to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ある公爵夫人の生涯

2009-04-16 00:42:50 | the cinema (ア行)
原題 THE DUCHESS
製作年度 2008年
製作国・地域 イギリス/イタリア/フランス
上映時間 110分
原作 アマンダ・フォアマン
脚本 ソウル・ディブ/ジェフリー・ハッチャー/アナス・トーマス・イェンセン
監督 ソウル・ディブ
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 キーラ・ナイトレイ レイフ・ファインズ/シャーロット・ランプリング/ドミニク・クーパー/ヘイリー・アトウェル/サイモン・マクバーニー/エイダン・マクアードル

イギリスの元王太子妃ダイアナの生家としても知られるスペンサー家。18世紀後半にその名門貴族に生まれ、17歳でデヴォンジャー公爵夫人となった実在の女性、ジョージアナの華やかにしてスキャンダラスな結婚生活を描いた歴史ドラマ。
18世紀後半のイギリス。スペンサー家の令嬢ジョージアナは、世界有数の名門貴族であるデヴォンジャー公爵との結婚が決まる。美しく聡明なジョージアナはたちまちロンドン中の注目の的に。ところが結婚してすぐに、彼女はデヴォンジャー公爵が男子の後継者をもうけることにしか興味がなく、自分をまるで愛していないという現実を突きつけられる。社交界の華として人々の羨望を集めながらも孤独が募るジョージアナ。そんな時、彼女はエリザベスと出会い、友情を築くことで大きな心の慰めを得るのだったが…。

裕福でありながら、愛だけは得られない生活に、他に愛を求めた公爵夫人と、
世継ぎの男子を得るために「夫の務め」を果たすだけならまだしも、その財産と立場に物言わせ手当たり次第に子を孕ませる愛無き夫。

この時代に社交界の華となり、ギャンブルも好きだったと言うジョージアナは、同時代のマリー・アントワネットと比較されるほどのギャンブル好きだったらしいが
そこも史実に忠実に描かれ、彼女のギャンブルに嵩じる姿を映し出している。

16や17で2度ほどしかあったことも無い公爵と嬉々として結婚することも、この時代では普通であったろうし、
娘を産んで、夫に愛を求めて得られず、男の子は何度も流産し―
やっと見つけた親友も寝取られた挙句、居座られ―
離婚を切り出せば、子供を人質にとられ、阻まれる。。。

やっと辿り着いた愛する人も、お互い様でありながら男の沽券を振りかざし、女の身で不倫を公認は応じてもらえず、
また、ここにきていきなり愛に目覚めたのか、彼女の勇気ある決断も生かされない。


彼女の人生に良くも悪くも、大きく影響するレディ・エリザベス・フォスターの背景がイマイチしっくりこない語られ方ではあるけれど、
この女性も自分なりに、母として逞しくこうあらねば生きて来れなかったのだろうという気もする。
あの密会の手助けはフィクション部分かも知れないけれど、
最後の、数年後の子供たちの人数と、性別が気になったので調べてみたら
エリザベスは公爵との間にも実際男の子と女の子をもうけている、、

連れてきた子供だけならまだしも、夫とこの子供と長年同居してきたと言うことなのだろう・・・
そんな今では考えられない貴族の生活。
子供の為に、夫の手を握り返した、その決断にやはり聡明な女性であったことを感じるシーンだった。

キーラは、このところこういう時代物が多いような気がするが、コスチュームものが似合う上、
プライドの高い悲劇の公爵夫人がやはり嵌ってた
彼女の恋の相手が「マンマミーヤ」の新郎だとは、ずっと気がつかなかったし、ちょっと地味な印象。
エリザベス役のヘイリー・アトウェルの顔が、ずっと伊藤淳史にみえて困ったのはナイショ
久しぶりのレイフ・ファインズと、大好きなシャーロット・ランプリング、今回は残念な役どころではあったけど、
二人のシーンはやはりピシッと引き締まって良かった

