映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

人質(1999年)

2017-02-13 | 【ひ】



 以下、allcinemaよりあらすじのコピペです

=====ここから。

 異常犯罪者が地中に埋めた人質を解放するため、女性警官が必死の説得交渉を行うサスペンス・スリラー。

 突如ニューヨークで誘拐事件が発生。しかも、通常の誘拐とは異なり、人質は犯人だけが知っている場所で生き埋めにされていることが判明する。酸素は24時間しかもたない。警察の捜査をあざけるように、犯人は一人の女性警官を指名する。彼女は人質を救うべく捜索を開始するが、冷酷な犯人に翻弄される。

====コピペ終わり。

 原題は、“OXYGEN”=酸素。ん~~、原題もイマイチかなぁ。主役は、人質の女性ではありません、念のため。
 
 
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 ブロディ出演作をぼちぼち見て行こうと思って、過日『ミッドナイト・イン・パリ』を見たんだけれど、ブロディの出番はほんの3分くらい(マジでダリそっくり!!)で、しかも映画自体も、なんだかなぁ、、、な内容で、感想を書く気にならないといいますか、、、。ウディ・アレン監督作で、面白くなくはなかったんですが、正直なところ「だから何だ?」的な感じでして。……まあ、また書く気になったら書くことにします。

 というわけで、ブロディ20代の頃の本作を見ました。巷じゃ(というより、本作を見た数少ない方々の間では)『羊たちの沈黙』のパクリと言われているようですが、そ~かなぁ、、、。まあ、「サイコパスVS女刑事」という図式は同じですが、テイストはゼンゼン別物だと思いました、私は。


◆犬を連れていると心に隙が生じる。

 ブロディは、前述のあらすじでいうところの“異常犯罪者”を演じております。一応、役名は、ハリーと付けられていますけれども、これが彼の本当の名前かどうかは不明。

 ある金持ち(著名な古美術品収集家クラーク)の奥さんフランシスを誘拐し、下着姿にして棺桶みたいな箱に入れて、どこかの森の地中に埋める、という荒っぽい手法。身代金をのこのこ受け取りに来るわ、あっさり捕まるわ、、、で、この犯人は一体何がしたいわけ? と、見ている者は皆思う。

 彼は、自分でも「人が恐怖に怯えているところを見るのが好き」と言っていて、この犯罪もその一環なんでしょうなぁ。人を傷付けるのが趣味なんです。でもって、警察が自分に翻弄されている姿を見るのも好きなんですね。自分の万能感を味わいたいんですかね。

 この、訳の分からない役を、ブロディは、非常にナチュラルに演じていて、この人マジでヤバくないか? と思わせる。一見、普通の兄ちゃんなのに、、、ってところがコワい。

 生き埋めにされた女性も、最初は、ブロディ演ずるハリーの笑顔にすっかり騙されちゃう。私も騙されるなぁ、あんな笑顔で犬の散歩中に話し掛けられたら。犬といると、何か安心感があるのですよね。チワワみたいなちっちゃい犬じゃ感じられないかも知れませんが、柴犬くらいでも結構、頼りになる気がしてしまう。そういう、心に隙があるところに、あの一見爽やかな笑顔。ううむ、この状況なら、簡単に拉致されても仕方ないかも。

 まあ、でも、警察にあっさり捕まるところまで、ハリーは計算していたのです。あとは、警察との心理戦、、、。この後どーなるの? という好奇心だけは途切れさせることなく展開してくれます。


◆マヌケ過ぎる警察、、、唖然。

 ハリーの相手をすることになる女性警察官マデリン(モーラ・ティアニー)は、かなり頑張っています。上司で足が不自由な(?)夫がいながら、SMプレイ(つーか不倫?)相手もいるマデリン。さすが警察官、ゴツいです。ハリーに「あんた、警察官の割に、美人だな」とか言われていますが、確かに、キレイと言えばキレイですが、ゴツいんです。

 取り調べ中、ハリーは、マデリンの目の前で、ルパン3世もビックリな手錠抜けをやります。机の下に両手を下ろしているほんの数分の間に、歯の矯正ブラケットの針金をこっそり外すと、その針金を使って、開錠してしまうのです。その瞬間、マデリンが拳銃を向け、隣室で監視していた警察官たちがなだれ込んできて事なきを得ますが、ハリーの異常さがどんどん剥き出しになってきます。……で、このシーンは重要な伏線になります。

 ハリーは、人質をどこに埋めたか、なかなか口を割らないんだけど、監視を完全に排除してマデリンと2人きりになれたら全部話す、と警察を揺さぶる。マデリンは重装備し、ハリーは手錠だけでなく、足に鎖を掛けられ床に固定された状態になって、監視を排除し、机を挟んでマデリンと2人きりになって向き合う、、、。

