映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

NHK・ドラマ10「お母さん、娘をやめていいですか?」(全8回)を見終えて ~その①~

2017-03-08 | 番外編
 今年のNHKドラマ10は、「お母さん、娘をやめていいですか?」という、なかなかインパクトあるタイトルのドラマでスタート。開始直前、年明けの番宣で知って、これはイヤでも見てしまうなぁ、、、と思って、実際、毎回欠かさず見た次第。

 映画以外のことはほとんど書いていないブログですが、このドラマについては、ちょっと他人事とは思えないものがありまして、、、。

 ドラマのあらすじを一応。番組HPからコピペです。その他、細かいことはリンク先のWikiをご覧ください。

====ここから

 娘、早瀬美月(波瑠)25歳。母、早瀬顕子(斉藤由貴)50歳。美月の中学受験や大学受験、就職の時もいつも二人三脚で頑張ってきた。

 美月は完璧な母のサポートで順調に育ち、今は女子高の英語教師となり、母であり一番の親友である顕子を全面的に信頼していた。

 二人はまるで恋人同士のように仲の良い母娘だった。この母娘の密着を父、浩司(寺脇康文)は気にかけていたものの、仕事一筋で二人の関係に踏み込むことができないでいた。そんなとき、新築中の早瀬家を担当するハウスメーカーの松島(柳楽優弥)が、不思議な人懐っこさで二人と親しくなる。顕子は彼を気に入り、美月とつきあうように背中を押すが、美月は松島と会うことで、自分が無意識に母親の顔色を見て生きてきたことを自覚していく。顕子は娘が次第に変わり、自分から離れて行くことに動揺し、自分の一番大切なものを奪われたくない、と次第に心の奥の危険なスイッチが入っていく。そして、ついに松島を誘惑してしまう―


====コピペ終わり。



◆現実の“母と娘”の確執にハッピーエンディングはない。

 ここまで、“母と娘”の確執にフォーカスしたドラマって、これまで多分なかったんじゃないでしょうかね。本作は、 波瑠さん演じる娘が主役のドラマだったし、何より私自身が娘の立場で似たような経験をしたので、まあ、どうしたって美月の目線で見てしまいましたわねぇ、、、。

 実は、かつて私がシナリオコンクールに応募していたときに、このテーマで作品を書いて提出したことがありますが、その際、主人公は、母親側にしました。なぜかって、娘の立場で書いたらあまりにグロテスクになりそうだったし、母親の目線で見ることによって母親の気持ちが少しは分かるかも、と考えたからです(分からなかったけど)。

 コンクール作品は、大抵1時間もののドラマですから複雑な話は書けませんけど、母親とその母親(つまり私の祖母)や、夫(つまり私の父)との関係性にかなり根の深い原因があるだろうと思ったので、母親が夫と結婚する前にタイムスリップして、人生やり直すとしたらどうするか、という筋立てで書いたわけです。コンクールには暗黙の掟があり(今はどうか知りませんが)、やはりハッピーエンディングか、せめて救いのあるラストにすることが求められるため、私も無理矢理、救いのあるラストにしたんですけれど、本来、“母と娘”の確執問題で救いのある展開というのは、非常に稀なケースなので、経験者から見れば甘いラストになるわけです。

 我ながら、こんな甘い話は非現実的だと思ったけれども、やはり、お茶の間で見るドラマである以上、あまりに救いのないバッドエンドのフィクションをわざわざ見たい人なんて少ないでしょうから、こういうもんだと割り切って提出しましたよ。結果は、最終審査手前で落ちましたけどね。 

 どう甘いラストだったかというと、母親が自分の過去を辿ることで改めて夫の存在の大きさを思い知り、娘に執着していた自分の病理について、母親自身が気付きを得る、というものです。“母と娘”の確執において、救いのあるラストにするならば、母親が自ら変わるしかないのです。そして、そんなことはほぼ100%あり得ないと、経験者は皆身をもって分かっているので、“やっぱドラマよね~”と思うわけ。

 この「お母さん、娘をやめていいですか?」の脚本は井上由美子さんという素晴らしい書き手で、この井上さんが一体、どうやってこのドラマを着地させるのか、ドラマが始まったときから興味津々でした。バッドエンドはあり得ないだろうから、であれば、井上さんはどうするのかな、と。

 そして、3月3日の最終回は、、、。


◆母よ!! 父よ!!

