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「壺石文」 中 28 (旧)九月四日、五日~、九日、十日、十一日

(庭の隅のサカキの花)

神棚用に一本植わっている、サカキの花を初めて見た。毎年咲いているはずだが、注意して見ることがなかった。

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「壺石文 中」の解読を続ける。

四日、来るつ(来たる)十七日は東照大御神(おおんかみ)の御祭りなりとぞ云うなる。その試楽、例(たぐい)ある技とて、昨日今日すめり。国分町と云う処に出でゝ見もて行くに、おどろ/\しう、高き屋形に、色々の人形(ひとがた)立てて、後に、錦に装束きたる、おかしき様々(ようよう)の見ものなりけり。
※ 試楽(しがく)- 公事・祭礼などに行われる舞楽の予行演習。
※ 屋形(やがた)- 仮にこしらえた家。
※ 装束きたる(そうぞきたる)- 着飾った。


五日、光明山孝勝寺の丹後ノ局の御霊屋に詣づ。
※ 御霊屋(みたまや)- 先祖の霊や貴人の霊を祭っておく建物。霊廟。

   千代かけて 朽ちぬなよ竹 若竹を
        おふしたてたる 蔭も見えつゝ

※ なよ竹(なよたけ)- 細くてしなやかな竹。
※ おふしたてたる -(意味不明)「ふし」は竹の節を示しているのだろうか。


躑躅岡の神明宮の神主、菊田ノ求馬師也と云う人を訪らいて物語りす。
※ 躑躅岡(つつじがおか)- 仙台市宮城野区にある歌枕の地。

九日、事もなし。

十日、晴れみ曇りみ、定めなき空の景色に、躊躇(ためら)いて、辰の降ちばかりならんかし。こゝを発ちて桜の馬場に出づ。このわたり、古しえのつつじの岡なりとぞ云うなる。十八里ばかり山路を来て青麻宮というに詣づ。神主鈴木ノ対馬と云うを訪らいて宿る。
※ 辰の降ち(たつのくだち)- 辰の刻の終り頃。現在の、朝の9時近くの時刻。
※ 桜の馬場(さくらのばば)- 躑躅岡に仙台藩主伊達綱村が開設した馬場。桜を植えて、領民に開放した。
※ 青麻宮(あおそぐう)- 仙台市宮城野区にある青麻神社。


(十一日)、つとめて(早朝)起きて、主の乞うまゝに画かきて与えて、日出て後、こゝを発ちて、六、七里山路を来て、利苻(リフ)と云う宿に至り、古しえの十符(とふ)の里なりとぞ云うなる。十、七八里ばかり来て、松島に至り、さいつごろ宿りたる家に立ち寄りて、南面の簀の子に尻掛けて、煙吹きつゝとばかり眺む。
※ 利苻(りふ)- 宮城県の中部に位置する、現、宮城郡利府町。
※ さいつごろ(先つ頃)- さきごろ。先日。
※ とばかり - ちょっとの間。しばらくの間。


   二夜寝て 飽かず別れし 松島は
        今日来て見れど 珍しきかな


   今日も飽かで 別れ行けども 色変えず
        待つ
(松)てふ(という)島の 頼まるゝかな


読書:「アンカー」 今野敏 著
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