一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

虚しい演出後出しジャンケン

2016年07月13日 | 最近のできごと
 昨日の午後、テレビでジャーナリスト男性の都知事選出馬会見を見た。
 テレビは、ほとんどビデオ録画して見る習慣だが、珍しく午後2時からのその記者会見をリアルタイムで見た。
(やっぱり、こういうことだったのね)
 連日、報道番組を見ていて、民進党が推薦候補者選びにグダグダしていると批判されていたが、
(あの迷走ぶりは、芝居、演出だわ。後出しジャンケンの候補者が、ちゃんといるのよ)
 そう推測していた。都連会長の無能を指摘されても民進党批判を浴びても、そんなことは百も承知でいるという顔つき、表情が読み取れたからだった。だからこそ、打診もしてない、固持された元知事まで意味もなく推薦候補として名前を出し続けたのだ。
 何て姑息。姑息中の姑息なやり方。民進党がますます嫌いになった。以前の民主党を少し応援した時期もあったが、現在の民進党議員たちは人格的中折れ症候群と言いたくなる軟弱議員ばかりに見える。
 推薦候補選びのグダグダは演出という私の予測は的中したが、効果狙いの後出しジャンケン候補者がそのジャーナリストとは想像できなかった。過去に、民進党は2度、そのジャーナリストに出馬を打診したと政治評論家がコメントしていた。2度とも体調の悪い時で断られたらしい。今回は、体調の良い時ということなのだと思うけれど――。ガンの生存率5年クリアとか7年クリアと昨日の会見で発言していたが、そもそも生存率というのは絶対的根拠のある数字で、絶対的な意味があるのだろうか。
 過去に打診された2度の時は体調が悪かった、今回は体調が良いから出馬、と言われても……と、私は驚愕した。
 それにしても、3度も打診とは。知名度に縋りつく民進党の浅慮と愚かさと脳のなさ! 昨日の記者会見場で、前日推薦したばかりの候補者と、笑顔で握手させるシーンの、何て虚しい演出、というより笑ってしまうほど幼稚で稚拙極まりない演出で、見ているのが気恥ずかしくなるほどだった。民進党って、つくづく下品と、呟きたくなる。上品な政党があるというわけではないけれど。
 演出後出しジャンケンのそのジャーナリストを、特に好きでも嫌いでもなかったが、どちらかと言えば好感を持っていた。ただ、訛り混じりの話し方が、いつも気になった。方言や訛り言葉を話す人が嫌いとか苦手というのでは決してなく、長年、東京で暮らし、長年、テレビ出演しているのに、どうして訛り混じりなのか、いつも不思議だった。何か精神面に問題があるのかもと思ったりした。コメント内容は、正義の味方という感じのいかにもジャーナリストふう、という印象だった。
(あの人のことだったのね)
 1週間以上前、報道番組で情報通の政治評論家だったかの中高年男性が、大物ジャーナリストが出馬するらしいというのをチラッと聞いているとコメントしていて、ジャーナリストに大物とか小物とかいるのねと、クスッと笑ったものだが、誰のことかとわからなかった。
 昨日の会見では、参院選の結果を見て、このままでは日本は駄目になると思い、だから出馬を決意して民進党に連絡を取ったと話していたが、それもどこかシラジラシク聞こえた。あまり説得性のない出馬動機にも感じられた。
 演出された後出しジャンケンにしたのは、後出しジャンケン効果を狙ってとわかるが、組織から推薦されて、そんなに出て欲しいなら出てやってもいい、みたいな自公推薦の都知事立候補者と違って、参院選の結果を見て日本が大変なことになると義憤に駆られて出馬を決意、のほうがジャーナリストとしてカッコイイというか華々しいというか有権者の目を引く、というのが狙いだったと推測したくなる。
 会見を聞いていて、私には驚愕のコメントの連続だった。

1.「ガン患者でも都知事がやれる、というところを見せたい。ぼくのようなガン患者たちを励ましたい」
 最も驚愕した発言は、これだった。
(えっ、ガン患者を激励したいから都知事になる?)
 もちろん、ガン患者激励は良いことである。記者から体調を質問されて、4度の転移手術や生存率の年数クリアなどガン体験を延々と話している時も、私は驚愕、愕然、茫然、呆気(あっけ)に取られて呆然状態だった。任期の4年を再発転移しないという確証と根拠は、どこにあるのだろう。

2.「ぼくの人生で、現在が一番、健康です」
 この発言にも、驚愕、愕然、茫然、呆気(あっけ)に取られて呆然となった。

3.「ぼくは76歳です。76に見えないって、よく言われるんだけど」
 この発言には、クスッと笑ってしまった。自己愛の強いナルシスト、というイメージ。

4.「一生、アウトサイダーを気取るのか、という内なる声に導かれて、出馬を決意した」
 1度ぐらいインサイダーになって、という言葉にも、違和感と虚しさを感じた。
 
5.「他の候補者の政策は、関心がないから、一切知りません」
 この発言は嘘とわかった。その数十分後、「誰かが(他の候補者。小池百合子さんのこと。)調査委員会とか、わざとらしく作ると言っていたが、そんなもの作らなくても、ぼくが調査する」と発言したからである。語るに落ちるとは、このこと。テレビマン・ジャーナリストが、報道番組を見ないわけがない。関心がない、一切知らない、という言葉は幼稚な格好つけに聞こえる。

