切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

京都市伏見区 飛鳥田神社・・・横大路柿ノ本町

2017-08-13 23:39:14 | 撮影

 京都市伏見区には飛鳥田神社と言う同じ名前の神社が2箇所ある。一つは国道1号線沿いの下鳥羽にある飛鳥田神社。もう一つが今回紹介する横大路の飛鳥田神社。
 国道1号線から淀競馬場に向かう幹線道を走ると、すぐに道沿いに神社が見えるが、地元の人以外にはその入り口がどこにあるのかさっぱり分からない。幹線道路には入り口が全くなく、細い道を内部に入って、工場が並ぶ中に正面鳥居がある。数年前に台風の被害で境内、本殿などが大きな被害を受け、ネット上にあるその当時の写真を見ると、無残な姿だ。その後地域の人たちが資金を募って再建修理に着手し、今では非常に綺麗に整備されている。

  

 場所が場所だけになかなか訪れる人はいないだろうと思う。しかしかなり由緒ある神社で、本殿及び拝殿が京都市の登録有形文化財に指定されている。本殿の近くには沿革を紹介した立て札があったので、まずそれを紹介しておく。

『京都市登録有形文化財
飛鳥田神社本殿
 飛鳥田神社は別雷・市杵島姫命を祭神とし、創建については確かなことはわからないものの、「日本紀略」には飛鳥田神についての記載がみられる。ただし、式内社飛鳥田神社が当社であるかどうかについては明確ではないが、『廷喜式神名帳』に「一名柿本社」とあることから、柿ノ本町に建つ当社が式内社である可能性は十分に考えられる。
 中世以降の状況については、享保十九年(一七三四)の「山城志」に記された上梁文からうかがうことができ、これによると応永二十五年(一四一八)に社殿が造営され、その後文明九年(一四七七)、天正四年(一五七六)・慶長十九年(一六一四)に修理、また文禄五年(一五九六)に屋根葺替が行われていたようである。さらに十七世紀半ば頃には境内の整備が進められたものと推定され、境内正面の鳥居に「慶安五壬申年(一六五二)/嶋瀉弁才天御宝前」、また手水鉢には「嶋瀉弁才天/御宝前/明暦三年(一六五六)/五月曰」の刻銘がみられる。
 覆屋のなかに建つ本殿は大型の一間社流造の建物で、建築年代に関する史料を欠くものの、全体に木割が太くて装飾が少ない点、また饕股や実肘木・虹梁の形状などから、境内の整備が行われた十七世紀半ば頃までに造営されたものと考えられる。一部改変を受けているものの
当初の姿を著しく損なうものではなく、また柱頭に舟肘木を落としこんで柱が直接桁を支持するという特異な手法が採用されている点に特色がみられる。
平成七年三月三十日指定
京都市 』

 創建は不明だが、社伝によると飛鳥時代に宮が造られたと言う。その後平安時代になって飛鳥田の名前が古文書にも現れるが、現在の飛鳥田神社かどうかは分からない。後年、同じく平安時代の 『延喜式神名帳』(平安時代、927年)に「一名柿本社」と記載されていて、現在の飛鳥田神社が横大路柿ノ本町にあることから、遅くとも平安時代には既に存在していたということになるとのことだ。現在の社殿は、上の説明にある鳥居や手水鉢に刻銘がある年代の頃に建てられたものだと思われる。
 ただ何れにしても、飛鳥田神社には論社(延喜式神名帳に記載された神社が、現在のどの神社なのかを特定するために候補となる神社)が5ヶ所あり、上記内容も飽くまでも可能性が高い、という状態だ。

    

  外側からはなかなか分かりにくい神社ながら、境内に入ると周囲の車の走行音や工場の機械音などがあるものの、ちょっとした森に囲まれて、落ち着いた雰囲気になれる。拝殿の横には台風による修理完成の石碑文が立っていた。本殿も朱色に塗られて、かつての輝きを取り戻したかのように、なかなか存在感がある立派な建物になっている。
 祭神の「市杵嶋姫命」は古事記や日本書紀に神話として登場する神で、海や水の神とされる。神社のすぐ近くには桂川が流れており、またこの近辺の地名にも上ノ浜、中ノ島等が使われており、淀川からさかのぼって来る水運の地として、また農耕にとっても重要な意味を持っていたのだろうと思われる。荷物を運ぶ小舟が無事であるように願って祀られていたものだろう。

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