東アジア歴史文化研究会

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長続きは望めない 中国の「我が世の春」(加瀬英明氏のコラム)

2011-08-22 | おもしろいコラム
加瀬英明氏のおもしろいコラムが届きましたので、以下転載いたします。この内容は講演会でも少し話されました。通貨の法則があるのかわかりませんが、現象的にかなり当たっているのでおもしろいと思います。気楽にご一読ください。
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長続きは望めない 中国の「我が世の春」

Photo_14_kase_hideaki_01_26月に、ワシントンに戻った。ワシントンに通うようになってから、30年以上になるが、今でも年に2回は往復している。

いつも、親しい政権、議会、研究所の関係者が集まって、酒を酌みながら、私の話を聞いてくれる。
 
6月には、そのなかの1人から「これまで『加瀬の法則(カセズ・ロー)』が当たったことが多いが、わがアメリカの将来は、どうなるのだろうか?」と、たずねられた。

2002年に、ヨーロッパで単一通貨としてユーロが導入された時に、世界の多くの専門家が、基軸通貨としてアメリカ・ドルを、やがて凌駕することになると、囃し立てた。

私は「ユーロは、かならず失敗する」といった。ギリシアの通貨はドラクマDrachma、スペインがペソPeso、ポルトガルがエスクードEscudo、イタリアがリラLiraだが、通貨が母音で終わる国は、みな国民が極楽蜻蛉(とんぼ)型で、放漫財政を行っているから、ユーロは破綻することになろうと、予測した。第一、ユーロEuroが母音で終わっている。

私はそれに対してアメリカ・ドルdollar、イギリス・ポンドPound、ドイツ・マルクMark、フランス・フランFranc、わが円Yenは子音で終わっているから、不安がないと保障した。

私の予測は、当たった。ギリシアが破産して、スペイン、ポルトガル、イタリアも危いとみられている。ユーロに加わっていないが、アイスランドもクローナKrona、ロシアもルーブルRubleだから、おかしくなった。

友人たちが次に「加瀬の法則」と呼んでいるのが、中国の将来だ。私は2008年に北京オリンピックが催された前に、「全体主義国が夏期オリンピック大会を主催すると、9年後にかならず崩壊する」と、予言した。

ヒトラーのナチス・ドイツが1936年にベルリン大会を催したが、9年後の1945年に消滅した。ブレジネフ書記長のソ連が1980年にモスクワ大会を行ったが、9年後の1989年に「ベルリンの壁」が倒壊した。

したがって、中華人民共和国は2017年に崩壊しようと、予見した。それに、人民元はRenminbiだが、母音で終わっている。

アメリカについて財政赤字が膨張して、ドルが立ち行かなくなる危機感が、このところたかまっている。

中国の興隆が目覚ましく、すでに工業生産と貿易額で、アメリカを上回っている。中国の外貨保有高は3兆ドルにのぼって、その勢いを駆って、世界中に投資している。

アメリカは財政赤字の重荷に加えて、イラク、アフガニスタンで蟻地獄にはまっている。中国、インド、ブラジルなどの新興国が勢いづくかたわら、青息吐息だ。そこで日本でも、“アメリカの時代”が終わりつつあると、説く者が少くない。

IMF(国際通貨基金)は、中国が2020年前にアメリカをGDP(国内総生産)で上回ろうと、予測している。私は中国がこれまでのように順風満帆で進んでゆけると、思えない。途方もなく大きな国内矛盾を抱えており、行き詰まる可能性がきわめて高い。

だが、アメリカが2050年前に世界の首座からずり落ちることは、想像できない。中国が深刻な高齢化社会を迎えようとしているかたわら、アメリカは出生率からいっても、質のよい移民の流入によっても、若い社会であり続ける。

アメリカは考えうる将来にわたって、世界の頭脳を引きつける磁力を保ち続けよう。アメリカの研究所や、企業が、ハイテクのリーダーとしての地位を占めてゆこう。これからも、MIT、ハーバード、エール大学をはじめとする多くの大学が、世界の優れた研究者を吸い込んでゆくことに、変わりがない。

私はテクノロジーを創りだす力において、アメリカが先頭を走るかぎり、アメリカについて心配することはないと、答えた。




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