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「富士日記」 35 (旧)八月四日(つづき)

(散歩道の萩の花)

寂しい花数であるが、散歩道に萩の花を見つけた。雑草と一緒に刈られてしまうので、木が大きくなれず、いつまでも幼樹である。

午後、「古文書に親しむ(経験者)」に出かける。前回に続いて、二宮尊徳の講義録である。明日より、ここで紹介してみたい。

九州の南西に台風18号がゆっくり近付いていて、明日は当地も影響を受けそうである。

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「富士日記」の解読を続ける。

あるじ、

   (うま)の 訪い来まさずば いたずらに
        庭の真萩は 散り行かまじを

※ 巧人(うまひと)- 技術・技量などがすぐれている人。

と言えりければ、

   我はもよ 友垣得たり 唐衣
        きならの宮の 友垣得たり

※ 友垣(ともがき)- 友だち。友。
※ 唐衣(からころも)-「着る」「裁つ」「裾」「袖」「紐」など、衣服に関する語や、それらと同音をもつ語にかかる枕詞。


(とこ、床の間)に富士の(かた)掛けりしを下ろして、歌書きて得させよとあれば、旋頭歌を詠みて書き付く。
※ 形(かた)- 物に似せて作った絵。ここでは掛軸のことであろう。
※ 旋頭歌(せどうか)- 和歌の一体。五・七・七・五・七・七の6句を定型とする歌。片歌 (かたうた) の唱和から起こったといわれ記紀・万葉集などにみえる。

   天地の 開けし時ゆ 在りきてふ(という)山ぞ
   駿河なる 富士の高嶺を 大にな思い

※ 大に(おおに)- 重要に。大きいと。
※ な~そ - ~してくれるな・~しないでくれ・~するな


この山は、十が七つは、この国に入り立ちたりと聞けば、この国にて詠めらむには、甲斐なるとこそ、言わまほしけれ、と言いて笑いつ。

今宵、伊勢人、中村檍麿とかや云う人もここに来て、海山の物語りす。この人は旅を家とせる人にて、陸奥(みちのく)蝦夷の千島までも遊びしとて、いと良く物言い通れる若人なり。
※ 檍麿(あおきまろ)- 秦檍麿。江戸時代、北海道に生きた、三重県出身の偉人、村上島之允のこと。北海道開拓の足掛かりを作った。

今日はこの国、玉諸の神社の辺(ほと)りなる、水精(水晶)掘りに行きたりとて、分がちて贈れり。かの御社の内には、高さ七尺ばかり、囲み五尺ばかり成る水精(水晶)、土より出たるまゝにてありとぞ。
※ 玉諸(たまもろ)の神社 - 山梨県甲州市にある玉諸神社。神体として高さ7尺・周り6尺8寸の水晶の玉を祀った。その水晶は明治初年に盗難に遭い、現存していない。
(原注 玉諸神社、祭神玉屋命式内なり。今、訛りて玉室という。)
※ 分がつ(あがつ)- 分ける。分配する。
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