kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

映画『アンチクライスト』を観て

2011-02-27 18:40:18 | ヨーロッパ映画

11-17.アンチクライスト
■原題:Anchchrist
■製作年・国:2009年、デンマーク・ドイツ・スウェーデン・イタリア・ポーランド
■上映時間:104分
■字幕:齋藤敦子
■鑑賞日:2月26日、シアターN渋谷(渋谷)
■料金:1,800円
 
スタッフ・キャスト(役名)
□監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
□製作:ミタ・ルイーズ・フォルデイガー
□編集:アンソニー・ドッド・マルトル
□撮影:アナス・レフン、アサ・モスベルグ
◆ウィレム・デフォー(彼)
◆シャルロット・ゲンズブール(彼女)
◆ストルム・アヘシェ・サルストロム(ニック)

【この映画について】
『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で、それぞれカンヌ国際映画祭のグランプリとパルムドールを制したラース・フォン・トリアー監督。本作はキャリア初期の『キングダム』などにも通じる、アンダーグラウンドなホラー趣味全開の異色作だ。
幼い息子を亡くした夫婦が心の傷を癒す映画かと思っていると、不意打ちを食らうだろう。映画に流れる低音のノイズといい、その不可解さのテイストはデビッド・リンチ作品に通じる。常軌を逸した妻(シャルロット・ゲンズブール熱演)の激しいセックスシーンと、血まみれのバイオレンスとオカルトが一体となり、見ていて“痛い”描写は、私たちの神経を逆なでするだろう。好き嫌いは分かれるが、強烈なインパクトを残す作品だ。
出演は、本作で第62回カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した「アイム・ノット・ゼア」のシャルロット・ゲンズブール、「デイブレイカー」のウィレム・デフォーなど。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
愛し合っている最中に、息子がマンションの窓から転落し亡くなってしまった夫婦。妻は葬儀の最中に気を失ってから、一ヶ月近い入院を余儀なくされる。
深い悲しみと自責の念から次第に神経を病んでいく妻。セラピストの夫は自ら妻を治療しようと、病院を強引に退院させ自宅に連れて帰る。催眠療法から、妻の恐怖は彼らが「エデン」と呼ぶ森の中の山小屋からきていると判断した夫は、救いを求めて楽園であるはずのエデンにふたりで向かう。
夫は心理療法によって妻の恐怖を取り除こうと努力するが、エデンの周りの自然の現象は彼らに恐怖を与え、それも影響してか妻の精神状態は更に悪化していく。現代のアダムとイブが、愛憎渦巻く葛藤の果てにたどりついた驚愕の結末とは……。

ラース・フォン・トリアー監督作品は「ドッグヴィル」以来2作目の観賞だったが、元々今回の作品は観る予定は無かった。予告編をみた時から難解な作品なのは明らかだと思えたのと、観た日はタマタマ別の場所で別の作品を観る予定だったが、私のうっかりミスで時間を間違えてしまい、時間的に間に合うのがこの作品だったので、急遽移動して観たという訳です。

そんなこんなで、映像に拘るトリアー監督の世界が冒頭から繰り広げられる。雨の日に自宅アパートで幼い我子の存在を忘れて夫婦で愛し合う二人。そんな時に、息子は自宅アパートの窓から転落死してしまう。
それが全ての始まりなのだが、妻の憔悴は激しく精神的に追い詰められていく。この難しい役をシャルロット・ゲンズブールが従来の自分のイメージの殻を破らんばかりに熱演している。
相手役のウィレム・デフォーと激しく愛し合うシーンなど、今までの彼女なら無かったシーンでしょう。カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したそうですが、彼女のキャリアでも異色の作品である。

作品のジャンル的にはトリアー監督作品は分類が難しく、特にこの作品は宗教的な要素をふんだんに取り入れており、日本人にはその背景等が理解されていないとこの作品もチンプンカンプンな場面が多々ある。
精神を病んだ妻が夫が寝入っている隙に、足にドリルで穴を開け、石臼の様なものでねじ止めしてしまうというシーンは、観ている方にまで痛さが伝わって来る。また、ラスト近くで映し出される、妻が自らのものを切り取るシーンなどは目を背けてしまう。これらのシーンは、残念ながら?ぼかし処理がされているのだが、ある意味、ぼかし処理がなければもっと不快に感じる客もいるはずだが、その賛否については私は論じません。

