切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

京都市伏見区 萱尾神社・・・大化の改新の頃からあるようだ

2017-07-31 00:13:31 | 撮影

 京都市伏見区にある萱尾神社に行ってきた。
 宇治六地蔵を通る外環状線を北上し、少し走ったところを東の方へ入ると日野と呼ばれる地域に入る。ここには国宝や重要文化財を有する法界寺があり、少し離れたところに目的地の萱尾神社がある。昔はこの地は宇治郡日野村といい、この地域の産土神として崇められていた。また法界寺の鎮守社ともなっていた。


 現在は周囲は住宅が密集しており、その中にポツンと森が広がっていて、そこが神社となっている。参道の入り口に車を停めて鳥居へ向かう。誰一人いなかった。この日は35度ほどあり非常に暑かったが、神社の境内に入ると森に囲まれているせいか、結構涼しい。鳥居は比較的最近塗り替えられたようで、鮮明な赤い色をしていた。そこから正面に舞殿が見えて、その奥に本殿がある。鳥居の横に神社の簡単な沿革と本殿の紹介が書かれた立て札があった。その文は下に載せておく。
  舞殿は四方を鉄柱で支えられて倒れないようにしてある。一見するとさほど古そうには感じないが、おそらく再建された本殿と同時期に建てられたものと思われる。
 

 舞殿を超えるとすぐに見慣れない形状の石灯籠が立つ。これがキリシタン灯籠、或いはマリア観音と言われるものだ。昔からこのような呼称で言い伝えられているという。灯籠正面の下部には、確かにマリアらしき象が彫られている。また灯籠そのものは、織部灯籠と呼ばれるもので、かなりスマートな形状である。正面から見る時に、上部の笠が左右に張り出しており、これは十字架を表しているのではないかと言われるが、確証はない。ただ少なくとも、各地の寺院や神社に小数残されているこの形式の灯籠には、同じような共通点がある。
 萱尾神社においても、江戸幕府のキリシタン禁教令(一六一二)が出されて、信仰や布教ができなくなり、その頃に作られたのではないかと伝えられている。灯籠本体には刻銘も何もないので、その辺りの詳細は全くわからない。
 

 尚、織部灯籠とは、戦国武将で茶人でもあった古田織部(1544~1615)が創案した灯籠の形であるといわれている。
 ついでの話だが当時、京都でのキリスト教の布教についてはフランシスコザビエル以降、あとに続いた宣教師たちが主に西京の方で積極的に行っていたが、禁教令が出た後も京都においては取り締まりは非常に緩やかで、布教活動は続けられていた。しかし1年後には強い命令が出され徹底的に取り締まられ、そして弾圧まで行われるようになった。 なかでも元和五年(1619 )の弾圧では、60名以上が七条河原で火あぶりの刑で処刑されている。

 続いて本殿の前に2つの石灯籠があり、これには元禄(一六〇〇年代末)の刻銘があって、おそらく当時、屋根の葺き替えの時に氏子たちによって奉納されたものだろうと思われる。
 

 本殿そのものは再建やその後の修理などの記録がしっかりと残っていて、慶安五年ということが分かっている。かつては極彩色に塗られていたものだろうが、今は大半が剥がれ落ちて、わずかに当時の色が残るのみ。建築様式が貴重なものだということも含めて、京都市の有形文化財に指定されている。たぶん100年くらいすると重要文化財になるんだろうと思う。
 周りには末社が4社ほどあって、それぞれがしっかりと立っているが、これらは本殿よりも新しく感じられる。

 萱尾神社の創建は飛鳥時代の西暦六五五年、中臣鎌足によるものと考えられている。祀られている大己貴命とは神話の因幡の白兎を助けた神様として知られている。
 萱尾神社は神社の部分だけを見ていると、ごく普通の何気ない神社に見えるが、歴史的な流れの中でいろんなものを抱えていた、相当な意味のある神社であると思えた。
    

『京都市指定有形文化財
萱尾神社本殿
 萱尾神社は、大己貴命(おおなむちのみこ)(大国主命)を祭り、日野村の産土神として崇敬を集めるとともに、法界寺の北東に位置し、江戸時代まではその鎮守社ともなっていた。
 現在の本殿は、法界寺坊中、在所年寄、近在の氏子などによって慶安五年(一六五二)に再建されたものであり、その後も屋根葺替や彩色等の修理が繰り返されてきたことが、当社所蔵
の多数の棟札からわかる。
 建物は大型の一間社流造(いっけんしゃながれづくり)である。極彩色が施されるなど彩色装飾が豊かで、醍醐寺清滝宮本殿(重要文化財)に相通じる雰囲気を持っている。この本殿は建築年代がはっきりしており、さらに造営以後の修理についてもほぼ明らかで、近世日野の建築活動を知るうえで貴重である
 昭和六十年六月一日指定  京都市』

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 京都市上京区 本法寺・・・... | トップ | 京都府城陽市 荒見神社・・... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

撮影」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。