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「壺石文」 下 7 (旧)十二月廿八日、廿九日、晦日

(庭のキキョウ)

永年、庭で花を咲かせているが、紫の色が段々薄くなってきたように思う。気のせいだろうか。

今朝、金谷宿大学のMさんから電話があって、2016-12-12のこのブログの書き込みについて、改善することになったと、わざわざ連絡を頂いた。会合でそんな話を出して、その不合理さを理解してくれたという。見ていてくれる人がいて、このブログも役に立つことがある。

昼前に、緊急地震速報が出て、鹿児島で震度5強の地震があったという。震源地は喜入沖の鹿児島湾の海底10キロの地下だという。喜入には確か会社の後輩のHさんの自宅があったと記憶している。顔を思い出して、大きな被害が無ければよいがと思う。

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「壺石文 下」の解読を続ける。

廿八日、九日、家々、おのがむき/\、今日節分(せちぶん)なりと言いのゝしりて、鬼やらいす。暦という物、持たる人も、をさ/\あらざる浦里なりければ、ただ凡そに思い計りて、心当てにする業なるべし。
※ をさ/\(おさおさ)- ほとんど。あまり。めったに。

つごもり(晦日)天気(ていけ)いと好し。そよとだに風吹かで、こよのう暖かなり。春の立ちたる験(しるし)なるべし。

   日をよめば 今日ぞ暮れゆく 年波に
        霞先立つ 春ののどけさ


この冬は何よりも寒さこよなかりきと、この浦人も言うなるに、いと暖けき国より、かかる世界に久しく旅居する身の、肌付けという物も着ず、上襲の衣(きぬ)も無くて、綿薄く垢付き破れたる衣、一つばかりにて、夜の物だに、をさ/\物せで、冬ごもりぬれど、寒さの障(さわ)らざりけるは、故父君の、菅雄は二郎なりければ、他人の家をも継ぎ、あらぬ世界にさすらう事などもあらんを、さる心して、辛き目見せておほしたててよと、常に(おき)られてければ、幼なかりける時より、夜は更かして臥さしめ、朝(あした)には疾く起し、冬の寒きにも衣を重ねさせず、たしなめられてければなめり、と人知れず思い出られて、泪ぐまるゝもあじきなのわざなりけり。
※ 肌付け(はだつけ)- 肌着。肌付き。
※ 上襲(うわおそい)- 衵(あこめ)・袿(うちき)などの上にはおる簡略な衣。うわがけ。
※ をさ/\(おさおさ)- ほとんど。あまり。めったに。
※ 辛き目(からきめ)- ひどいめ。
※ おほしたつ(生ほし立つ)- 育てる。養育する。
※ 掟つ(おきつ)- あらかじめ決めておく。計画する。
※ たしなめる(窘める)- よくない点に対して注意を与える。いましめる。
※ あじきなの - やり切れない。やるせない。


   思い出る 親の諌めの かしこさ
        かゝる寒さも 身には染
(し)まざる
※ かしこい - ありがたい。


この部分で、菅雄さんは初めて自分の育った時代の話に言及している。菅雄さんの父親は、いずれどこかの養子に出さねばならない菅雄さんに対して、どんな境遇が待っていようともくじけないために、厳しく育てたというのである。
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