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映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』を観て

2014-01-04 16:00:12 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

14-2.オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
■原題:Only Lovers Left Alive
■製作年、国:2013年、アメリカ・イギリス・ドイツ
■上映時間:123分
■料金:0円(1カ月FP9本目)
■観賞日:1月3日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 

□監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
◆ティルダ・スウィントン
◆トム・ヒドルストン
◆ミア・ワシコウスカ
◆ジョン・ハート
◆アントン・イェルチン
◆ジェフリー・ライト
◆スリマーヌ・ダジ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ジム・ジャームッシュの『リミッツ・オブ・コントロール』以来3年ぶりの長編作。ミシガン州デトロイト。寂れたアパートでひっそり暮らすアダムは、何世紀も生き続ける吸血鬼。今ではその正体を隠し、アンダーグラウンド・シーンでカリスマ的な人気を誇る伝説のロック・ミュージシャンとして活動していた。起きて行動するのは夜間だけ。必要な物の多くはイアンという男に調達を依頼。時折、素顔を隠して医師ワトソンの病院を訪れ、密かに血液を入手していた。そんな彼の元にある夜、モロッコのタンジールに滞在していた吸血鬼の恋人イヴがやってくる。久々に再会した2人は、アダムのアパートで愛を交わし、音楽や人間たち(彼は人間の事をゾンビ、と呼ぶ)の犯した歴史上の蛮行について語り合う。

少し眠った後、車に乗って夜の散歩へ。パッカード工場跡の廃墟、ジャック・ホワイトの生家、元ミシガン劇場の跡地……。かつて自動車産業で栄えた都市も、今では貧困率の上昇と人口減少によって荒廃が進んでいた。やがて会話の中に、シェークスピアの正体とも噂され歴史上では16世紀末に死んだとされる異端の作家クリストファー・マーロウの名前が上る。その男は今、“キット”という名でタンジールに身を潜めていた。

そんなある日、ロサンゼルスからイヴの妹エヴァが2人を訪ねてくる。87年前にパリで起きた“ある一件”が原因で、アダムはエヴァに怒りを抱いていたが、彼女はそのまま居座ってしまう。それから間もなく、エヴァがアダムが唯一繋がりを持つ人間、イアンの血を吸う事件が起き二人の怒りを買う。妹を庇っていたイヴも“なんてことを!今は21世紀なのよ”と激昂し、彼女を追い出し、エヴァは捨て台詞を吐いて出て行く、次に会うのは何年後だろうか?

イアンの死体を廃工場にてひっそりと始末したアダムとイヴはモロッコのタンジールへ向かい、血液を求めて“カフェ千夜一夜”を訪れる。
余談だがヴァンパイアの二人にもちゃんと旅券はあるのだが名前はその都度違い生年月日はどうなっているのか明かされなかった。飛行機予約の際には、訳があって夜行便をオペレーターにしつこく迫る。二人に取って経由地は問題では無いからだ。
タンジールについた二人が目にしたのは、汚染された血を知らずに飲んでしまったマーロウがまさに死の床にあり、最後の血を舐めて絶命した。血液を手に入れる術を失い、衰弱してゆくアダムとイヴ。もはやこの世では、高潔な吸血鬼たちは滅びるしかないのか……?夜が明けようとしていたその時、彼らの前に愛を交わすアヴェックの姿が目に入る。その時、二人がアイコンタクトで...。「エクスキュゼ・モア?」ってイヴが声をかけたとき、その正体が始めて大写しになってエンド・ロールへと繋がるのだった。この終わり方良かったな〜。
これでこの映画の原題「愛する二人だけが生き残った」となるのだった。不老不死を誇ったマーロウも死んだし。

ヴァンパイア映画では昨年「ビザンチウム」を観たが、そちらはジェマ・アータートンが娘と血を求めて彷徨う物語だったのに対し、こちらのヴァンパイアは夜の病院へアダムが出向いて医師から清潔な血をもらいにいくなど21世紀のヴァンパイア像が現れていた。イヴの妹がイアンの血を吸ってしまい激怒したのもそのせいで、何と直ちに追い出してしまう。いままでにこんなヴァンパイアが存在しただろうか?

ジム・ジャームッシュは全てのシーンが夜(吸血鬼は日光を浴びれない)に展開されるストーリーの中でも、単調にならないように異端児の様なエヴァを登場させたりしている。また、映像と音楽の融合を独自の視点で追及しているジャームッシュらしく、アダムは伝説のミュージシャンとして描かれている。音楽の創作活動も全て自宅を改造したスタジオで行い、作った曲は匿名で提供し、過去にはシューベルトへも同様に提供したと静かに語っている。
音楽に関して言えば二人が夜行便を乗り継いでやってきたタンジールのカフェでレバノン人女性歌手ヤスミンが歌うシーン、あの曲はシーンに完全に溶け込んでいて最高のシーンだった。

ティルダ・スウィントン、トム・ヒドルストンの「アダムとイヴ」、ミア・ワシコウスカのエヴァ、登場場面は僅かだがジョン・ハートの存在感も見事だった。また、ジャームッシュの映像と所々に散りばめられた、クスッとさせられる会話、数百年に渡って生き続けるヴァンパイアの過去を振り返る会話に脚本の面白さが見え隠れしていた。吸血鬼映画では無く、ラヴ・ストーリーとして記憶したい映画だ。

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4 コメント

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Unknown (かのん)
2014-01-12 16:50:40
カリスマなロックミュージシャンならもっと自由奔放な生き方でも良さそうなのですがアダムはとても理性的で神経質だったりして、エヴァのほうが自由を謳歌していてロックぽいのが何だか可笑しかったですが、それもある意味現代的な解釈なのかもしれませんね。
Unknown (kintyre)
2014-01-13 09:11:56
>かのんさん
おはようございます。ご指摘通りでエヴァの方がYou
Tubeに精通していたりして、勝手にドラムスを叩いた
りとそれっぽいですね。アダム自身は現在ではロック
ミュージシャンですが、正体がばれるのを警戒している
ような生き方ですね。
こんにちは♪ (yukarin)
2014-01-16 12:53:51
ヴァンパイア映画は大好きなのでよく観ますが、ちょっと今までとは違った雰囲気の作品でしたね。
今時のヴァンパイアはいろいろ大変なんだなと(笑)
血液アイスはインパクトがありましたよね。
ちょっと食べてみたいなーなんて思いました〜
Unknown (kintyre)
2014-01-19 17:36:06
>yukarinさん
ヴァンパイア映画、私の好きなジャンルの一つですが
そこはジャームッシュ監督、彼の個性が発揮されてい
て良かったですね。血液アイス、あれはジャームッシュ
監督でなければ出てこない映像でしょうね。

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