東アジア歴史文化研究会

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情報機関の調査機能の一掃を目論む韓国(櫻井よしこ)

2017-06-19 | 韓国の歴史・韓国情勢

「情報機関の調査機能の一掃を目論む韓国の現状を日本は注視すべき」

46年前の1971年に、東京・渋谷で沖縄返還協定反対デモがあり、警備に当たった新潟県警の中村恒雄警部補、当時21歳が殺害された。「渋谷暴動事件」である。その犯人と思われる大坂正明容疑者が6月7日、逮捕された。実に46年間も逃げ続けていたのだ。

人々が忘れ去っても、ずっと事件を追い続けた公安と警察の働きがあって初めて、大坂容疑者の逮捕となった。国や社会の安全は、このような地道な息の長い努力によって守られていることを改めて認識する。

いま、欧州、中東、南アジアなどではテロが続発し、国内治安を守るのは容易でない。国内の不穏な動きを厳しく監視できなければ、安全な国民生活は守りきれないといってよい。

とりわけ南北に分断されている朝鮮半島では、韓国は北朝鮮の対南工作に晒されてきた。他のどの国と較べても、国内治安維持のための監視体制が必要な国だ。ところが、文在寅氏が大統領に就任して日も浅い6月1日、早くも非常に憂うべき決定が下された。

国家情報院(国情院)を「改変」するというのだ。第一報を、私は6月5日付の「産経新聞」櫻井紀雄記者による、ソウル発の記事によって知った。国情院は北朝鮮の独裁政権から韓国を守るために、あらゆる謀略工作に目を光らせる機関である。

国家保安法を執行する、日本でいえば公安調査庁と警察を合わせたような組織だ。その国情院院長に就任した徐薫氏が、これまで、国情院のみならず各種の機関で情報収集に当たってきた国内情報担当官(IO)制度の廃止を指示したという。もし、実行されれば、日本でいえば公安調査庁、警察を筆頭とする全情報機関の調査機能が一掃される事態が生ずる。

「統一日報」論説主幹のホン・ヒョン氏が語る。

「もし、そのようなことを実行したら、スパイ捜査もできなくなります。全ての公安関係の組織活動が根底から切り崩されます。果たしてそんなことができるのか、疑問です」

実は、金大中、盧武鉉、金泳三各氏ら歴代の左翼系大統領は皆同じ提案をした。しかし、流石に国家の基盤である情報組織を解体することはできなかった。今回も同じ展開になるのではないかと、洪氏は見る。

一方で懸念すべきは、これまで北朝鮮の工作員など韓国に害をなすと思われる勢力に向けられていた情報機関の活動が、逆に国民の方に、とりわけ、保守勢力に向けられてくるのではないかということだ。洪氏の解説である。

「日本からでは韓国の実態はわかりにくいかもしれません。朴槿恵前大統領があっという間に弾劾、逮捕され、収監された背景を頭に入れておく必要があります。民労総(全国民主労働組合総連盟)や全教組(全国教職員労働組合)などの勢力が反朴運動を支えましたが、これらは日本の自治労や日教組をもっとずっと激しい極左にしたような組織です。彼らの支持の上に現在の文政権があるのです」

彼らは文氏も含めて、北朝鮮の破綻が明らかな現在も、金日成氏の主体 思想を信奉する人々である。

文氏は盧政権下の秘書室長(官房長官)だった。盧大統領は事実上、国情院によって、北朝鮮に従う余り韓国を裏切ることになった行動を暴露されている。今回の措置は、文氏が盧氏の失敗に学んで、まず、韓国内の情報機関の潰滅を狙った可能性も考えられる。隣国の状況の深刻さが窺える。

こんなときこそ、日本国内の状況への目配りが重要だ。沖縄での反米軍基地運動をはじめ、慰安婦問題で政府を追及する会合などが、日本各地で驚くような頻度で開催されている。少なからぬ朝鮮半島の人々や中国人が参加している。外国籍の運動家の、日本における政治活動の実態の危険度に注視し、日本は韓国の現状から学びとるべきではないか。

『週刊ダイヤモンド』2017年6月17日号
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