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「江戸繁昌記 ニ篇」 62 箆頭舗20

(散歩道の、大代川、河原の枯れススキ)

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。

それ不立文字達摩の別伝、諸宗の僧侶、今また教外の教えを奉じて、一尺の書も,或は読むこと能わず。纔かに先師口授の経文を臆誦するを以って、僧たるの責めを塞(ふさ)ぐ。(小僧,木魚鳴らして、これを攻めるべきなり)
※ 不立文字(ふりゅうもんじ)- 禅宗の教義を表す言葉で、文字や言葉による教義の伝達のほかに、体験によって伝えるものこそ真髄であるという意味。
※ 達摩(だるま)- 中国禅宗の開祖とされているインド人仏教僧。達磨祖師、達磨大師ともいう。
※ 口授(くじゅ)- 直接に口で言って教え授けること。
※ 臆誦(おくじゅ)- 心の中でとなえる。


論語の論の字もまた不識(フシキ)、曰う、儒は我が道の一教、何ぞその書を読まんと。未だ嘗(かつ)て、、君臣の刑政の美、儒道盛世中に在りて、徳に浴する、これを仰ぐべきを省せず。
※ 不識(フシキ)- 知らないこと。不知。
※ 躬(きゅう)- みずから。自分で。
※ 懿(い)- すばらしさ。うるわしさ。
※ 刑政(けいせい)- 刑罰と政治。
※ 盛世(せいせい)- 国力が盛んな時代。盛代。


妻を養い、肉を食わざる者は、纔かにその道ののみ。仏の妙所には非ざるなり。これを守りて、これ僧と為さば、僧もまた易々なりや。
※ 制(せい)- きまり。おきて。制度。
※ 妙所(みょうしょ)- きわめてすぐれた箇所。
※ 易々(いい)- たやすいさま。困難のないさま。


熊沢氏、言有り、曰う、皇国、神書と称すべきものは、三種の神器、これのみ。三種は即ち知、仁、勇。乃(すなわ)ち、これを釈するは、中庸に如(し)くもの莫(な)しと。 
※ 熊沢氏(くまざわし)- 熊沢蕃山。江戸時代前期の儒者。中江藤樹に陽明学をまなび、備前岡山藩主池田光政に仕える。治水、救民などに治績をあげる。晩年、政治批判で幕府に疎まれ、幽囚中に病死。
※ 中庸(ちゅうよう)- 儒教において、「四書」の一つであり、またその中心的概念の一つである。


善いかな、言や。神の神たる、豈(あに)神を異にせん。釈氏(僧)はこれを見て、これを仏と謂い、神家(神主)はこれを見て、これを神と謂い、儒者はこれを見て、聖と謂い、神と謂う。仏もまた天地の間に在り、神もまた天地の間に在りて、一陰一陽、闔闢呼吸、外に出ることを得ず。便(すなわ)ち、これ一切の衆生、仏性を具して、天下の生霊、神理を備(そな)う。神、豈(あに)遠からん。仏、豈遠からん。誠の至らざる、徳の明かならざる、卒(にわか)に遠に終らんやのみ。
※ 闔闢(こうびゃく)- 閉じることと、開くこと。
※ 生霊(せいれい)- いのち。生命。生きている人の魂。


読書:「三谷幸喜のありふれた生活 14 いくさ上手」三谷幸喜 著
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