映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

愛する映画の舞台を巡る旅Ⅰ ~ワルシャワ(ポーランド)~その②

2017-10-09 | 旅行記(海外)
**シュピルマンが生き、愛した街** vol.2
 




その①につづき

 さて、今回の旅で、是非行きたかった所、、、それは、「ワルシャワ蜂起博物館」でありました。どうしてワルシャワ蜂起博物館だったか……と言いますと。

 今回の旅、もとはといえば、ポーランドをじっくり1週間かけて『戦場のピアニスト』ゆかりの地を巡ろうかと考えていたのだけど、考えていると、あっちも行きたい、こっちも行きたい、と行きたいところが一杯出て来て、ワルシャワも結局は正味1.5日しかないということに、、、。

 映画を見てからポーランドについてイロイロと見聞きしたのですが、知れば知るほど、いかに私は何も知らずに映画を見ていたのかを思い知り、“この映画が好きだ!”と言うからには、その映画に描かれている背景もある程度知っておいて然るべきだろう、むしろ、知らない方がおかしいだろう、と思ったわけです。

 とはいえ、ワルシャワには第二次大戦にまつわる博物館が複数あり、ほかにもユダヤ人博物館等があるけれど、映画でも中盤以降、エイドリアン・ブロディ演ずるシュピルマンが決定的に追い詰められる契機となったワルシャワ蜂起について、どうしても知りたいという思いがあり、このワルシャワ蜂起博物館を選びました。

 さあ、今日も歩くぞ~、と気合いを入れて起きたら、何と大雨! え゛、、、アタシ、晴れ女だったはずなんですけど、、、。

 天気が良ければ、宿から博物館まで歩いて30分~40分と思われたので、歩いて行きたかったのだけど、外へ出たら風も強い。こりゃあかん、、、と、地下鉄に乗りました。

  

地下鉄の駅とってもキレイ! 車両もキレイ!!


 最寄りのRond Daszyńskiego(ロンド ダシェニスキエゴ)駅に到着し、地図を片手に地上に出るも、ものすごい雨と風。……というか、雨は普通なんだけど、風が強くて、地図もまともに見られない。で、通りすがりのおばさんに聞いたら、「あっち!」と教えてくれて、交差点を渡って歩き出したんだけど、それらしい建物が見えない!! 

 ……結局、3人のお方に尋ね、3人ともすごく親切に地図を見ながらそれぞれに違う方向を指し、、、。、最終的に宿のすぐそばに建っている“文化科学宮殿”が遠くからでも目印になってくれたおかげで、どうにか辿り着きました。最初に教えてくれたおばさんが正しかった!! ごめんね、おばさん、信用しなくて、、、。


風雨のおかげで外観の写真を撮る余裕もなく、画像は公式サイトからお借りしました


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 チケット売り場で入場券を購入し(18ズロチだから540円くらい?)、ようやく中へ、、、。結構混んでいる、、、。でも、めげずに、日本語の音声ガイドを借りられると事前にチェックしていたので、売店の方へ。そこで、“Japanese”と言えば、日本語用のガイドを出してくれました。この料金、覚えていないんですけど、そんなに高くないです、もちろん。

 この博物館は、2004年オープンということで、まだ新しい。この場所は、元々、発電所だったのを改装したらしく、中はかなり広い。
  
 入ってみると、すぐに砲弾の音やら地響きの音、軍靴の音などが聞こえてきて、当時のポーランドの地勢を示す地図などが展示されています。小さな覗き窓のような所から覗いてみると、当時の街の光景等が見られるようになっています。

 でもって、この日本語音声ガイドが、めちゃめちゃ詳しくて、1つの解説が異常に長い!! これ、全部聞いていたら1日じゃ足りないわ、、、と思うくらいに、長い。しかも、流ちょうな日本語なんだけれども、ちょっと日本語の言い回しとしては??な部分もあり、話している人は日本人男性だと思うのだけど、不思議な感じでした。そして、まあ、こういう場所のガイドなので当然かもしれないけど、声のトーンが全体に暗く、聞いているだけでものすごく辛くなってくるのでした、、、。

 展示品も膨大。実際に使われた武器や乗り物(飛行機も)、軍服等や、破壊し尽くされた街並みを再現したジオラマ、、、等々、。


実際に使用された軍服



ワルシャワのシンボル、右手に剣、左手に盾を持った人魚


 地下組織がビラなどを印刷していた印刷所を復元した展示もありました。映画内でもシュピルマンが印刷所を兼ねた家族を訪ねるシーンがあったなぁ、と思い出し……。まだワルシャワ蜂起の大分前の話ですけどね。

