野田首相は、消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革などに取り組む態勢強化のためとして内閣改造に踏み切った。
民主党の田中党総務委員長(義父は田中角栄元首相)を防衛相、松原副国土交通相を国家公安委員長兼拉致問題・消費者担当相、小川党参院幹事長を法相に起用。3氏は初入閣。「問責経験閣僚」の平野国対委員長は、国対委員長として野党との協議に手腕を発揮出来ず、国会での法案可決率が下がっていたことから同職を外れ、「小沢・鳩山両氏と距離が近いという理由」で文部科学相に決まり、先に内定していた岡田前幹事長の副総理兼一体改革・行政改革担当相への起用と合わせ5人が交代した。
副総理に岡田氏を据えることでライバルの前原政調会長が「ポスト野田」の最有力ではないことを明確にし、衆院選直前に選挙の顔をすげ替える動きが出るのを封じ込める狙いもあったようだ。加えて、消費税増税に「不退転の決意」を示す効果も見込める。
退任するのは参院で度重なる失言、ブータン国王夫妻宮中晩さん会をすっぽかしたり、沖縄での問題等で問責決議が可決されている一川防衛相と、「マルチ商法」との関わりが以前から問題視されていた山岡国家公安委員長に加え、中川文科相、蓮舫行政刷新担当相、在任中に一度も死刑執行に踏み切らなかった平岡法相の計5人。
安住財務相、玄葉外相、枝野経済産業相ら12閣僚は留任した。2月上旬の復興庁設置に合わせて閣僚の1人増員が可能になる際には内閣改造ではなく閣僚補充の形をとる見通し。平野氏の後任の国対委員長には城島幹事長代理の起用が決まった。
この時期に早くも内閣改造に踏み切ったのは2閣僚に対して野党側が参院で問責決議が可決されたことだ。この2閣僚の補充人事と同時に、増税路線を突き進む為に党代表経験者でもある岡田前幹事長の副総理起用が今回の改造の趣旨だった。
その他の一部閣僚の交代はあくまでも、この2件で発生する交代劇に過ぎないが田中真紀子氏の夫の防衛相起用や平野氏の文科相起用は問責された2閣僚同様に、小沢・鳩山氏と距離が近いという理由だけで起用されたとの見方が出ている。
この布陣で通常国会を何とか乗り切り、会期末とされる6月には増税解散も噂されている。野田首相の進退が窮まれば岡田副総理が後継首相候補として総選挙に臨む腹積もりだ。一方、問責決議可決で内閣改造に追い込んだ野党側だが、これから先の戦略はあるのか?自・公共に与党との対決姿勢を明確にしているが、どちらも決定打を放てるだけの材料は無さそう。
与党の増税・社会保障の一体改革に対して野党がどういう対案を出せるかに国民の関心は向かっている。震災復興も大事だが、公務員給与削減や議員定数削減などへの取り組みが不充分だと内閣支持率が会期末まで持つか...。国民もしっかりと野田内閣の政策を注視しなければならない。










