goo

「江戸繁昌記 ニ篇」 40 神明8

(散歩道のシコンノボタン)

散歩道で、花の少ない今、よく目立つ花である。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。

真に地獄の呵責。客多くば、閻王、地蔵を見ること、罕(まれ)なり。一夕数客見るとして、牛頭(ゴヅ)に匪(あら)ざるは莫(な)く、逢うとして馬頭(メヅ)に匪(あら)ざるは莫(な)し。(馬頭の苦痛は梁上の苦楚に孰与(いずれ)ぞ)
※ 呵責(かしゃく)- 厳しくとがめてしかること。 責めさいなむこと。
※ 閻王(えんおう)- 閻魔大王。
※ 牛頭、馬頭(ごず、めず)- いずれも地獄にいるとされる亡者達を責め苛む獄卒。いずれも、牛頭、馬頭で人身。
※ 苦楚(くそ)- 苦痛。辛苦。


肺肝涙を灑(そそ)ぎて、眉額笑いを上(のぼ)す。意思如何(いかん)ぞや。幾度か帯を環(わ)にす。死を欲して、未だ能(あた)わず。静かに言うに、これを思うはまた前因の有る所を悟る。青春老い易く、桃李将に謝(しぼま)んとす。花を問うの客足跡漸く少なり。
※ 肺肝(はいかん)- 心の奥底。
※ 桃李(とうり)- 桃やあんずの花々。


何の縁、何の幸、今は偶々君が数夕の恩を受く。弟が百年、また誰にかこれ依らん。大慈心、君が済度に非ずば、焉(いずくん)ぞ、この穢土を出離するを得ん。願いは早々約を果せ、籠鳥一旦空に翔(かけ)らば、山中三間、雲に栖み、(タトイヤマナカサンゲンヤデモ)石に眠るも、弟能く甘心せん。将に君が傍に着在して、香を拈(ひね)り、汲を取り、一つは双親の追福を修め、一つは身後楽地を営まんと欲す。
※ 甘心(かんしん)- 納得すること。 同意すること。
※ 着在(ちゃくざい)- 着き在ること。
※ 汲を取る(きゅうをとる)- 茶の湯を汲む。或は、単に水を汲むことか。
※ 追福(ついふく)- 死者の冥福を祈ること。追善。
※ 身後(しんご)- 死んだのち。死後。
※ 楽地(らくち)- 安楽な土地。楽土。


木魚聴くことを楽しむ。蔬筍(ショウジンモノ)何ぞ厭わん。同刹、偕老庶幾はこの浮世を了(おわら)せんことを。密語断続、一言は一言より低し。時に凄風颯至珠簾雨に捲く。増上寺の鐘、一声枕辺に撞き落し来たる。
※ 蔬筍(そじゅん)- 野菜とたけのこ。
※ 偕老(かいろう)- 老いを偕 (とも) にすること。
※ 庶幾(しょき)- こいねがうこと。切に願い望むこと。
※ 凄風(せいふう)- 強くすさまじい風。ものすごい風。
※ 颯至(さっし)- さっと吹くさま。
※ 珠簾(たますだれ)- すだれの美称。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「江戸繁昌記... 「江戸繁昌記... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。