愛し合う行為の最中に幼子を失い自らの精神を病みながらも夫との行為を止められない妻を演じたシャルロット・ゲンズブール、同じ行為の最中に息子を失った点では同罪?でありながらも妻を催眠療法で治療する方法を選んだ夫役のウィレム・デフォー。
映画では殆どがこの二人だけのシーンで成り立っているのだが、ウィレム・デフォーの抑えた演技よりは、どうしても感情の起伏を、しかも突如として発狂したかのような表情を見せるシャルロット・ゲンズブールの新境地と言える作品だった。

途中で睡魔に襲われてしまったのは不覚だったが、もう一度観る機会があったら、その時はどういう印象を自分が持つだろうか?とふと考えた。

 

『映画』 ジャンルのランキング
コメント   トラックバック (12)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 映画『ナルニア物語、第3章... | トップ | アカデミー賞、「英国王のス... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ヨーロッパ映画」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

12 トラックバック

アンチクライスト (佐藤秀の徒然幻視録)
公式サイト。原題:ANTICHRIST。ラース・フォン・トリアー監督、シャルロット・ゲンズブール、ウィレム・デフォー。欧州諸国合作のサイコホラー。セックスのオルガスムスは「小さな死 ...
アンチクライスト (映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評)
公式サイトほぼ二人芝居のこの物語は、自ら“うつを患った”と公言するラース・フォン・トリアー監督が、物議を醸すことを目的にしたかのような問題作だ。子供を失った夫婦が“地 ...
アンチクライスト/シャルロット・ゲンズブール (カノンな日々)
私の好きなラース・フォン・トリアー監督が私の好きなシャルロット・ゲンズブールを主演に描いたエロティック・サイコ・スリラー作品です。とはいえラース・フォン・トリアー監督 ...
「アンチクライスト」 (ヨーロッパ映画を観よう!)
「Antichrist」 2009 デンマーク/ドイツ/フランス/スエーデン/イタリア/ポーランド 彼女に「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「恋愛睡眠のすすめ/2005」「アイム・ノット・ゼア/2007」「アニエスの浜辺/20...
「アンチクライスト」 (或る日の出来事)
ラース・フォン・トリアー監督は素直すぎる。表現が行き過ぎたとしても、自分の思うところを映画に留めずにはいられないのだろう。
ANTICHRIS♀ (L'ATALANTE)
デンマークの映画監督カール Th.ドライヤーの作品では、それがメタファーであれ、魔女的な女性の存在に大きなスポットが当たります。中でもそれが最も直接的に描かれている『怒りの日』(Vredens Dag 1943)を久しぶりにビデオで観直しました。 映画の中で神に仕える男...
アンチクライスト(2009)▲▽ANTICHRIST (銅版画制作の日々)
 ようやく京都にやって来た! 京都シネマにて鑑賞。何と1日1回のみの上映。 過激な描写があるということで、心して観ないといけないのではと臨んだのですが・・・・。意外にもそんなことははまったく感じさせず。 暴力的シーンがあるものの、映像美の美しさでそんな...
アンチクライスト (いやいやえん)
監督さんはうつ病の自己治療的な意味もこめてこの作品を製作したらしい…。もっと鬱にならないか?これ… 美しいモノローグの中、激しい性行為の最中子供が転落死した夫婦。妻は精神的に追い込まれており、セラピス
アンチクライスト (パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ)
息子を事故で失った夫婦の悲しみと苦悩を、「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー監督が美しく、かつ残酷に描いたエロティック・サイコスリラー。出演は、本作で第62回カンヌ国 ...
アンチクライスト (銀幕大帝α)
ANTICHRIST/09年/デンマーク・独・仏・スウェーデン・伊・ポーランド/104分/サスペンス・ドラマ/R18+/劇場公開 監督:ラース・フォン・トリアー 脚本:ラース・フォン・トリアー 出演:シャルロット・ゲンズブール、ウィレム・デフォー <ストーリー> 子供....
トラウマづくりの名人芸 『アンチクライスト』 (映画部族 a tribe called movie)
監督:ラース・フォン・トリアー出演:シャルロット・ゲンズブール、ウィリアム・デフォーデンマーク他映画 2009年 ・・・・・・ 6点
映画評「アンチクライスト」 (プロフェッサー・オカピーの部屋[別館])
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2009年デンマーク=ドイツ=フランス映画 監督ラース・フォン・トリアー ネタバレあり