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「亜米利加応接書」 5

(大代川の中洲にカワウ)

昨日、増水した大代川の中洲にカワウを見つけた。羽根を広げるとずいぶん大きい。天気は晴れたけれども、この二日ばかり、春の強風で、隣の茶畑の上に設置した寒冷紗が風に激しく波打っていた。メンテナンス作業に来ていた人が、ここがこんなに風が強いとは知らなかった、という。強風はこの二日だけですよ、と答えた。

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「亜米利加応接書」の解読を続ける。

一 日本並び唐国は、西洋各国同様の交りは開き申さず、やはり一本立ちの姿に御座候。

一 兼ねて大統領より、唐国方、今の振り合いに心を附け候様、致すべきと申し付け越し候。
※ 振り合い(ふりあい)- 他とのつりあい。バランス。

一 唐国は十八ヶ年前、英国と戦争相起し候。右の筋、アゲント、部下に罷り在り候わば、その儀には及び申すまじきと存じ候。
※ アゲント - 領事。

一 唐国政府の存念は、広東奉行の取り扱いを以って相済として、政府にては取り扱わざる様致すべく、と存じ候より、破れに及び候儀に御座候。

一 広東奉行、金拵え事致し、程能く政府へ申し立て、しかのみならず、右奉行、英国へ対し権高にこれ有り候故、戦争相起し申し候。
※ 権高(けんだか)- 気位が高いさま。傲慢(ごうまん)。

一 終には、戦争により百万人の命を唐国にて失い申し候。

一 この戦争に付、唐国の港には残らず英国に乗っ取られ、剰(あまつさ)え、南京までも乗っ取り申し候。

一 右戦争中の罹費は差し置き、和議を求め候ため、小判に致し候えば、五百万枚、唐国より英国へ償いとして相渡し申し候。
※ 罹費(りひ)- 身に負った戦費。

一 右数百万の人数、並び数万の金子相渡し候儀は、十分の一にて候。その外の諸費など、申し算じ難き事に御座候。

一 右の外、唐国弱り候故、市中その外、砦など悉(ことごと)
乱妨(暴)致され候。

一 右故、唐国は元来、富み候えども、跡衰え、終に先年、韃靼の戦争同様、力を失い候事に及び申し候。
※ 韃靼(だったん)- タタールの音訳。中国文献には唐末から見える。初めはモンゴル高原のタタール部をさしたが、のち漠北の遊牧民族の総称となった。

一 唐国の物成も半分に減り申し候。右は韃靼も不伏(服)に付、国用を分ち相送り候故、旁(かたがた)以って疲弊いたし候。
※ 物成(ものなり)- 田畑からの収穫。

一 前条の場合より、再度戦い起り候様相成り申し候。


読書:「遠い唇」北村 薫 著
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