goo

「江戸繁昌記 ニ篇」 63 箆頭舗21

(大代川に群れる水鳥)

およそ40羽もいるだろうか。留鳥ではカルガモやマガモだが、冬鳥も混じっているのだろうか。

午前中、金谷公民館の掃除の奉仕に出る。久し振りに気張って身体を動かして疲れた。午後は少しだれる。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。

儒人、釈氏、誠無く、明かならざる、これ心学不二講の行わるゝ所以(ゆえん)なり。国学者流もまた爾々(しかじか)たり。考証、穿鑿力を訓話に窮わめ、神理は則ち、諸(もろもろ)を度外に置く。
※ 釈氏(しゃくし)- 僧侶。
※ 度外(どがい)- 範囲の外。また、数に入れないこと。
※ 心学(しんがく)- 石門心学。江戸時代中期の思想家・石田梅岩を開祖とする倫理学の一派で、平民のための平易で実践的な道徳を説いた。さまざまな宗教・思想の真理を材料にして、身近な例を使ってわかりやすく忠孝信義を説いた。
※ 不二講(ふじこう)- 江戸時代に成立した民衆信仰のひとつで、富士山を信仰し参拝するための講。特に江戸を中心とした関東で流行した。講社に留まらず、その宗教体系・宗教運動全般を指すことも多い。


歌を善くする者、また感天泣鬼の誠を見ず。但し、風月のを取る、今の詩人と、相似たり。近日、詩風萎薾、繊弱軽薄、これを読めば嘔吐す。詩は志なり。詩人胡(なん)ぞ、わが詩を作らざる。唐と曰い、宋と曰う。見(けん)、既に卑(いや)し。(叟、未だ詩味を喫せず)便(すなわ)ち、俳歌者流と、また甚だ異ならず。
※ 感天泣鬼(かんてん)-「天感じ、鬼泣く」。人を大いに感動させること。
※ 興(きょう)-「詩経」の六義の一。自然の風物に託して、自分の感興をうたう詩の叙述法。
※ 繊弱(せんじゃく)- 弱々しいこと。ひよわ。


世に俳人なる者有り。国字を以って、聯句を属し、瑣々たる小伎(技)、以為(おもえら)く玄珠(黒い玉)を獲(と)ると。自満(自慢)、自ら賢とし(所謂、天狗者)、井の蛙、未だ海若の家を窺わず。その心以って、天下を治むる具の想を為す。宜(うべ)なるかな、その満、もと、才無く、識無く、字を読むこと能ざる輩に係わる。
※ 聯句(れんく)- 連句。
※ 瑣々(ささ)- こまかいさま。くだくだしいさま。
※ 海若(かいじゃく)- 海の神。海神。わたつみ。


妄意、茟(筆)を援(たすけ)て、初学の句を雌黄す。もと着落無し。究竟解すべく、解すべからざるもの、宜(うべ)なり。この解すべからざるの、人悪(お)ぞ。能く解すべきの辞(言葉、ことわり)を為さん。
※ 妄意(もうい)- 筋道のない考え。でたらめな思い。
※ 雌黄(しおう)- 詩文を改竄 (かいざん) したり、添削したりすること。
※ 着落(ちゃくらく)- 帰結。最終的にある結論・結果に落ち着くこと。また、その結論・結果。
※ 究竟(くきょう)- 結局のところ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「江戸繁昌記... 「江戸繁昌記... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。