 ……で、もうお分かりですね。そーです、ハリーは、見事手錠抜けしてマデリンを組み伏せ、取調室の換気口からマデリンを連れて脱出する、というわけ。

 でもさあ、ここまでの描写が、さすがに「そらねぇだろう、、、」的なツッコミどころが多過ぎで、ちょっと白けちゃいました、私。

 大体、2人きりになった直後から、ハリーは机の下に両手を下ろした格好になるんだけど、普通だったら、その前のこと(前述の伏線と書いたシーン)があるんだから、マデリンがいくらアホでも気付くでしょうって。

 それに、手錠抜けはできたとしても、足の鎖はどーやって抜けたのでしょう? 意味深に背後にペンキが置かれていて、ハリーの靴にペンキの飛沫が掛かっている描写がありましたが、だから何?? それと、足の鎖抜けはどーゆー関係が?? 靴を脱いだとでも言いたいのでしょーか?

 おまけに、マデリンみたいなゴツい体の女を抱えて、細身のハリーが天井の換気口を抜ける、、、そら不可能でしょう、って。マデリンを縛って、上から引き上げる、という方法も考えられなくはないけど、あれは重いぞ、、、。引き上げるのは並大抵ではない。

 ……とか、マジメに考えるのもアホらしいのですが、まあ、とにかく、ちょっとばかし大味すぎる展開に唖然となります、、、ごーん、、、。

 最終的にハリーは自滅するんですけど、肝心の人質の女性はどーなったか? 生きていたのですよ、これが。掘り起こしたときには死んだようになっていたのですが、ハリーがちょっと隙を見せた途端に、ゾンビよろしく猛然とハリーの背後から襲い掛かり、あっという間に形勢逆転、最後はマデリンに撃たれるわけ。

 とりあえずは、正義が勝って、めでたしめでたし、、、というラスト。


◆こじんまりと異常さを描く。

 ストーリーをこき下ろしてきましたが、でも、本作は結構面白いです。なぜなら、ハリーがめちゃくちゃ憎ったらしくて、しかもキモいのです。キモいってのは、異常犯罪者の“怖キモ”ではなく、“優キモ”です。優男の優。一見、良さそうな人だけど、ちょっとキモい。ブロディは、一応ハンサム(と最近の私の目には見える)ですが、 ああいう顔でも、キモ男に見事になりきることができるのか、、、と感動してしまいました。

 マデリンを挑発するときに見せる、両手を口に当てて「やだぁ」みたいなポーズを取るわざとらしいバカっぽさ。その中に、一瞬垣間見せる異常な怖さ。

 『羊たちの沈黙』のハンニバルとは、そもそもスケールが違います。あそこまでのキャラを、ハリーはそもそも狙っていないのでは? ハンニバルは、万能感を見せつけたいというキャラじゃなくて、もともと超凶暴で、ある意味、無敵。既にラスボス。別に、小細工を弄して万能感を他者に見せつける必要なんかないんです。でもハリーは、存在が小物。異常犯罪者という共通項はあっても、異常度が違い過ぎ。多分、本作の制作陣も、『羊たちの沈黙』の構図は借りたけれども、スケールではもっとチマチマした半径数メートルの世界を描きたかったんじゃないのかな。

 裏を返せば、ハンニバルなんていうモンスターキャラを登場させなくても、こういう小さな世界でも、十分にゾッとする異常さを描ける、ということです。

 ブロディは、この役、楽しかったんじゃないですかねぇ。存分に楽しんでいるように見えました。まあ、確かに、こんなキャラ、現実ではなりたくてもなかなかなれませんからねぇ。フィクションの世界であるからこそ、別人格になりきることが出来る、というのは、ちょっとだけ分かる気がします。『ミッドナイト・イン・パリ』のダリも、ブロディは楽しそうに演じていました。彼は、天性の俳優なのだなぁ、、、と本作を見て強く感じました。

 彼は、オスカー受賞後も地味な作品にたくさん出ていますけれど、きっと、こういうインディーズ系の作品が、彼の俳優としての根っこなんでしょう。まあ、作品に恵まれない、という部分もあるかも知れませんが、彼自身が地味な作品も好んで選んでいる側面もかなり大きいと思われます。ある意味、どんな役でも見事に演じ切ってしまうからこそ、メジャー俳優だけじゃ物足りなさを感じるのかも知れません。

 ……とはいえ、ブロディ自身ももっとメジャーな作品での露出は望んでいるでしょうから、そちらの方でも作品・機会に恵まれるといいなぁと思います。起用する側から見れば、あのルックスとあの個性ですから、逆に難しいという気はしますけど。

 まあ、とにかく、本作は、ブロディを鑑賞するための映画と言っても良いでしょう。あとの人たちは、人質役のライラ・ロビンズ以外、失礼ながら、ほとんど印象に残りません。






オネエっぽいブロディも見られます。




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