11-81.フェア・ゲーム
■原題:Fair Game
■製作年・国:2010年、アメリカ
■上映時間:108分
■料金:1,800円
■鑑賞日:11月27日、新宿武蔵野館
□監督・製作・撮影監督:ダグ・リーマン
□脚本:ジェズ・バターワース、ジョン・ヘンリー・バターワース
□撮影監督:アンドリュー・ダン
□美術:ジェス・ゴンコール
□衣装デザイン:シンディ・エヴァンス
◆ナオミ・ワッツ(ヴァレリー・プレイム)
◆ショーン・ペン(ジョー・ウィルソン)
◆サム・シェパード(サム・プレイム)
◆ノア・エメリッヒ(ビル)
◆ブルース・マッギル(ジム・パヴィット)
◆デヴィッド・アンドリュース(スクーター・リビー)
【この映画について】
イラクに大量破壊兵器が存在しないことを公表したために、アメリカ政府の厳しい報復に遭った元CIAの女性エージェントの実話「プレイム事件」を映画化したクライム・サスペンス。『ボーン・アイデンティティー』『Mr.&Mrs.スミス』のダグ・リーマンがメガホンを取り、CIA諜報(ちょうほう)員役のナオミ・ワッツと元大使役のショーン・ペンが夫婦役で共演。
真の正義を貫いた夫婦のきずなと衝撃の真実がリアルに描かれ、スピード感あふれるスリリングなエンターテインメント作品としても楽しめる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカのブッシュ政権はイラク政府が大量破壊兵器を密かに保有し、世界にテロを“輸出”する「悪の枢軸」のひとつだとして、世論を動かしながら攻撃準備を進めていた。
極秘にこの疑惑を調査していたCIAの秘密諜報員ヴァレリー・プレイムは、潜入捜査の末、イラクに核兵器開発計画がないことを突き止める。一方、ヴァレリーの夫で、元ニジェール大使のジョー・ウィルソンも、国務省の依頼でアフリカ・ニジェールへ赴く。イラク政府が核兵器開発に必要な濃縮ウランを密かに買い付けているとの情報の真偽を確認するためだ。そして彼もまた、イラク政府によるウラン購入の事実はないとの結論に達する。
だがブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視、2003年3月20日、イラクへ宣戦布告する。4ヶ月後、ジョーは自身の調査報告を元にイラク戦争の真実をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿、ブッシュ政権を揺るがす大論争を巻き起こす。
核兵器開発計画が最初から存在しないならば、イラク戦争を始めたブッシュ政権の正当性が疑われかねない。ところがその直後、ワシントンの有力ジャーナリストたちに、ヴァレリーがCIAの秘密諜報員だという情報がリークされる。情報漏えいを指示したのは、チェイニー副大統領主席補佐官のルイス・“スクーター”・リビーだった。
身分を暴露され、たちまち世間の好奇の目に晒されるヴァレリー。家族や各国に散らばる協力者にも危険が迫り、彼女のキャリアと私生活は崩壊し始める。匿名で送られてくる脅迫状や無言電話、容赦ない世間の中傷……今まで証券会社勤務だと偽っていた彼女から友人も離れていった。ジョーは、メディアに自身の正義を論じるが、ヴァレリーは沈黙を貫く。公の場で事実を明かすべきだと言い募るジョーと対立し、唯一の安らぎの場所だった家庭さえもが崩れ落ちそうになったとき、彼女はいつも温かく見守ってくれた両親のもとへ向かう。
家族との穏やかな時間を過ごす中、大切なものとは何か気付いたヴァレリーは、自らの名誉と家族を守るため、強大な国家に戦いを挑むのだった……。
実はこの事件について自分は全く記憶が無い。エンドロール突入前に彼らの素性をばらしたのが国務副長官でもあり知日派としても知られ、プロレスラー並の巨体でスキンヘッドの容姿で目立っていたアーミテージ氏だったというのも始めて知った。
それにしてもヴァレリーがCIA工作員だったことが暴露されてからの近所の眼ががらりと替わったのは、アメリカでもこういうことがあるのだな?ってことが分かったと同時に驚いた。プレイム夫妻を演じるナオミ・ワッツとショーン・ペン、この二人の演技力のバランスが絶妙だったことで、どちらかが浮くこともなかった。ショーン・ペンが妻を守ろうと必死に弁護し、TV番組に出演して熱っぽく語る場面は愛情の深さを示していた。
アメリカ式の民主主義は、日本のように与えられたものではなく、米国民が自ら選んだ制度でありその為には自分で戦ってでも民主主義を守るのも務めである。そんなことを改めて感じさせられたと同時に、息子ブッシュ大統領のイラク敵視政策の愚かさも白日の下にさらけ出していたストーリー展開でもあった。










