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「江戸繁昌記 ニ篇」 42 神明10

(区の秋祭りの子供屋台が通る)

もう何年も前から、子供の少なさが目立つ。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。今日で「神明」の項を終える。

汗辱、人に従う。生、死するに如からず。吾、常に、早く児の死を為さざりしを恨むなり。顧(おも)うに、(あまね)世間、男にして女ならざる者、幾多有る。士やなり、儒やなり、また人に従う蘇張のみ。享物(シンモツ)、謁し、書画、会を乞う。頭を屈し、腰を屈す。尻を屈するに孰若(いず)れぞ
※ 普し(あまねし)- すみずみまで及ばない所がない。広く行き渡っている。
※ 蘇張(そちょう)- 中国、戦国時代のすぐれた遊説家である蘇秦と張儀。転じて弁舌のすぐれた人。雄弁家。
※ 享物(きょうもつ)- 受ける物。(渡す側からは)進物。
※ 薦(せん)- 人を取り上げ用いるように進言すること。
※ 謁す(えつす)- お目にかかる。謁見する。
※ 尻を屈するに孰若(いず)れぞ - 尻を屈するのとどちらの方が良いのか。


学問、餌(え)に換え、斗升禄を釣る外、(まいない)内謁、ただそれに後れんことを恐る。諸侯の儒を聘するか、儒の諸侯を聘するなり。
※ 斗升(としょう)- 斗も升も御米の量を計る単位。ここでは、俸禄としての米を示す。
※ 賂(まいない)- わいろ。
※ 内謁(ないえつ)- 内々で謁見すること。
※ 聘する(れい)- 礼を厚くして人を招く。また、単に呼び寄せる。(ここでは、後者)


前夕、偶々(たまたま)一藩客の説くを聞く。曰う、吾が藩一星落つ、便(すなわ)ち、衆星のこれに拱する旋繞、光を注ぎ、西に柄をこれ掲ぐ。錐(すい)未だ上を知らず。五百石の、何人の手に墜るを(知らず)。想うにその、眼張り、胸悸す。何如(いかん)ぞや。
※ 一星(いちせい)- ここでは、藩お抱えの儒者。
※ 衆星(しゅうせい)- 多くの星。ここでは、その儒者の弟子たち。
※ 拱する(きょうする)- 何もしないで傍観している。手をつかねる。腕をこまぬく。
※ 旋繞(せんじょう)- まとわり回ること。
※ 旋繞、光を注ぎ、西に柄をこれ掲ぐ - 師弟の関係を、北極星の廻りを杓子の形の北斗七星が回るさまに譬える。
※ 牌(はい)- ふだ。ここでは、五百石の俸禄を指している。


古人は髀(もも)の肥えたるに泣き、今人は腹の飢えたるを泣く。男児窮せば、斯(か)く死すべし。義なきの仕(つか)えは、君子は為さず。曷(いずくん)ぞそれ、奈何(いか)んぞ然るや。爽(たが)わず、士はその行を弐にす。我が尻、彼が志に方(くら)ぶるに、未だ必ず賎劣と為すべからざるなり。履声、外に在り。郎、急に内より咳す(エヘン)。
※ 賎劣(せんれつ)- いやしく劣っていること。
※ 履声(りせい)- 草履の足音。
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