森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛

2008-05-25 09:51:38 | 映画

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 - goo 映画

 

  本編が始まる直前、ディズニーで作られた映画なのでシンボルのお城に花火が上がる。さあいよいよ始まるんだな思いながら、ふと「ディズニー」の世界はやはり夢の世界なんだと想いが飛んだ。それは映画のことではなく、ディズニーリゾートのことを思ったのだが、そこで働く人々は皆ニコニコ微笑んで、来る者を迎えている。働く者にも訪れる者にも、本当はあまたの日々の重荷があったとしても、迎える者は隠し訪れる者は忘れ、そのひと時は微笑みあうのである。それを「夢」と呼ばずになんと言うのだろう。 これは瞬きする間の思考の横道。 

 

 ファンタジーの幕が開くと場面は出産のシーンで、男の子が誕生する。それは叔父ミラースの子供だった。男子誕生ゆえにドラマは動き出し、カスピアン王子は命からがら城を脱出するのだった。

背後の城の上空に、男子誕生の祝いの花火が上がっている。その中を追っ手から逃れる為に暗い平原から森に向かって馬を走らせていく王子。このオープニングから物語にぐいぐいと引き込まれていってしまう。

 

 本当に危なくなった時に吹けといわれた角笛を、カスピアン王子が吹くことによって、滅んでしまったといわれていたが、ひっそりと隠れ暮らしていたナルニアの民、ロンドンに戻っていたぺペンシー四兄妹(ナルニアの王と女王)が再び集う事になる。

 

 その戦いの迫力と物語の練りこみさは、前作と比較したら数倍以上ではないだろうか。

「前作と比較」と言う言葉を出してしまったので、感じた点をいくつか触れてみる。

 

 前作の「ライオンと魔女」を見たとき、主人公達は無名の子供たちだった。それゆえに質の高い児童文学の映画化という枠から抜け出せていなく、また、前後に公開されているほかのファンタジー映画と比較しても地味だったように感じた。それでは、長いこの物語の映画化を維持できないと反省したのか、今度は王子としての気品と美しさを備えるベン・バーンズを、「カスピアン王子の・・」と言うタイトルにあわせ、ヒーローとして前面に打ち出しているように思われた。ポスターや公式サイト等での扱い方などを見ていると、まさにそれを感じてしまうのは、たぶん私だけではないと思う。

 

 だが物語はカスピアン王子が一人独走と言うわけではない。ぺペンシーの子供たちと彼、要するにナルニアの王たちの物語として見応え充分である。私としては成長著しい次男エドマンドに今後の期待も大きい。

 

 前作の感想の中で、「小さな子供とでも安心してみる事が出来る。」というような内容のことを書いたのだが、今回はそれは書けないだろうと思うところもある。

人間でない者どおしの戦いと違って、今回はナルニアの民vs人間達との戦いである。迫力ある戦いも単純な勧善懲悪の心では見ることは出来ない。

 

 だからと言って、大人の戦士、勇者が戦うのでもなく、先生と言う庇護者がいるのでもなく、子供が王と言うナルニアは冒険少年、夢見る少女達の映画である。それは、実年齢とはあまり関係がない。

 そのためか館内は、実年齢がかつて少年、少女であった人たちで満たされていたように思う。実年齢が少年、少女である人たちは、ほとんど同時刻に上映されている日本語吹き替え版の方に流れているのかも知れない。

そういえば、我が家もだいぶ大昔に少女だったかもしれないと言う、義母を伴っていったのだが、彼女は非常に喜んで、見た直後に以下の感想を述べた。

「単純なファンタジーだけれど、面白かったよね~。
 でも、これは子供に理解できるのかしら。難しくなあい?
 残酷なシーンもあったわよね。ドキドキしちゃったわ。
 あのライオンとかネズミとかはどうやって作っているのかしら。凄いわよね。ライオンの顔が優しいよね。ネズミ(リーピチープ)が可愛かったわ~。見応えがあって、映画を見たという気になったわ。でも長くてトイレに行きたくなっちゃったわ。」

もちろん、合間合間に私も相槌を打っているのだが、今思うと的を得た感想だと思う。この記事に義母の感想だけ書いとけば、スッキリして読みやすかったかもしれないなんて、ふと思う。でも、それでは癪なので最後は私の感想で閉める事にする。

