goo

町の開業医も大変で

(裏の畑のシシトウ)

最近、自分の掛かり付けの医者がO医院からS医院に変った。その経緯を話せば長くなるからここでは触れない。

永年人間を続けていると、一つや二つ検診の数値が標準値をオーバーするものが出る。要治療で医者に薬をもらうことになる。自覚はないから、無理に付けられた生活習慣病という病名で納得させられる。まあしかし、一病息災というように、医者とは仲良くして置いて損はない。

今度、一ヶ月お遍路に出掛けるので、一ヶ月分の薬を出してもらうべく、昨日S医院を訪れた。9月に受診した健康診断の結果を入手したので、それも見てもらう。特に悪い数値は無いので、今出ている薬は続けることで問題は無さそうであった。血圧も測ったが、110-70で安定している。薬は予備をみて5週間分出して欲しいと頼んだ。

S医師は面白い医者で、5週間も出したらうちの医院はつぶれてしまうという。毎度お願いする訳ではなくて、今回だけと話した。話の都合上、11月1ヶ月掛けて、四国へお遍路に行くと話した。どうしてもその期間の薬を出してもらわないと、現地で医者に掛からなくてはならないからと説得する。S医師はその間仕事はどうするのかと聞く。もう仕事は定年退職していて、少しだけ継続しているけど、時間は取れると話すと、「いいなあ!!」と実感のこもった声でいう。その声に羨望と、わずかに批難のトーンがあった。

先生は僕より若くて現役だから、まだ無理でしょうけど、と弁解の口調になる。S医師は60歳である。僕なんか、医院のローンが残っているから68歳まで働かないわけにはいかない。前回診察のとき、ローンが終ったら、医者をいつ辞めてもいいんだと話していて、先生は良くても辞めたら患者さんが困るでしょうという会話を交わしていた。

開業医をやっていると長い休みを取るわけには行かない。収入は良いようでも設備にお金が掛かる。休んでいても気が休まらない大変な仕事である。最近は医者も大変で、S医師の話では一年で50軒ほど個人医院が倒産しているという。

薬は出すけれども、外でもらってくれないかという。そういえば医薬分業の時代に、S医院は自分の医院で薬を出してくれる。薬を自分のところで持っていると、残ってしまうものも多く、消費税は取らないから何も儲からない。外の調剤薬局でもらってくれれば、処方箋を書くから、医院としては処方箋の料金が稼げる。つまりはその分患者側の負担が増えることになる。それまでかかっていたO医院では、処方箋を貰って調剤薬局で薬を貰っていたから、それで構わないと話して、ようやく35日分の薬の処方箋を出してくれた。

考えてみれば、O医院からS医院に変って、支払いが少なくなったように思っていたが、処方箋の料金はいらなかったためであったか。S医師は口は悪いけど開けっぴろげで、患者の負担を気にしている、ある種名医なのかもしれない。しかし開業医も一時も気が休まるときがない立場にいる割りに報われることが少ない大変な職業であると思った。S医師にも医者の不養生にならないように気をつけて、少なくとも自分よりも長生きしてもらいたい。患者は誰もそう思っている。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
« 世界経済はオ... 四国遍路秋編... »
 
コメント
 
 
 
投薬期間? (Sida)
2009-10-29 10:49:17
 いよいよ後半の遍路ですね。楽しみにしています。

ところで投薬期間ですが、私も血圧の薬を毎日飲んでいます。通常は一度に4週間分貰い月に一度の頻度で検診を受けています。

長期の旅行の時は投薬依頼書に署名をすれば希望する量を貰えます。私は8週間分の投薬を受けました。
 医者の話では4週までは法律で許可されていて、それ以上は特別な理由が無ければ投与しないとの事でした。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。