生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

高原の金百十両

2007-12-25 | 季節は今





 12月22日は二十四節気では冬至、その初候「乃東生」(だいとうしょうず)の時節で、昼間の最も短い一日です。また乃東は夏枯草(かこそう)の古名で、今の時期に芽を出し夏に終える草花(ウツボグサ)を云います。6月の「乃東枯」とは対となってます。

 冬至には冬至南瓜、冬至粥そして柚子風呂と古来よりの習わしがあります。厳寒の時節を乗り切る力を授かろうとする、先人の知恵と願いでもありました。

 22日の天気予報は「曇りから雨」急遽21日の冬至前日の日の出の画像となりました。「夏至」では画面の左端が日の出の位置となります。

 生石ヶ峰山頂の日の出はAm7:10過ぎ、最も右方向から出ます。また100m登る毎に0.6度気温が降るといいますから、山頂では約5度平地より低いこととなりこの日は氷点下でしょうか、足元が霜で白くなってました。



  
 生石(しょうせき)神社の森も落葉樹は全て葉を落とし、2週間前まで色彩の残っていた落ち葉もすっかり色あせ、次につなぐ栄養剤の腐葉土と変わりつつあるようです。


  
   「サルトリイバラ」(猿捕茨) ユリ科、つる性落葉低木。 別称 サンキライ、他。

 ベージュ色のシンプルな冬風景の中にあって、一際目立つのが今日の木の実たちです。

 この名称はサルをもひっかけることからの意で、ノイバラ同様茂みの厄介者ですが、関西では青い葉は「かしわ餅」でお馴染みです。また「山帰来」とも呼ばれますが、本来は中国にあるよく似た同種の名称だそうです。


  
   「ヤブコウジ」(籔柑子) ヤブコウジ科、常緑小低木 別称 十両、ヤマタチバナ。

 地下茎で増え、条件が合えば群生します。背丈は落ち葉に隠れるほど低く今時期は赤い実をたよりに見つけることが容易です。落語の「ジュゲムジュゲム」にも登場します?


  
   「キミタチバナ」(黄実橘) ヤブコウジ科、常緑低木。 別称 百両、橘万両。

 カラタチバナがまれに黄色い実を着けたものをキミタチバナと呼びます。生石神社の森に一株だけ自生します。
 
 ヤブコウジが十両、カラタチバナが百両の別名があり、生石高原には〆て金百十両也があります。ちなみに一両は「アリドオシ」(アカネ科)で、生石高原にはありません。


  
   「ツルシキミ」(蔓樒) ミカン科、常緑低木、雌雄別株。 別称 ツルミヤマシキミ。
 
 ミヤマシキミの変種といわれ、茎の基部が地上を這うように増えることからの名です。神社の森に群生しますが、アルカロイド(ジクタミン)を含み有毒です。冬の殺風景な中にあって鮮やかで真っ赤な実はとても目立ちます。


  
   「フユイチゴ」(冬苺) バラ科、つる性常緑小低木。 別称 カンイチゴ。

 棘はありませんが強い毛があり、触るとチクチクします。少しすっぱく甘味も少し感じる程度ですが、集めてジャムを造ります。

 熱いコーヒーと薪ストーブで暖まる「山の家おいし」の年末年始の営業予定です。 
 
  12月26日(水)~31日(月)・・・・・・・休館・清掃(26日)
  12月31日(月)22:00~元旦(火)8:00・・・特別営業
  1月4日まで休館・1月5日より通常オープン。


 良いお年を・・・

 8月の開設以来、多くの方々のご訪問を頂きほんとうにありがとうございました。皆さまへのお礼と共に、幸多きお年となりますよう心より祈念致します。そして来年もご指導を下さいますよう宜しくお願い申し上げます。