  物語が終わって、ぺペンシー四兄妹が元いた場所に立っている。私は、
「ああ、切ないなあ。」と呟いてしまった。エンドロールでも話しかけることを嫌う小うるさい息子が、その呟きに「何?」と小声で返してきた。なので、どうでもいい事だったが明るくなってから私は言った。

「誰かの気持ちを思って(本当は名前を挙げて)、言ったんじゃないのよ。だって、あれだけの大冒険をしたというのに、何事もなかったようにそこに立っているのって、なんていうか・・ねっ。君には分からないかもね。」
「いや、分かるよ、それ。」と彼は言った。

 

 血沸き立つ思い、逸る心揺れる心、骨まで伝わる痛み、それらを五感の全ては覚えているだろう。だけど、何もなかったかのように現実の次の時が刻まれだす。
夢と現を往復する物語は、実は実に切ないものがある。

 

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Unknown (ホーギー)
2008-05-25 12:13:31
はじめまして、ホーギーです。
この度は私の拙いブログへのコメント&TBを
頂きまして、どうもありがとうございました。
私もYANさんにはいつもお世話になっています。
仰るとおり、戦いの迫力と物語の練りこみさは、前作の数倍以上だと私も思いました。
中でもぺペンシー4人兄妹の成長ぶりと活躍が
とてもよく描かれていましたね。
ところで、プロフィールで「創作文も書いてます」との記載があるとおり、kiriy さんの
文章は、とてもお上手で素晴らしいですね。
勉強させて頂きたく思います。
ということで、これからも、どうぞよろしくお願いします。
なお、私もTBお願いしますね。
ホーギー様 (kiriy)
2008-05-26 10:27:22
おはようございます。
こちらにもコメント&TBありがとうございました。
この第二章で、一気に次回作が楽しみになりました。次回は2011年でしたかしら。ちょっと空いてしまうので、子供たちはどんな風に成長するのかも楽しみですね。

ええと、それからお褒めに預かって嬉しいです。でも、あまり喜ばせないでくださいね。木に登ってしまいますから


これからもよろしくお願いいたします。
こんにちは♪ (ミチ)
2008-05-27 09:14:34
お義母様と息子さんとご一緒の鑑賞だったんですね~。
第一章はあまり際立った魅力の無い子供たちがメインで、しかも物語の世界観を説明するのにかなり時間を割いてしまったので、映画としてはあまりノレないものがありました。
数年たって子供たちも成長し、またイケメンの投入もあり、物語の設定も了解されている中での第二章は初っ端からとても魅力があったと思います。
テルマール人である王子が敵方ナルニアに味方していることをかなり複雑な思いで見つめていました。
ちょっとオーラ不足の王子ですが、あの国を平和に治めてくれることを願ってます。
ミチ様 (kiriy)
2008-05-28 08:21:32
おはようございます。
影すらないのですが、実は夫も行きました(笑)
第一章は映画館で見たいと思いながら、見逃してしまいDVDで見ました。でも、その時DVDで良かったなと正直思ってしまいました。地味な感じがしましたよね。それと子供向きかなと。それなのに、その時一緒に見ていた夫はかなり楽しんでいたので、影響されて楽しめました。私の友人なども、「もの凄く面白いよね。」と言っていましたので、おじさん、おばさん&子供にとって目を反らすシーンがない良質な映画だったかもしれませんね。

でも、二章は面白さ数倍でも、複雑さもアップしてしまったように思いました。
>テルマール人である王子が敵方ナルニアに味方していることをかなり複雑な思いで見つめていました。
同じように思いました。また夢の世界の中でも彼らに人を殺すと言う経験をさせていいものなのかと、そんな疑問も湧きました。
でも、彼らの現実の世界も戦時下、もしくは直後だったと言う事を考えると、またも複雑。感想には書きませんでしたが、宗教的なご都合主義的な部分も感じました。考え出すと、なかなか奥深いのかも知れませんね。

だけどそこはソフトに蓋をして、単純にファンタジーを楽しんできました。
次回作も楽しみです。エドマンドの変化も怖いような気もしますが、楽しみです

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