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「江戸繁昌記 ニ篇」 44 箆頭舗2

(秋の夕焼け)

今日の夕方の西の空、しばらく続いた涼しい日から、一転、最高気温は30℃近くまで戻った。しかし、空は秋そのものであった。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。髪結い床の状景である。

初め篦(クシ)を下す。必ず左鬢をよりす。先ず、乱髪を略櫛して、始めて剃刀を行(や)る。頂(頭頂)よりの者あり。(えら)よりの者あり。客、剃り出しの命に聴(ま)かす。
※ 腮(えら)- 人の顎(あご)の両横のはし。

頂、腮全て剃りし。遂に密篦を把(つか)んで、力を極(き)めて垢を剔(えぐ)り、を以って餘泥(アカ)を絞り上(のぼ)す。更に髪根に爪して、数搔きを取る。客、快しと叫ぶ。遂に頂上に向いて、水少し許り潑(ちら)し、巾を揑(こ)ね(テヌグイヲカタメ)、これを拒(さら)う。客また快しと叫ぶ。乃(すなわ)ち、客をして更に自ら澡(あら)わしむ。
※ 密篦(みつの)- 目の細かい櫛。
※ 索(さく)- つな。太いなわ。
※ 癢(よう)- かゆみ。


髪間爽涼、清剃光を生ず。初櫛よりこれに至る。剃出しこれを主(つかさど)る客、遂に頭を以って親方の手に託す。親方、更に刀を操(あやつ)りて、虚剃(ぶ)て、以って丁寧を示す。
※ 虚剃(きょてい)- から剃り。
※ 撫す(ぶす)- なでる。


始めて、香膏を施し、密篦、復た(へい)、また疏篦を用いて、衆髪を総会し、括(くく)るに、仮綸(カリユイ)を以ってなり。また膏なり。また櫛し、終わりに掠頭(モトユイ)を用いて緊括、髽(くくりがみ)を作し、前に向けてこれを屈(かがめ)し。還(かえ)して寸許りを挽(ひ)きて、これを後ろに出す。これを麻結(マゲ)と謂う。
※ 香膏(こうこう)- 香りのよい軟膏。髭剃りあとのクリーム。
※ 密篦(みつの)- 目の細かい櫛。
※ 篦す(へいす)- くしす。
※ 疏篦(そへい)- 目の粗い櫛。
※ 衆髪を総会し - すべての髪を一つに集めて。
※ 掠頭(もとゆい)- 元結。髪の髻 (もとどり) を結び束ねる紐・糸の類。
※ 緊括(きんかつ)- きつく縛ること。
※ 寸許り(すんばかり)- 一寸ばかり。


麻結に数種有り。銀杏(イチョウ)と曰い、子麻結(コマゲ)と曰い、丸(マル)麻結と曰い、知餘侔(チョン)麻結と曰い、本田(ホンダ)と曰い、他発年(タバネ)と曰い、比加越(ヒカエ)と曰い、苦追志(クズシ)と曰う。
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