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金谷宿近江屋の手紙四通 その2 - 古文書に親しむ

(散歩道のスズランスイセン)

午前中、女房の在所のお墓参りに行く。今日は彼岸の中日であった。5月に義父の七回忌を行なうと聞く。もうそんなに経つのかと、改めて思う。

近江屋の2通目の手紙には、江戸で調達予定の品々が例示されている。近江屋は旅籠と薬屋だったというから、それぞれ商売ものではない。江戸に行くならついでにと、色々なものを買ってくるように頼まれている。六郎さんの本来の用件は何だったのか。それは三通目の手紙をみると、推定できる。

甚寒、益(ますます)安健喜び述べ奉り候。
※ 安健(あんけん)- 安らかで健やかなこと。

然らば、先便も申し上げ候通り、当表へ久々にて出張致し、見候所、諸色存外の高直にて、先ず、なくて叶わざる品、雪駄、下駄、傘などは直(ちょく)に相求め候所、平の下駄壱足、金弐朱と弐百文、誠に呆れ申し候。安き品々一度にて積み候様、成品ばかりにて、これ程高くても買い候様、相成り候。
※ 成品(せいひん)- 既製品。

その外、御支配様御注文物、並び一同の御頼みなどにて、金七両余の取り替し相成り、龍吐水も調え申したく候えども、最早、懐中空嚢に相成り、実に当惑仕り、殊に臨時も存外相掛り候に付、何とぞ早々金子差し下し下さるべく候。

当暮の所は、御指し合い須く御察し申し上げ居り候間、実に御気の毒には候えども、遠方出張にては、金子のみが便りにて、空手にては一日も居られ申さず、もっとも原叔父、只今にては少々の貯えは持ち居り候間、弐拾両や三拾両は、急場繰り替えも出来候えども、暮に差し迫り候事ゆえ、長く借金をも計り申さず、何分御勘考下さるべく候。
※ 指し合い(さしあい)- さしさわりがあること。
※ 須く(すべからく)- 当然。
※ 空手(くうしゅ)- 手に何も持っていないこと。
※ 繰り替え(くりかえ)- 振り替え。
※ 勘考(かんこう)- よく考えること。思案。


御使い間のしくじりわび、忠郎よりこそにも、余程相掛り申し候。御察し下さるべく候。脇差、柏屋殿へ御歳暮に差し送り申し候。御一覧下さるべく候、以上。
※ 柏屋(かしわや)- 金谷宿一の本陣。(一応、柏屋と解読したが、確証はない。固有名詞は解読に難しい。)

   十二月十日夜、紅屋     六郎

     左一郎兄契 御許
※ 兄契(けいけい)- 義兄。
※ 御許(おんもと)- 書状の宛名の左下に書き添えて敬意を表す語。「侍史」「机下」「御中」などがある。


   尚々
※ 尚々(なおなお)-(手紙などで)付け加えて。なお。(書き足す部分を「尚々書」という)ここでは、「尚々」とは書かれているが、そこで終わっている。
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