6.「国は今、中国、韓国と、うまくいっていない。だから都市外交レベルで、中国、韓国と交流を深めたい」
 中国、韓国と、うまくいっていないのは国の政策や必然性のあることかもしれないのに、都市外交で交流することは国のやり方を邪魔することにならないのだろうか? 前都知事がフランス好きだったように、中国と韓国を好きだから交流したいのではと推測したくなる。

7.「都議会と喧嘩するつもりもないし、仲良くするつもりもない」
 この発言も、小池百合子さんを意識した発言とわかる。都議会幹部の利権とか闇とかについては周知されていることなのに、あまりにも人間的軟弱さ、行動力のなさ、の表れに感じられた。自己保身のためには都議会とうまくやるというスタンスにも取れる。

8.「それは調査してみないとわかりません」
 前都知事が決めた、都有地を韓国学校にというプランについて記者から質問された時の回答。この発言も、驚愕だった。ジャーナリストなら、都民はその都有地を韓国学校ではなく、保育園など福祉のために使用して欲しいと希望していることを、知らないはずはないと思う。韓国好き、親韓派とわかった。

 また、会見の最初、税金を払う人使う人の意識が大事と話していたが、そのことはどの候補者も選挙演説に入れることだと思う。〈言うは易く行うは難し〉である。小池百合子さんは知事報酬を半額にすると決めている。それこそ、グチャグチャグチャ言うより、潔い実行力の証し。
 テレビを見ていて人間観察する楽しみのある私は、この記者会見を見た後、
(このジャーナリスト男性は、自己愛が強過ぎるナルシスト)
 という印象を受けた。人間、誰でも自己愛は持ち合わせる。けれど、そのジャーナリスト男性の数々の発言は、すべて強過ぎる自己愛から発せられた言葉に聞こえる。自己愛が強いことは決して悪いことではないが、客観的な視点が欠落するほどの自己愛の強さに感じられた。
 記者会見中継後の番組司会者もコメンテイターも政治評論家も、ジャーナリスト男性の出馬会見を絶賛していたことにも驚愕した。まるで、もう都知事は決まり、と言わんばかりの浅慮で無意味で虚しい感想コメントの嵐。記者の質問に、「知りません」「わかりません」というジャーナリスト男性の答え方が、正直で良いとまでコメントする絶賛ぶりに、驚愕と同時に呆れた。記者のそれらの質問は、優秀なジャーナリストなら、都知事選立候補者なら、当然、知っている、答えられると思われる質問だったし、「知りません」「わかりません」の理由が、昨夜、出馬を決意したばかりだからと言い訳していたのも、笑いたくなってしまう話。それが、番組司会者&タレント&政治評論家たちは、絶賛の嵐なのである。これこそ、視聴者へのマインド・コントロール、テレビ局の陰謀、報道の陰謀――と言いたくなる。
(この局の報道番組を録画予約するのは、やめようっと)
 他の局でも似たような、絶賛の嵐だったかもしれないけれど。
(何て虚しい演出後出しジャンケン)
 後出しジャンケンとは演出することだが、その〈後出しジャンケン〉に〈演出〉という言葉をつけたくなるくらい、後出しジャンケンに見えないように演出した虚しい後出しジャンケンだった。民進党から打診されたのではなく、ぼくのほうから手を挙げた、と何度も強調していたし、参院選の結果を見て、出馬を決意、だから〈後出しジャンケン〉ではないと、それも何度も強調し過ぎ。姑息中の姑息。正義漢で情熱家というムードを売りにしたいような真意が透けて見える。野党統一候補という舞台に上がったと晴れやかな気分でいるかもしれないが、組織票を得て安心という心理は、自公推薦の組織票を得て安心という満面の笑みを隠しきれない候補者の心理と、全く同じと推測される。
 また、都知事になりたいのは1番目に自己の人生完結のため、2番目に国のため、3番目に東京のため、という順位であるという表明にも感じられた。
(こんな会見だったら、録画のビデオを1.5倍速で見たほうがマシだったわ……!)
 虚しい演出後出しジャンケン会見を見せられただけだった。
 やはり、小池百合子さんが都知事になって欲しい!! 政治家としての能力、実力、資質が、候補者たちの中で群を抜いて高いのは小池百合子さんと、確信している。政治家としての勇気があり、言葉のセンスが良く、改革の実行力がある小池百合子さんこそ、都知事にふさわしい。絶対絶対、小池百合子さんに投票しようという気持ちを、いっそう強くさせられた。


 
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