 まあ、やっぱりそうなるよなぁ。……というのが、正直な感想でした。

 そう、最終回、美月の母が、夫との関係性を見つめ直すことによって自ら気付きを得て、娘からの自立のための一歩を踏み出す、、、というものでした。さしもの井上さんも、やはり、こう来たか、という感じです。……というより、それしかないんだよね、マジな話。

 番組HPの掲示板をざっと見たところ、やはり、この最終回については「現実はあんなに甘くないが、ドラマだからあれで良いと思う」という意見が多く、中には「がっかりした」というのもチラホラ。まあ、そうなるでしょうねぇ、、、。どちらの意見も分かります。

 最終回のシナリオについては、監修の信田さよ子さんに一度はダメ出しされたそうです。信田さんのツイッターを拝見したところ、「鍵はやっぱり父親にあることが伝わってほしい」「一番恐れたのはあまりにもあっけなく母が変化することで、娘の感じ方が過敏で問題だったんだ、一時的で遅れて来た反抗期だったんだという感想が生まれることだった」と書かれていた。確かに、それはその通りで、その苦心の跡は窺えるシナリオだったと思うけれども、経験者からすると、物足りなさを感じるのは否めないかもね。

 ただ、このドラマが凄いのは、“母と娘”の確執という、普遍的かつ壮大でグロテスクなテーマを、極めて分かりやすく、エキスだけを(少なくとも最終回までは)過不足なく盛り込んでいるところだと思うのです。リアリティを持たせながら、なおかつ、ドラマとして破綻しない程度にデフォルメし、それでいてこの異常さの根源には“夫婦の関係の希薄さ”という暗くて深い川が横たわっていることを浮き彫りにしています。こういう描き方ができるところが、やはり、井上さんは素晴らしい、と言われる所以でしょうねぇ、、、。

 そんなわけで、最終回は若干甘さを感じたけれど、ものすごく見応えのある、秀逸なドラマだったと、見終わっての満足感はかなり高いのですが、……というか、高いからこそイロイロと思うところがあるわけで、それらをこれから書き留めておこうと思います。


(そのにつづく)



 


『ドラマ』 ジャンルのランキング
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 家族の肖像(1974年) | トップ | 汚れたミルク/あるセールス... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ああ卒業式で泣かないと~♪ (松たけ子)
2017-03-09 23:09:00
すねこすりさん、こんばんは!
このドラマ、第一話を見逃してしまったせいで、結局あきらめてしまったのですが、妹や職場の人たちがハマってました!なので観ればよかったと後悔。再放送で絶対観ます♪
斉藤由貴がなかなか好演してるみたいでしょうか?彼女の名曲「卒業」を口ずさんでしまう季節ですね~。
すねこすりさん、シナリオを書かれていたのですね!その母娘確執物語、拝読してみたいものです。
母娘関係、いろいろありますよね~。私と私の母は、どちらかといえば互いに無関心(汗)で、ほどよい距離感のある関係なのですが、母とその母は、母子家庭だったせいもあって、かなり愛憎の濃ゆい依存関係にあったみたいです。母と娘が一人の男を奪い合うシナリオとか書いてみたいものです(笑)。
好演というより怪演(怖)だった!! (すねこすり)
2017-03-10 00:22:37
たけ子さん、おこんばんは~☆
お、ハマっている方々が身近にいらしたのですね。再放送、まとめてやってくれるといいなぁ、、、、。最初の方の録画、消してしまったので。
そうしたら、たけ子さんも是非、ご覧になってみてください。
まあ、斉藤由貴さんは、かわいい顔してホラーでしたよ。
これから感想でイロイロ書いていくつもりですけれど、娘・美月役の波瑠ちゃんが好演だったのと、美月が実に賢い女性で、ある意味感銘を受けました。
シナリオ、たけ子さんも書いてください! 美男子がたくさん出てくるBLモノとか、是非!!

コメントを投稿

番外編」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL