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「壺石文」 下 26 (旧)二月十四日(つづき)、十五日~、廿一日~

(散歩道のフヨウ)

一足早く、今日で「壺石文」を読み終った。もっとも、このブログではまだ10日ほどかかると思う。さて、この間に、次に読む本を決めなければならない。いくつか候補はあるが、江戸時代の国学者たちが好んで使った、大和言葉にも慣れた所だから、もう少し国学者の本を読んでみようかと考えている。 

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「壺石文 下」の解読を続ける。

道交いにて、物言う人あり。とばかり立ち止まりて、顧みすれば、師也(もろなり)神主なりけり。打ち付けに(いざな)うまゝに、語らい付きて、躑躅ヶ岡にぞ至りける。大路も小路も浮泥(うきひじ)深く、滑らかにて、いと/\所せかりければ、
※ 道交い(みちかい)- 道を行き来すること。往来。
※ とばかり -ちょっとの間。しばらくの間。
※ 師也(もろなり)神主 - 躑躅岡の神明宮の神主、菊田ノ求馬師也。
※ 打ち付けに(うちつけに)- いきなりに。突然に。
※ 所せかり(ところせかり)- 煩わしい。面倒である。やっかいである。


   春去れど 雪気の憂きに 行きなずむ
        道は躑躅
(つつじ)の をかしげもなし
※ 雪気(ゆきげ)- 雪が降りそうな空模様。雪の降りそうな気配。
※ なずむ(滞む)- 進むのに難渋する。とどこおる。


十五日、つとめて(早朝)若子(わくご)、寿(ほ)ぎ岡に、古しえ学教え給いてよと、せちに請われければ、萬葉集、紀記歌集など、様(よう)のものを講説しける序でに、
※ 若子(わくご)- 若い男子。また、若者をほめていう語。
※ せちに(切に)- ひたむきに。いちずに。


   音立つる 篠の葉風の さゝめごと
        聞かば躑躅の をかしからまし

※ さゝめごと(私語)- ひそひそ話。ないしょ話。

廿日、この日頃は、学びの窓にのみ籠り居て、屈し果てにたれば、岡の辺に立ち出でて、こゝかしこ、(たたず)歩きつゝ見渡すに、南の方、海の面、遥かに見えて景色よし。辺り辺りに大なる桜木多く立てりけれど、なべて冬木なりけり。
※ 屈す(くす)- 気がめいる。気がふさぐ。
※ 佇む(たたずむ)- そのあたりをうろつく。


   波立てる 桜咲きなば 岡の名の
        つつじは花に 埋もれなまし


廿一日、薬師(くすし)荒井氏、壺の石文の摺りたる、又一片、贈られけり。いと嬉しくて、
※ 薬師(くすし)荒井氏 - 殿の薬師、荒井ノ泰安。

   家苞と するが(駿河)に急ぐ 陸奥の
        壺の石文 文
(踏み)重ねつつ
※ 家苞(いえづと)- わが家に持ち帰るみやげもの。
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