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映画『終の信託』を観て

2012-11-18 18:59:22 | 映画・邦画

12-90.終りの信託
■配給:東宝
■製作年・国:2012年、日本
■上映時間:144分
■観賞日:11月18日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
■料金:0円

 

□監督・脚本:周防正行
◆草刈民代(折井綾乃)
◆役所広司(江木泰三)
◆浅野忠信(高井則之)
◆大沢たかお(塚原透)
◆細田よしひこ(杉田正一)
◆中村久美(江木陽子)
◆古河耕史(江木馨)
◆大村彩子(江木雪子)
◆畠山明子(落合美子)
◆矢柴俊博(柴山幹雄)
◆黒田大輔(桑田明)
◆徳井優(検察庁受付の男)
【この映画について】
朔立木の「命の終わりを決める時」に収録された同名小説をもとに、愛する事、そして命の尊厳を描いた周防正行監督の最新作。今日的な医療問題に触れながら良質な大人のラブストーリーが展開、周防監督の冴えわたる演出で、2時間20分の長尺を一気に見せる。
『Shall we ダンス?』で、社交ダンスの先生と生徒役を演じていた草刈民代と役所広司が16年ぶりの共演している事も話題。主演の二人に加え、浅野忠信、大沢たかおら日本映画界の豪華俳優陣が集結した。愛とは何か?命の重さとは?そんな問いをはるかに超越するような息詰まる展開と、やがて訪れる衝撃の結末に胸を熱くする事だろう。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
折井綾乃は、患者からの評判も良い呼吸器内科のエリート医師。しかし、長く不倫関係にあった同僚の医師・高井から別れを告げられ、失意のあまり自殺未遂騒動を引き起こしてしまう。

そんな彼女の心の傷を癒したのは、重度の喘息で入退院を繰り返していた患者、江木秦三の優しさだった。互いの心の内を語り合い、医師と患者の関係を越えた深い絆で結ばれてゆく綾乃と江木。やがて、病状の悪化によって自分の死期が迫っていることを自覚した江木は綾乃に懇願する。“信頼できるのは先生だけだ。最期のときは早く楽にしてほしい”と……。

2か月後、江木が心肺停止状態に陥り、綾乃は決断を迫られる。約束通り治療を中止するのか、命ある限り延命の努力を続けるのか……。“愛”と“医療”の狭間に揺れる綾乃は、ついに重大な決断を下す。3年後、その決断が刑事事件に発展。綾乃を殺人罪で厳しく追及する検察官の塚原。綾乃も強い意志を持って塚原に向き合うが……。

この映画、前半は女医折井の病院内での立場とか地位とかが描かれている。中でも、同僚の高井とは長く不倫関係が続き、降井は高井からのプロポーズを常に待っているのだが、そこは男の高井。「結婚する、なんて言ったっけ?」と冷たい一言を投げ掛けられ、高井が海外出張に行く時は、顔を隠して成田空港まで見送りに行くが、そこで若い女性と腕を組む彼をみて高井の本性を知って愕然とする。この辺りが伏線となって、病院内の宿直室で自殺未遂騒動を引き起こすのだが、医師としてその程度の精神力しか持ち合わせていなくて良いのだろうか?って思ってしまったのですが...。
その次は、癌患者江木との心の交流が描かれ始める。江木は既に自らの肉体の限界を悟っており、毎日、医療日誌を事細かく書き記しているのだが、ここがラストでの伏線となっている。折井と江木の医師と患者の枠を越えた付き合いを通じて、江木は安楽死を願うようになる。
その一方で、一家の主が長年癌治療で通院している事に関して、江木家の苦悩とかは余り描かれない。江木が危篤状態に陥った際も、家族への告知より、折井が江木との間で交わしていた約束を優先させてしまう。

この折井と江木の約束は家族には伏せられていて、結局、3年後に訴えられる原因となる。そこから先は検察官塚原の事務所における折井との攻防が延々と続く。大沢たかお演じる塚原の冷徹な追及に対して涙ながらに情に訴えようと懸命な折井。安楽死させたことは「殺人」であると強い口調で断言する検察官と、江木との約束を守ったと主張する二人の議論は噛み合わない。
だが、この映画での一番に見どころは、長いセリフが飛び交うこの場面なのである。検察官の事務所は薄暗く色気も無く、塚原の追及は手厳しい。
結局、家族からの訴えは、江木が生前に書いていた医療日誌の中に、延命治療を望まないとの一文が見つかったことで「執行猶予」付きの判決が出た。

重いテーマが支配していた映画だが、安楽死で医師へ「殺人罪」を問う事が出来るか否かは難しいであろう。欧米では宗教観が入りこんでくるので日本とは事情が異なるだろうが、日本でも安楽死は殺人か否かを判断するのは司法でも正直難しい。
この映画でのケースでは、何故3年後に遺族から訴えられたかは分からないが、少なくとも江木から延命治療を断られていたのなら、生前に家族に説明するべきだったでしょう。家族とすれば「聞いてないよ、そんな事」と言いたくなるでしょうね。

俳優陣では周防監督作品なので、妻である草刈民代を起用するのは当然でしょう。中身としては浅野忠信とのラブシーンは必要だったか疑問(あの程度ではサービス・ショットとは言えないね!)でした。折角、ハリウッド映画でも主役級を演じた浅野忠信を起用したのに、登場シーンが少なかったのは残念。
主役の草刈民代に関しては、こういう役柄なので評価が難しいが、周防監督に守られた感じの演出だったかな?役所広司はその点、ぜんそく患者の発作を信憑性満点の演技で魅せていたのは流石でした。体調が変る度に異なる演技を要求されるので大変だったでしょうが、やはりキャリアの豊富さは他の俳優の追随を許さない凄さを感じました。

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