 その小さな印刷所で刷っていたのはユダヤ人に決起を呼び掛けるビラだったと思うけど、「これ(ビラ)をトイレに置くんだ」と言って、地下運動家がシュピルマンにビラを見せていました。その家の小さな子たちも印刷を手伝っていたんですよね、、、。後のゲットー掃討で、この子たちもろとも一家皆殺しにされ、遺体が無残に放置されている所へ、収容所送りを逃れたシュピルマンが訪ねてきて衝撃を受けるシーンは忘れられません、、、。


地下組織の印刷所の再現


 あと、驚いたのが、かなり悲惨な画像がたくさん展示されていたことです。これは、子どもが見られないような配慮がされており、大人の背丈がないとのぞき込めない作りになっていたけど、、、、。

 こういう状況が街中で実際にあったのだから、エグいだの、グロいだの、そんな形容詞は軽過ぎる。


画像・映像の展示が充実していた


 割と序盤で、これは全部丁寧に見ていたら最後まで見られない、、、と悟り、これは!と思うものだけに集中しようと決めました。3D映像や、生存者とまるで電話で話しているような感覚になれる展示等、実に多彩なアプローチだったけれど、そこはスルー。それでもかなりの時間が掛かりましたが、、、。

 途中、館内に小さなカフェがあり、歩き回って疲れ果てたので、オレンジジュースを飲みました。その場で絞ってくれるの。すごい美味しかった!


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 見学再開。 

 展示は、ワルシャワ蜂起が始まった1日目から、順に日めくりカレンダーが壁に掛けられており、見学者はそれを自由に取って良いようになっています。私も、31日目まで集めたんだけど、根負けしてしまった、、、。

 しかし、日めくりの数字が大きくなるに従って、状況が悲惨になるのが分かる様になっており、だんだん見ている方の感覚も麻痺してくるというか、、、。

 そして、ありました。シュピルマンの展示。彼が隠れ家から見ていたであろうワルシャワの光景が再現された展示でした。音声ガイドでも、当然、映画の紹介がされていました。



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 ……なんというか、広島の原爆資料館を訪れたときと、同じ感覚になりました。あまりにも悲惨な状況で、これが現実に起きたことなんだろうか、という感覚と、実にリアルに迫ってくる恐怖感、の矛盾する2つの感覚。

 感想なんて、おいそれと言葉に出来ない。これは、この感覚を大事に覚えておこう、、、。そう思いました。

 ワルシャワ市民にとって、8月1日の17:00は、いまでも特別な時なのだそうです。恐らく、広島にとっての8月6日の8:15や、長崎にとっての8月9日の11:02と同じなのではないかと、、、。8月1日の17:00に、ワルシャワ市民はドイツ軍に対し、蜂起したのです。今も、その日、その時刻になるとサイレンが鳴り響くのだとか。


軍用機の展示も、、、

 ワルシャワ蜂起について、まだまだ知らないことだらけではあるけれども、それが起きた現地に行き、再生された街並みを見て、映画の中でシュピルマンが生きるためにひたすら逃げ、隠れたあの終盤の描写が、私には非常に説得力を持つものになりました。


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 曰く言いがたい、重苦しい気持ちになって博物館を出たら、外は何と、晴れ!! 快晴!! 風は相変わらず強いけれど、なんと爽やかな! 少しホッとなりました。

 さて、ここから、今度は、旧市街の王宮前広場の方に行こうということになり、歩くにはちょっと距離があるのでトラムに乗ることに。……と、テレテレ歩いていたら、まさにトラムが目の前にやって来た!! 

 というわけで、トラムの写真を撮りたかったのに撮りそびれました。……がーん、、、。黄色と赤がベースの可愛い車両だったのです。


可愛いトラム(画像は公式サイトからお借りしました)


 ……でもね、、、またこれも、王宮前広場に着く前に、途中で強制的に降ろされちゃいました。乗り換えが必要な車両だったみたい。がーん、、、

 王宮前広場、辿り着けるのかしらん?? 




その③につづく

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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悲しみの痕跡 (松たけ子)
2017-10-11 19:49:40
すねこすりさん、こんばんは!お久です(^^♪
待望のワルシャワ旅行記の続き、今回も興味深く拝読。
博物館、内容が重くて悲しい~…なので、外に出たら晴れてててホっとされた気分、すごい分かります!最近、広島の原爆記念館が外国人にすごい人気なのですが、蜂起博物館も観光客が多かったのですね。日本人もたくさん訪れるみたいでしょうか?
あ~私もまた旅に出たくなってきました。遠くへ行きたい~♪
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嗚呼、ワルシャワ。 (すねこすり)
2017-10-12 20:32:10
たけ子さん、こんばんは!
あんまり目を酷使しないでくださいね…。
日本語の音声ガイドはあるけれど、日本人が大勢ってことはない感じでした。
どこへ行ってもいたのがちうごくのお方々です
たけ子さんも回復されたら、是非また旅されてください! あ、でもその前にミャンマー旅行記完結させて!!
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