安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

この世界の片隅に

2017年08月10日 | 月刊ブログ

 うだるような暑さが続いていても、暦の上では立秋となりました。今回の長寿の台風もあちこちで大きな被害を与え北上していきました。

 先日は、佐世保の夏祭り「シーサイドフェスタ」が開催され、何発もの花火が打ち上げられました。会場でお腹の底まで響く音ともに上空を見上げるのが一番ですが、私はもっぱら、自宅のベランダからの眺めを楽しんでいます。花火を見ながら、幼い時には、郷里の早岐の瀬戸で行われる花火大会に、父や母と一緒に行ったことを思い出しました。当時は、現在のように連発で上がることもなく、花火が1発打ち上げられると、オーっという歓声と、一瞬で消えていく荘厳な花火に深いため息があちこちから聞こえてくるような、スローで味わい深いものだったような気がします。

 

 先月、私は、話題になっていた「この世界の片隅に」という映画の上映会に行きました。国内の映画館全館では上映されないので、長崎県の有志の方が、この被爆地長崎での上映を実現させてくれたのです。私も知人からチケットを2枚購入して、80歳を超えた母を誘って見に行きました。広島を舞台とした若い女性の半生でしたが、アニメで描かれた主人公のかわいい声とあどけない表情に、戦争の悲惨な状況も少しだけ和らいで見えました。淡々と描かれた原爆の日も、だからこそ、その恐ろしさが後から迫ってくるようでした。鑑賞席には、年配の方はもちろんのこと、小学生がお母さんに連れられて、また、大学生たちもたくさんいて、ちょっと驚きました。私の前の席の70代くらいの男性は、途中からずっとハンカチで涙をぬぐっていました。

 

 昨日は、ここ長崎の原爆の日でした。

 式典には核兵器保有国を含め、過去2番目に多い58カ国の代表が参列しまた。
 田上長崎市長は、平和宣言の中で、「ノーモア・ヒバクシャ」という言葉は、未来に向けて、世界中の誰もが、永久に、核兵器による惨禍を体験することがないように、という被爆者の心からの願いを表したものだと述べました。

 その願いが、この夏、世界の多くの国々を動かし、一つの条約を生み出しました。「核兵器禁止条約」です。核兵器を、使うことはもちろん、持つことも、配備することも禁止した同条約が、国連加盟国の6割を超える122カ国の賛成で採択されたのです。私たちは「ヒバクシャ」の苦しみや努力にも言及したこの条約を「ヒロシマ・ナガサキ条約」と呼びたいと思います、と市長は述べていました。そして、残念なのは、世界で唯一の被爆国の日本が、参加をしていないことだ、とも訴えていました。

 田上市長は、「私たちは決して忘れません。1945年8月9日午前11時2分、今、私たちがいるこの丘の上空で原子爆弾がさく裂し、15万人もの人々が死傷した事実を。原爆は、いつも側(そば)にいた大切な家族や友だちの命を無差別に奪い去っただけでなく、生き残った人たちのその後の人生をも無惨に狂わせたのです。世界各国のリーダーの皆さん。被爆地を訪れてください。」と結んでいました。

 切実な願いが伝わってきます。どうしようもないもどかしさの中で、訴えることしか手段がないことに、聞いている私も憤りを感じずにはいられませんでした。

 

 一方では、今年で活動20年目を迎えた核兵器廃絶を求める「高校生平和大使」の全国の高校生ら約150人が9日朝、長崎市松山町の爆心地公園で「人間の鎖」を作り、核兵器のない世界を願ったとのことでした。フィリピンや韓国の学生も参加して黙とうをささげた後、原爆落下中心地碑周辺で手を取り合い、人間の鎖を作りました。「高齢化する被爆者の思いを受け継いで、私たち若者が未来の平和を担っていこう。」と呼びかけました。若い世代が恒久の平和について真剣に考えてくれていることに、私は心が熱くなりました。

 

 時間が経過しても忘れることができないことは、たくさんあります。いい思い出よりも、辛い思い出の方が多いかもしれません。

日々のことが、数年後、どのように思い出されるのか、うれしいことばかりだといいのにと思います。

 

 今月の花は、8月の誕生花、鹿の子百合です。花言葉「富と誇り」は、花弁の元にたくさん入った斑と、咲き始めにまっすぐな花弁が強く反転して咲く誇らしげな花の姿をたとえているそうです。

 photo by mizutani

 

 

 

 

 

 

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