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「壺石文」 中 20 (旧)八月廿四日

(散歩道のハナショウブ)

昨夜、ブログの更新を終えた頃、部屋の脇、雨戸の外で、何やら獣の騒ぐ声がする。きゅうう~、とか、ぎゅるるう~、とか。漫画の擬音のような声だ。二頭で追っかけ廻っているような。猫ではない。うり坊(猪の子)かとも思ったが、大代川を越えてこちらまで来たという話は聞いたことがない。雨戸を少し開けて見たが姿はない。今度は裏の畑の方で騒いでいる。ムサシのいる台所の電気を付けたら、表に回った。おっかなびっくり玄関を少し開けてみるが、玄関灯の範囲には姿が見えない。やがて静かになった。女房が懐中電灯を手に外へ出て様子を見に行く。蛇はおっかながる割に、こんな時に妙に度胸が良い。

翌朝、枇杷の木の下にいっぱい食い散らかされた種などが落ちていたと女房が云う。それならば、昨日騒いだのはハクビシンであったか。ちなみに当家では枇杷を荒らすのはハクビシンと云うことになっている。その姿を一度も見たことがないのに、ハクビシンにしたらとんだ冤罪かもしれない。

今、ユーチューブでハクビシンの声を聴いた。昨日の怪しい声は将にハクビシンのそれであった。つまり、枇杷を食い荒らすのもハクビシンで、冤罪ではない確証を得たわけだ。

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「壺石文 中」の解読を続ける。

廿四日、天気(ていけ)好し。こゝを発ちて、元越し道を下り/\て、益子の社の前わたりして、田づらの道を経て大路に出ず。藤田の宿を過ぎて、阿津賀志山の麓に至り、大路の左に折れて、実方の中將の腰掛松と云うを見る。いと大なるが、土に屈(こゞ)まり這い、広ごりて、いと/\景色ある木なりけんを、一昨年(おとつどし)ばかりか、ゆくりかに火出でて焼け果てにきとぞ。今は見所無し。あたら事になん。里人は判官義経が腰掛松とぞ云うめり。(聞老志に云う。実方中将輿立て松。)
※ 藤田の宿(ふじたのしゅく)- 奥州街道の54番目の宿場。現、福島県伊達郡国見町藤田。
※ 阿津賀志山(あつかしやま)- 国見町にある山、古くは国見山と云われた。標高289.4m。鎌倉幕府の源頼朝と奥州を支配していた藤原泰衡との間に、阿津賀志山一帯を舞台にした「奥州合戦(奥州征伐)」があった地として有名。
※ 実方の中將(さねかたのちゅうじょう)- 藤原実方。平安時代中期の貴族・歌人。陸奥守になって赴き、任地で客死した。
※ ゆくりかに - 思いがけなく。突然に。
※ あたら(可惜)こと - 惜しいこと。残念なこと。


読書:「三鬼 三島屋変調百物語四之続」宮部みゆき 著
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