切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

京都府宇治市 伊勢田神社~神明皇大神宮

2017-07-13 23:29:56 | 撮影

 近くの神社を撮ろうと二箇所に行く。
 まず伊勢田神社。府道及び近鉄京都線の西側の住宅街の中に、比較的広い境内を持つ。長い参道を進むと末社があり、その少し前に拝殿が控える。しかし由緒書きなどの説明札は何もなく、文化財の指定もない。
 拝殿の背後に本殿が控えるが、今は色がかなり落ちているものの、かつては極彩色のかなり見栄えがする本殿だったと思われる。たぶん江戸時代頃に再建されたもののように感じられる。近くにある石造常夜灯には天保の年号が彫られていた。約200年前、江戸の終わりころになる。
 伊勢田という名前はたぶん、伊勢の田、ということで伊勢神宮との関わりが推定される。戻ってから少し調べてみたが、山城国風土記の逸文の一つに次のようにあった。
「山城の国の風土記に曰はく、伊勢田の社祗社。み名は大歳御祖命(おおとしみおやのみこと)の御子、八柱木なり。」
 まあこの文章だけでは素人の自分にはよくわからないが、少なくとも名前が登場してきているのが分かる。また伊勢田神社のことが記載されたネット情報をいくつか見たところでは、やはり伊勢神宮が所有する田があったようだ。
 また他の資料からは、奈良時代初期には創建されていたと考えられている。その後の経過についてはいくつかの古文書の文中に登場するらしいが、何の資料も持ち合わせない自分としてはこの辺りがせいぜいのところ。
 しかし、かなり長い歴史を持った由緒ある神社だと言える。本殿はともかく周囲の常夜灯や灯籠、鳥居にしても新たに再建されたものが目立つ。したがって表面的にはさほどを古い歴史を有するものとは見えにくいのも事実。でもこういうものを古文書の資料を当たりながら、歴史的流れを明らかにしていくというのも非常に興味深いことだと思う。

       

 次に数キロ離れた、これも住宅街にある神明皇大神宮へ行く。


 非常にたいそうな名前だけど、地域の人たちは普通に神明神社と呼んでいる。ここの神社はなんとホームページを持っていて、そこに由緒や歴史的なことはほとんど書いてある。また入り口には駒札に由緒が綴られている。
 境内は思いのほか広く、二つの宮の他、末社も多くあってさらに伊勢神宮への遙拝所もある。ここも伊勢神宮との関わりがあるようで、上の伊勢田神社との関係もあるらしい。地域の祭りの場ともなっていて、人口密集地でもあり、今でも初詣他、地域の祭りの中心としてかなり大きな存在の神社だ。
 境内は静かでゆったりとしている。本殿や末社などの建物は比較的近年に建て替えられたものと思われ、さほど古さを感じさせない。そういった点ではちょっと物足りないかもしれないけど、入り口の鳥居の横には創建1350年の札が立っていた。ということは大化の改新よりも前の話となるが、実際には詳細はよくわかってないらしい。
 いずれにしろここもずいぶん長い歴史を持っている。山崎の合戦に敗れた明智光秀が逃亡中にここに寄って、隠れたという井戸があって、どこまで本当かどうかは分からないが、そのように伝えられているという。

由緒書きを以下に載せておく。

『由緒書

御祭神

内宮(天照皇大御神・豊秋津姫命・手カ雄命)
外宮(豊受大神・瓊々杵命・天太玉命)
末社(猿田彦命・天児屋根命・稲荷社・
  天満宮・雨宮風宮・蛭子社・住吉社・結社)
厳島神社(市杵嶋比売命)
羽拍子社(級長津彦命・級長津姫命)

 当社は古文書や社伝によると、白鳳二年春三月天武天皇の詔により栗子山に神殿を造営、市杵嶋比売命を祭神として神明神社と称えられたのが起源とされる。
 桓武天皇延暦十三年(七九四年)都を平安京に遷され、当地が都の巽に当るので伊勢皇大神宮の神を勧請しこの地を宇治と号ししばしば行幸された。その後延喜四年(九〇四年)醍醐天皇の詔により新たに社殿を造営、伊勢内・外皇大神宮及び雨宮・風宮・稲倉魂命の御分霊を祭り歴代天皇が行幸された。南北朝の争い等により社殿は大破する等したので、康和元年四月(一〇九九年)に洛南の景勝地であった現在地の神明山に移された。その後、いたびもの変遷を経て、現社殿は文政二年(一八一九年)に建設されたと記録が残っている。
 室町時代前後のこの神社に関わる内容の狂言二つがあり、現在も大蔵流茂山家により上演されている。また、山崎の合戦に敗れた明智光秀が山階に逃れる途中隠れたと言い伝えのある古井戸を藻隠池と称して現存している。
 このような経緯を経た当神社は、平成二十八年五月に神社創建一三五〇年記念祭が斉行される。』


       
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