベル賞を取ったと聞いたとき、個人的には素敵な事だなと思いつつ、まるで日本人三人目の快挙のような報道には違和感を感じたのです。

 

だけどテレビの街中インタビューで、ある方が
「同じ日本人の血が流れている方の受賞を嬉しく思います。(のような発言)」と言ったのを聞いて、なるほど~と思いました。

「日本人の血」。

それはそれは大事な事ですよね。

でもだからこそちょっとだけ思ってしまいました。

だったらね、彼がイギリスでの最高の文学賞のブッカー賞を取った時にも騒いじゃれよってね。

 

またこのようなインタビュー記事を読むと、彼の中の日本人の血と言うものを深く感じる事が出来て、深い作品を書く彼の受賞がさらに嬉しく感じるかもしれません。→5歳のときから凍結した日本語

 

「私を離さないで」のドラマの感想は→こちらです。

自分の感想を読んで、又しみじみと思いだす事もありました。

 

今は品薄だそうです。「日の名残り」を図書館で申し込んでみましたが40人待ち。うちの方は田舎なんで助かります。100人超えていたと言うツイートを目撃しましたから。

今は2週間で読む自信がないから、1年、待つとします。

でも今スグ読むと言うのも、「時代」を感じると言う意味で良いかもしれませんね。Kindle版ならすぐに読めますよ。

 

 

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
土屋政雄
早川書房

 

・・・・・・・

日の名残り (ハヤカワepi文庫)
Kazuo Ishiguro,土屋 政雄
早川

 

 

・・・・・

忘れられた巨人
Kazuo Ishiguro,土屋 政雄
早川書房

 

・・・・

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