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金谷宿近江屋の手紙四通 その1 - 古文書に親しむ

(裏の畑のボケの花)

「古文書に親しむ」講座の、今年度最後の講座2月と3月で、金谷宿近江屋の御子孫から出た、手紙4通を解読した。手紙の解読は難しいけれど、古文書解読をやっておれば、避けては通れないものなので、敢えて最後に挑戦した。

その中3通は、近江屋のおそらく番頭さんが江戸から出した手紙であった。年末に、色々と頼まれて、買い付けに行ったところが、世は幕末であらゆるものが値上がりして、用意したお金ではとても目的が達せられない。そこで、送金の催促をした手紙で、年末が近付いて気が急くのであろう、立て続けに3通出したものである。

一筆啓上仕り候。甚寒の節、益々御安全欣仰奉り候。随って、少子無事罷り過し候。御放念下さるべく候。
※ 欣仰(きんぎょう)- よろこびあおぐこと。
※ 少子(しょうし)- 末子。(自分のこと)
※ 放念(ほうねん)- 気にかけないこと。心配しないこと。


然らば、先日も一同への書中、定めて御覧下さり候義と存じ奉り候。段々日々夫々、廻勤致し弥(いよいよ)当五日、御奉行所へ御差出し相成り申し候。御安心下さるべく候。この度の願いは村々より一札受取り候義、大いに都合に相成り、多分相貫き申すべく存じ奉り候。
※ 都合(つごう)- やりくりをすること。

さて、御注文物なども、中々未(いま)だ相整え候隙(ひま)、少しもこれ無く、決して等閑(なおざり)候義には御座なく候間、宜しく御察し下さるべく候。この節は火の元大廻りも御加勢御座候よし、御苦労の至り存じ奉り候。龍吐水買入れも手立て仕り候。
※ 龍吐水(りゅうどすい)- 消火用具の一。箱に入れた水を手押しポンプで噴出 させる装置。

さて出立候節、申し上げ候入用の義、見込候ては日々信約いたし候わば、左程の事もこれ有るまじくと存じ、罷り出で候所、毎物高直の上、願い向きに御廻勤の方々、存外の相場にて、殆んど当惑、驚き候ばかりに御座候。もっとも日々の暮し明しは、極く手堅(てがた)に相慎み居り候間、その段は御安心下さるべく候。
※ 信約(しんやく)- 約束。誓約。

右に付、廿日前までの内、是非金弐拾両御下(くだ)し下され候様、仕りたく、何分にも出先空嚢にては、諸所内願の働き出来難く候間、正味御下し下さるべく候。国元にての了簡とは、大相違の義にて、呆れ果て申し候。
※ 空嚢(くうのう)- 財布がからであること。からの財布。
※ 了簡(りょうけん)- 考え。気持ち。思案。


黒田より頼み状も、出立前失念仕り候。何とぞ壱通、御認めさせ、御遣わし下され候様、願い上げ奉り候。近日の内、安平相返し申すべく、その節、委細申し上ぐべく候、以上。
※ 黒田より頼み状 - 後の手紙を読むと解るのだが、この頼み状は江戸でお金を出すように依頼した、多分為替に当るものと思われる。
※ 失念(しつねん)- うっかり忘れること。


  十二月六日             六郎

  左一郎様

尚々、御家内様御一同へ、宜しく御伝言下さるべく候。留主宅の義も、何分よろしく願い上げ奉り候、以上。
※ 留主(るす)- 留守。
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