to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

追憶

2017-05-20 21:55:44 | the cinema (タ行)

会いたくても、
会えなかった、
愛する人へ――

上映時間 99分
原案:脚本 青島武、瀧本智行
監督 降旗康男
音楽 千住明
出演 岡田准一/小栗旬/柄本佑/長澤まさみ/木村文乃/矢島健一/北見敏之/安田顕/三浦貴大/渋川清彦/りりィ/西田尚美/安藤サクラ/吉岡秀隆
1992年、冬の能登半島。13歳の四方篤は、親に捨てられた同じような境遇の田所啓太、川端悟と共に、軽食喫茶「ゆきわりそう」を営む仁科涼子、山形光男を慕い、家族のような日々を送っていた。しかしある事件をきっかけに、幸せだった日々は突然終わりを告げ、少年たちは離れ離れになってしまう……。
そして25年後、刑事となった四方篤は、あの日二度と会わないと誓った川端悟と偶然再会。
幼少期を共に過ごした少年たち3人が一つの殺人事件をきっかけに、刑事、被害者、容疑者という形で25年ぶりに再会。
それぞれが家庭を持ち、歩んできた人生が再び交錯し、封印したはずの忌まわしい過去と対峙することになる。
そして――と、
物語は二つの事件を軸に、刑事・四方篤の行動を追いながらの展開となっていくのですが、
一見、サスペンス色が強いけれども、
終わってみれば、犯人も動機も霞んでしまう、
不孝な少年期を経た3人の、秘めた絆の物語でした。

1992年と25年後と、、、
ほんの僅かな時間に交わった人たちの中にあった、かけがえのないもの…
舞台となる、冬の富山の美しさ、荘厳で神秘的な日本海の映像もまた見所!
登場人物たちの心情に寄り添いながらも美しい風景が、一層ドラマを盛り上げていました。



女優陣はともかく、3少年の25年後を演じる岡田・小栗・柄本クンが嵌ってる。
演技力もあるとはいえ、闇を抱えたまま人生に立ち向かうそれぞれのキャラがぴったりマッチ。

現在の旧友3人が、刑事・容疑者・被害者という所も文句なく、
この三人は、こういう不幸な境遇(の役)が似合ってるというか(笑)
特に柄本くんはロクヨンでも感じた、出てくるだけでその役での男のストーリーが見えてくるというほどの雰囲気があって、秀逸。

題材として特に目新しくはないテーマ、展開なのに、それをここまで沁みるドラマにしたのは
原案・脚本の2人。『脳男』『グラスホッパー』の滝本智行さんと、
東京難民』『ペコロス、母に会いに行く<TV>』『グラスホッパー』青島武さんなのですね。
私は『蒼い瞳とニュアージュ』WOWOWで覚えた方でもあります。

親に捨てられた子供たちが、現在にあがきながらも
悲しくも忘れ難い想い…―シンプルなストーリーと美しい色彩の映像。
その映像美に優しい千住さんの音楽がプラスで、
文字通り、目と心と耳で味わえた満足の1本でした



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