今でいう時代のファッションリーダーでもあった、実際のジョージアナも、美しいがどこか悲しげに見える。

やたらデヴォンジャー公爵が口にする「男の務め」「女の務め」は、時代が変わって、国を違えても今も双方のストレスの元になっていることも多い。
耐える女の強さ、美しさも感じる作品でした

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16 コメント

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本当 (miyu)
2009-04-16 21:02:15
キーラは時代物が多いけど、ドレスに映える美しさにうっとりですよね~。
シャーロット・ランブリングはもうちょっと
見せ場があっても良かったのになぁ~って感じがしましたけど、
やっぱり存在感が凄い!ですね~( ´艸`)
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Unknown (JoJo)
2009-04-17 20:27:31
Kiraさ~ん、こんばんは!
ホント、キーラは最近、文学作品づいてますよね、しかし、本作、気になってはいましたが、かなりシビアな物語ですね。

でも、こういう一生、当時は多かったと、何かの歴史の番組で話してました。昔の女性って、いつも思うけど、強いですよね、イイ意味で。

今度、CSで「ポンパドール夫人」をやるので、楽しみにしてます!
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Unknown (mig)
2009-04-18 13:29:33
kiraさーん♪いま外から☆

これ観たのね!
わたしは今月は二度観したい映画多いからこれはDVDでいいかなぁって

kiraさん的には普通??
観たらまたお邪魔しまーす☆
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こんにちは~ (rose_chocolat)
2009-04-18 13:44:30
この公爵はすごかったですねー。 こういう結婚生活もあるのかと。 今だったら本当にあり得ない!
でも地位と家名のためにはそれを耐えるのが当たり前だったんでしょうね。 お気の毒だけど、でもそれで本人は納得したんだと思います。
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miyuさん* (kira)
2009-04-18 20:03:36
もう、キーラは似合いすぎってカンジでしたよね!
シャーロット・ランプリングは、ちょっと勿体無い使い方でしたね~。
まぁ、全体にジミ目のキャスティグだったかもですが、
なんと言っても衣裳が素敵でしたよね
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コメありがとうございます。 (Hitomi)
2009-04-18 20:07:17
kiraさん、こんばんは。

この映画、内容の殆どが史実だということでビックリしました。

ジョージアナの姿は凛としてて素敵でしたね、人を寛容に許すことって難しいですね。
私はまだまだ未熟者なので彼女たちのようには出来ないです
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JoJoさん* (kira)
2009-04-18 20:54:57
この時代モノは仕方がないと言ってはそれまでですが、
何気に同時代でも、フランスとイギリス、スペインで、
貴族の不倫も世間の目も風当たりも微妙にちがうのね~。
ただ、女の結婚に自由が無いことは共通なのよねー

「ポンパドール婦人」って、映画?ドラマ?
18世紀ものですね!感想書いてね~
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migちゃん* (kira)
2009-04-19 13:32:39
キーラ好きとしては要・劇場観賞作品でしたが、
お家観賞もいいんじゃないでしょうか
『二度みたい作品』があるって、いいよね~
私もそろそろ、6度目の「ヤッターマン」に行きたいですもん♪

かの王妃を連想させる史実が、切ないですが、
女としての生き方を考えさせられるドラマで、普通に良かったですよ
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rose_chocolatさん* (kira)
2009-04-19 13:41:18
>お気の毒だけど、でもそれで本人は納得したんだと思います。
ですよね・・・。
冷たくて、傲慢だった公爵も、愛を求め、親としての愛から留まるジョージアナの姿に、
多少とも変わったようなところは見受けられましたしね。
それにしても、死ぬまで、ですもんね。凄いです。。
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エリザベスの… (オリーブリー)
2009-04-19 16:21:47
視点でも観てみたいなあ(苦笑)
彼女も生きるすべであったろうし悪い女ではないとは思うけど、どんな人間だったのか興味あるわ。
ジョージアナのような華やかさはないけど、甘え上手で寝技があり、男ウケしそうな印象だった(爆)

キーラは綺麗だったね。
勝気な感じもピッタリだったわ。
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