東アジア歴史文化研究会

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朱建榮教授失踪から半年

2014-01-04 | 中国の歴史・中国情勢
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」1月4日号

事実は小説よりも奇なり、朱建榮教授失踪から半年
かれは中国国家安全部で、何を取り調べられているのか?
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日本のマスコミで「北京の代理人」として縦横に活躍した朱建榮が画面から消えて半年近くになる。朱は上海から日本へ留学し「毛沢東の朝鮮戦争」で学習院大学博士号を取得、その後、東洋学園大学教授におさまり、新聞、テレビで言論活動を始めた。

南京大虐殺を肯定し、天安門事件はささいな偶発事件だとのたまい、多くの日本人のひんしゅくを買った言論人まがいだが、中国の宣伝をするスパイとしての技量は誰もが認めた。テレビで何を喋るかをテレビ局のスタジオから在日大使館と連絡をしていた事実も明らかとなっている。

他方で朱建榮教授は高額の講演を頼まれたりして、中国が公開していない機密情報を喋ったり、著作のなかにも機密に属すると思われる新情報を網羅していた。そうすることで日本の信頼を勝ち取ろうとしたのも事実だろう。

その北京の代理人が二重スパイ容疑で、中国国家安全部の取り調べを受けていることが発覚したのは2013年8月である。7月17日に上海入りしていた朱教授は、そのまま「当局「に連行され取り調べを受けていることがわかり、11月11日になって、中国外交部スポークスマンが朱教授が拘束されていることを認めた。半年近くが経過したが、その後、一切の情報がない。

ところが台湾情報によれば、次の噂が飛び交っているという。

第一に朱教授を拘束しているのは国家安全部であることがポイントである。もともと朱は国家安全部から「或る任務を依頼」されており、その活動の範疇を超えた行為があった。

第二に朱が日本で組織した「日本華人教授会議」は日本の外務省が支援して二百万円を供与したという情報がある。これは中国側から見れば明らかな規律違反である。

第三に朱が逸脱した行為の中身だが、じつはスパイ行為ではなく周永康の汚職スキャンダルに直結しているようだという情報である。

周永康は胡錦涛好機執行部の政治局常務委員で法律政治担当だったが、この部署とは国家安全部、司法、検察を一挙に牛耳るポストである。その国家安全部が日本に派遣される華人に命じているのは「産業、技術」スパイであり、政治工作は含まれない。

その周永康は薄煕来事件に連座するかたちで「双規」(幹部の取り調べ)をうけており、自宅に拘束されている(事実上の失脚)。裁判は何時になるか不明だが、もはや影響力はない。

連動して、朱教授の容疑とは、この周永康一派に利用されて「不正蓄財」への協力に励んでいたのではないかという疑惑が拡がっている。とりわけ日本で百億円単位の不動産投機をしていたようであり、拘束されて取り調べを受けている本当の容疑は、スパイではなく汚職関連ではないかという情報が急浮上している。



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