長良川を泳ぐ鮎を見ました。
それで、物部川の鮎釣りを思い出しました。
よさこい祭りを見に、高知まで足を伸ばした去年の夏、高知大学農学部の近くを流れる物部川で、同大学を退官された鮎釣り名人の先生に教えを乞う、機会に巡りあいました。
先生は、余分なぜい肉がひとつもない枯れた薄い身体でありながら、手や足には青年らしい引き締まった筋肉の盛り上がりが、垣間見える稀なご老功でした。
好々爺といった穏やかな面持ちは、どこか枯山水のように宇宙的な広がりを含んでいて、四国の山々に分け入られ、自然相手に長年研究してきた御仁の一本抜けた泰然かと、物珍しく目を見張りました。
鮎は友釣りするそうで、河原の石で囲ったいけすには、既に元気のいいのが一匹旋回しており、生きた鮎すら初めて見る私は、息をあげて興奮していましたが、先生はゆったりと鮎をつかんで、竿にかけ、川の中程に投げ入れられました。
その間にも、口の中で呟くような小さい声で、説明をなさっていたのですが、うまく聞き取れず、結局、先生が舵を取られる竿をただ握っているだけ、という間抜けな鮎釣りになってしまいました。
しかし、清流というのは、その流れをぼうと眺めているだけで、美しさに胸が和らぎます。
ちょろちょろと絶え間ない水音も心地よく、静かな眠りを誘うようです。
本州より雄大な稜線の重なりに暮れかかる空の青が滲み、先生の泰然とされた面持ちが重なります。
鮎は名人の力で次々に釣り上げられ、まるで自分の手柄のように大喜びで、流れに浸し、鮎を生かしておけるようになっている、現代風の魚籠に一匹、二匹と入れていきます。
八匹目を釣り上げた頃、当たりが途切れ、お礼を言って、大漁大漁と大手を振って帰りました。
まだ、息のある鮎を塩でもみ、グリルに入れて焼きます。
焼きたての鮎は本当にすいかの匂いがして、聞いた通りだと感心しながら、薄い味の柔らかな白身を頬張りました。
今年は降り続いた雨の影響で、川が濁り、鮎の方もいまいちだったみたいです。
来年はどうかな? などと思ったら、鬼が笑いますね。

それで、物部川の鮎釣りを思い出しました。
よさこい祭りを見に、高知まで足を伸ばした去年の夏、高知大学農学部の近くを流れる物部川で、同大学を退官された鮎釣り名人の先生に教えを乞う、機会に巡りあいました。
先生は、余分なぜい肉がひとつもない枯れた薄い身体でありながら、手や足には青年らしい引き締まった筋肉の盛り上がりが、垣間見える稀なご老功でした。
好々爺といった穏やかな面持ちは、どこか枯山水のように宇宙的な広がりを含んでいて、四国の山々に分け入られ、自然相手に長年研究してきた御仁の一本抜けた泰然かと、物珍しく目を見張りました。
鮎は友釣りするそうで、河原の石で囲ったいけすには、既に元気のいいのが一匹旋回しており、生きた鮎すら初めて見る私は、息をあげて興奮していましたが、先生はゆったりと鮎をつかんで、竿にかけ、川の中程に投げ入れられました。
その間にも、口の中で呟くような小さい声で、説明をなさっていたのですが、うまく聞き取れず、結局、先生が舵を取られる竿をただ握っているだけ、という間抜けな鮎釣りになってしまいました。
しかし、清流というのは、その流れをぼうと眺めているだけで、美しさに胸が和らぎます。
ちょろちょろと絶え間ない水音も心地よく、静かな眠りを誘うようです。
本州より雄大な稜線の重なりに暮れかかる空の青が滲み、先生の泰然とされた面持ちが重なります。
鮎は名人の力で次々に釣り上げられ、まるで自分の手柄のように大喜びで、流れに浸し、鮎を生かしておけるようになっている、現代風の魚籠に一匹、二匹と入れていきます。
八匹目を釣り上げた頃、当たりが途切れ、お礼を言って、大漁大漁と大手を振って帰りました。
まだ、息のある鮎を塩でもみ、グリルに入れて焼きます。
焼きたての鮎は本当にすいかの匂いがして、聞いた通りだと感心しながら、薄い味の柔らかな白身を頬張りました。
今年は降り続いた雨の影響で、川が濁り、鮎の方もいまいちだったみたいです。
来年はどうかな? などと思ったら、鬼が笑いますね。

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